合成化学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 合成化学
科目番号 140408 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ハート基礎有機化学 H.ハート著 秋葉欣哉 他訳(培風館)、ポイント有機化学演習 池田正澄 編(廣川書店)、配布プリント
担当教員 中川 克彦

到達目標

1.カルボニル化合物の命名、性質、製法、反応が説明できる
2.アミノ化合物の命名、性質、製法、反応が説明できる
3.芳香族化合物の命名、性質、製法、反応が説明できる
4.有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体について説明できる
5.グリーンケミストリーの概念が説明できる
6.赤外スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの解析により、単純な有機化合物の構造が説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1カルボニル化合物の命名、性質、製法、反応を理解し、正確に説明できるカルボニル化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できるカルボニル化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できない
評価項目2アミノ化合物の命名、性質、製法、反応を理解し、正確に説明できるアミノ化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できるアミノ化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できない
評価項目3芳香族化合物の命名、性質、製法、反応を理解し、正確に説明できる芳香族化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できる芳香族化合物の命名、性質、製法、反応の概要を説明できない
評価項目4有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体について理解し、正確に説明できる有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体についての概要を説明できる有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体についての概要を説明できない
評価項目5グリーンケミストリーの概念を理解し、正確に説明できるグリーンケミストリーの概念を説明できるグリーンケミストリーの概念を説明できない
評価項目6赤外スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの解析により、単純な有機化合物の構造について理解し、正確に説明できる赤外スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの解析により、単純な有機化合物の構造についての概要を説明できる赤外スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの解析により、単純な有機化合物の構造についての概要を説明できない

学科の到達目標項目との関係

環境・技術者倫理 (A) 説明 閉じる
専門知識 (B) 説明 閉じる
自己表現 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
合成化学では、官能基別に分類した有機化合物の性質・反応性・合成法や有機化合物の環境への影響について学ぶ。また、有機化合物の環境や生命に及ぼす影響について、グリーンケミストリーの観点からみた合成法について特許検索を実習し、グリーンケミストリーの概念を学ぶ。医薬品・天然物等の合成に必要な立体化学について学ぶと共に、単純な有機化合物の機器分析結果による構造解析について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式で実施するが、理解度確認のため多くの質問をしながら進める。次の授業の内容に関する教科書を読み予習してから、授業を受けること。授業中に配布するプリントを予習し、紹介図書などを熟読しながら、有機化合物の命名、性質、反応性などについて考えること。本科目は、有機工業化学、食品化学、有機機能化学、環境化学とも密接な関連があり、生物応用化学専攻の理論有機化学、有機合成化学および高分子化学概論、特許化学概論とも関連する。
注意点:
合成化学は有機化合物の命名、反応性やその合成法およびそれらの構造解析に関する基本的な項目を学び、理解するため、授業で学んだことはその都度復習する必要がある。有機分子の特有な性質、様々な機能について多角的に学ぶため、有機化学1、有機化学2、無機化学1、物理化学1および生化学1、さらに化学1および化学2の基礎知識が必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化学の復習(1):有機化合物の分類しやすい方法について 命名法など 1,2,3
2週 有機化学の復習(2):官能基の性質は何によって決まるのかを考えよう 1,2,3
3週 カルボニル化合物(1):アルデヒドおよびケトンの化学(命名、共鳴) 1
4週 カルボニル化合物(2):アルデヒドおよびケトンの化学・反応(ケトエノール互変異性) 1
5週 カルボニル化合物(3):アルデヒドおよびケトンの合成(アルドール縮合) 1
6週 カルボニル化合物(4):アルデヒドおよびケトンの反応および合成法の演習(グリーンケミストリーからみた合成法) 1,5
7週 カルボン酸の化学・反応(命名、酸性度の比較、反応性) 1
8週 中間試験
2ndQ
9週 カルボン酸の合成とその応用演習(Fischerのエステル化) 1
10週 カルボン酸誘導体の化学及び反応 環境にやさしい合成法の考え方(グリーン化学原料と再生可能資源(バイオマス)の利用、グリーンプラスチックなど) 1,5
11週 カルボン酸誘導体の合成とその応用演習 1,5
12週 アミノ酸と糖類の命名、性質について 2
13週 アミン誘導体の化学・合成(命名法、塩基性の比較、反応性 ) 2
14週 アミン誘導体の化学・合成とその応用演習(1) (アゾ染料の合成 ) 2
15週 アミン誘導体の化学・合成とその応用演習(2) (ニトロソアミンの毒性および化学物質管理について ) 2,5
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 共役系化合物の合成とその応用演習(共鳴と反応機構) 1,2,3
2週 芳香族化合物の化学(1):共鳴安定化エネルギーと芳香族性の定義 3
3週 芳香族化合物の化学(2):置換ベンゼン環の電子効果(誘起効果と共鳴効果) 3
4週 芳香族化合物の化学(3):置換ベンゼン環の電子効果の演習 3
5週 芳香族化合物の反応(1):求電子置換反応 3
6週 芳香族化合物の反応(2):求核置換反応と芳香族置換反応の演習 アスピリン誘導体の合成法について特許検索を行う ダイオキシンの毒性についてインターネット検索を行う 3,5
7週 新しい合成手法(1):環境にやさしい合成の実例(有機金属、光化学、グリーン触媒、バイオ触媒を活用した特許などの検索実習を行い検索結果をまとめ、プレゼン発表を行う) 3,5
8週 中間試験
4thQ
9週 有機化合物の立体異性体(1):不斉分子とは何か、RS表示法およびEZ表示法 1,2,3,4
10週 有機化合物の立体異性体(2):光学異性体の命名およびその合成反応の演習 1,2,3,4
11週 スペクトルによる有機化合物の構造決定(1):赤外スペクトル(IR)の解析および構造決定演習 1,2,3,4,6
12週 スペクトルによる有機化合物の構造決定(2):赤外スペクトル(IR)の解析および構造決定演習と核磁気共鳴スペクトル(NMR)の解析 1,2,3,4,6
13週 スペクトルによる有機化合物の構造決定(3):核磁気共鳴スペクトル(NMR)の解析および構造決定演習 1,2,3,4,6
14週 スペクトルによる有機化合物の構造決定(4):IR, NMRによる総合構造決定演習 1,2,3,4,6
15週 後期のまとめ 1,2,3,4,5,6
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
分析化学無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4

評価割合

試験小テスト課題提出物態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801010000100
基礎的能力0000000
専門的能力801010000100
分野横断的能力0000000