生物応用化学実験4

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物応用化学実験4
科目番号 140415 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1.5
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 生物応用化学実験4テキスト  新居浜高専・生物応用化学科 編集/創造化学実験の取り組み方  新居浜高専・生物応用化学科 編集/化学工学実験  東畑平一郎 他著  (産業図書)/ビギナーのための微生物実験ラボガイド  掘越弘毅 他著  (講談社サイエンティフィク)
担当教員 早瀬 伸樹,衣笠 巧,西井 靖博,鶴崎 猛

到達目標

1.流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作を身につけ、各現象をイメージできること。
2.酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いができること。
3.実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められること。
4.創造化学実験において、アイデアの発想法や整理法を理解すること。
5.創造化学実験において、制約下でアイデアをグループで発想・整理し、解決すべき問題を発見し解決できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作が身につき、各現象をイメージできる。流動、伝熱、物質移動などの化学工学実験の基本操作が身につかず、各現象をイメージできない。
評価項目2酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いがその意味を理解した上でできる。酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いができる。酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験において、酵素や微生物の取り扱いができない。
評価項目3実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。求めた物理量について自分の言葉で説明できる。実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。実験データを記録・整理した図のプロットから、理論に基づいてデータを解析できない。
評価項目4 アイデアの発想法や整理法を活用できる。 アイデアの発想法や整理法を理解できる。アイデアの発想法や整理法を理解できない。
評価項目5グループで役割分担して、制限下でアイデアを発想・整理し、問題を発見して複数の解決案からより妥当な解決策を提示し、問題を解決できる。グループで協力して、制限下でアイデアを発想・整理し、問題を発見して解決できる。グループで協力して、制限下でアイデアを発想・整理することができず、問題を解決できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる
問題解決能力・自己向上力 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学、生物工学及び創造型科学実験を組み合わせて行う。
化学工学及び生物工学実験:工業装置の操作方法および生物工学の基本操作を習得し、実験データの整理法について学ぶことを目的とする。
創造化学実験:アイデアの発想法や整理法を学習した上で、テーマを発案・企画してもらう。そのテーマに基づいてグループで製作・実験を行い、発表会を行う。
授業の進め方・方法:
18週は化学工学、生物工学の実験、12週は創造科学実験を行う。専門分野の実験はクラスを2つに分けて「生物応用化学実験3」と交代で実施する。
注意点:
化学工学実験は流動、伝熱、物質移動という化学工学の基本操作を含んでおり、各移動現象の理解およびデータ整理法の習得に努めてもらいたい。生物工学実験は増殖性微粒子である微生物の基礎(増殖・計数)と応用(発酵生産)についてのコンパクトコースとなっており、微生物取り扱いの基本技術の習得と思考能力の育成に努めてもらいたい。
 創造化学実験では、問題解決のためのアイデアを考え出す方法のひとつとして発想法や整理法を学ぶ。この方法を用いアイデアを多く考え出し整理することによって問題解決の方法を見つけ出す能力を養ってもらいたい。
実験前に実験テキストをよく予習してから取り組むこと。また化学工学の内容は5年生で履修する化学工学2,3につながっていく。創造化学実験は3年生のグループ科学実験で行ったチーム活動の経験を活かして取り組んで欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 <化学工学、生物工学の実験>ガイダンス
2週 流量測定 :オリフィスメータの検量線作成および流量測定原理の理解 1,3
3週 非定常熱伝導 :一次元非定常熱伝導による固体の熱伝導度測定 1,3
4週 回分式単蒸留 :メタノール-水系の回分単蒸留を行い、物質収支計算に習熟する。 1,3
5週 通気撹拌槽の物質移動容量係数 :通気撹拌槽における酸素の物質移動容量係数の測定および所要動力の影響の理解 1,3
6週 微生物数の計測 :酵母菌を用いた物理学的総菌数測定および生物学的生菌数の測定法 2,3
7週 微生物数の計測 :酵母菌を用いた物理学的総菌数測定および生物学的生菌数の測定法 2,3
8週 細菌検査と酵素活性測定 :平板培養法による大腸菌群検査及び麹カビによるアミラーゼの発酵生産および活性測定 2,3
2ndQ
9週 細菌検査と酵素活性測定 :平板培養法による大腸菌群検査及び麹カビによるアミラーゼの発酵生産および活性測定 2,3
10週 <創造化学実験>創造化学実験の説明、アイデアの発想法・整理法の演習 4
11週 テーマの考案と選出 4,5
12週 テーマの考案と選出 4,5
13週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
14週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
15週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
16週
後期
3rdQ
1週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
2週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
3週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
4週 グループ活動開始、製作、実験(中間報告を含む) 4,5
5週 発表会 4,5
6週 発表会 4,5
7週 <化学工学、生物工学の実験>前期1~9週と同様
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4前2
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4前5
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4前6,前7
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4前6,前7
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4前8,前9
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。4前10
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。4前10
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。4前10
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。4前10
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3前10
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3前10
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3前10
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3前10
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3前10
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3前10
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3前10
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3前10
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3前10
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3前10
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3前10
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3前10
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前10
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前10
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3前10
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3前10

評価割合

試験技能習熟度を含む実験結果口頭試問等を含むレポート態度創造科学実験合計
総合評価割合020301040100
基礎的能力000000
専門的能力020301040100
分野横断的能力000000