生物応用化学実験3

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物応用化学実験3
科目番号 140419 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『生物応用化学実験3テキスト』 新居浜高専・生物応用化学科編集 『物理化学実験法』後藤廉平 他著(共立出版)、『創造化学実験の取り組み方』新居浜高専・生物応用化学科編集
担当教員 間淵 通昭,大村 聡

到達目標

1.分光光度計、ガスクロマトグラフ、原子吸光光度計、電気伝導度計などの測定原理を把握し、正しく操作できること。
2.物性測定など物理化学実験の基本操作を身につけること。
3.実験誤差、再現性、信頼性、有効数字の扱いに配慮できること。
4.実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められること。
5.創造化学実験において、アイデアの発想法や整理法を理解すること。
6.創造化学において、制限下でアイデアをグループで発想・整理し、解決すべき問題を発見し解決できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分光光度計、ガスクロマトグラフ、原子吸光光度計、電気伝導度計などの測定原理を説明でき、正しく操作できる。分光光度計、ガスクロマトグラフ、原子吸光光度計、電気伝導度計などの測定原理を把握し、正しく操作できる。分光光度計、ガスクロマトグラフ、原子吸光光度計、電気伝導度計などの測定原理を把握できず、正しく操作できない。
評価項目2物性測定など物理化学実験の基本操作がその意味を理解した上でできる。物性測定など物理化学実験の基本操作が身についている。物性測定など物理化学実験の基本操作が身についていない。
評価項目3実験誤差、再現性、信頼性、有効数字の扱いを理解して取り扱える。実験誤差、再現性、信頼性、有効数字の扱いに配慮できる。実験誤差、再現性、信頼性、有効数字の扱いを理解できない。
評価項目4実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。求めた物理量について自分の言葉で説明できる。実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。実験データを記録・整理した図のプロットから、理論に基づいてデータを解析できない。
評価項目5アイデアの発想法や整理法を活用できる。アイデアの発想法や整理法を理解できる。アイデアの発想法や整理法を理解できない。
評価項目6グループで役割分担して、制限下でアイデアを発想・整理し、問題を発見して複数の解決策からより妥当な解決策を提示し、問題を解決できる。グループで協力して、制限下でアイデアを発想・整理し、問題を発見して解決できる。グループで協力して、制限下でアイデアを発想・整理することができす、問題を解決できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる
問題解決能力 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学実験と機器分析実験、創造化学実験を組み合わせて行う。
物理化学実験:物理化学1、2および生物物理化学1の授業で学習する内容から、特に重要な基本的法則に関する実験をテーマとして取り上げ、法則の物理的意味を理解させることを目的とする。
機器分析実験:機器分析の授業で学習する分析機器の中で、特に汎用性のある機器を用いた実験をテーマとして取り上げ、操作方法、分析原理を理解させることを目的とする。
創造化学実験:アイデアの発想法や整理法を学修した上で、競技テーマを発案・企画してもらう。その競技テーマに基づいてグループで製作・実験を行い、競技会・発表会を行う。
授業の進め方・方法:
物理化学実験と機器分析実験では、各班2名または3名とし、班ごとに各テーマを1週で実施する。実験を終了した翌週にレポートを提出する。創造化学実験では、各班4名とし、班長を中心にグループで問題解決のためのアイデアを見つける発想法や整理法を学び、問題を解決する能力を養う。
注意点:
物理化学実験と機器分析実験においては、実験を行う前にあらかじめテキスト、参考書をよく読み、実験手順、各操作の目的を理解しておくことが大切である。レポートは自分のメモではなく、行ったことを他人に報告することが目的であり、読み手が理解しやすいように工夫して書くことが必要である。口頭試問においては、理解したことを自分の言葉で説明できることが大切である。創造化学実験では、グループで協力してアイデアを発想・整理し、問題を解決していくことが大切である。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「①必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験内容におけるガイダンス、ガスクロマトグラフ分析法 1、4
2週 電気伝導度法 1、4
3週 原子吸光分析法 1、4
4週 可視分光光度法 1、4
5週 安息香酸の溶解度と溶解熱 2、3、4
6週 過酸化水素の分解反応速度 2、3、4
7週 エタノール水溶液の密度 2、3、4
8週 シクロヘキサンの凝固点降下 2、3、4
2ndQ
9週 創造化学実験の説明
アイデアの発想法・整理法
5
10週 テーマの考案と選出 5、6
11週 テーマの考案と選出 5、6
12週 テーマの考案と選出 5、6
13週 グループ活動、製作、実験 5、6
14週 グループ活動、製作、実験 5、6
15週
16週
後期
3rdQ
1週 グループ活動、製作、実験 5、6
2週 グループ活動、製作、実験 5、6
3週 グループ活動、製作、実験 5、6
4週 グループ活動、製作、実験 5、6
5週 発表会
6週 発表会
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前5
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4前6
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前1,前3,前4
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前1,前2,前3
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4前5,前6,前8
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4前7
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4前5
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4前8
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4前7
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4前6
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
合意形成のために会話を成立させることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前9,前10,前11,前12
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前9,前10,前11,前12
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前9,前10,前11,前12
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後5,後6
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後5,後6
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前10,前11,前12,後5,後6
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前9,前10,前11,前12
複数の情報を整理・構造化できる。3前9,前10,前11,前12
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前10,前11,前12
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前9,前10,前11,前12
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前9,前10,前11,前12
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前10,前11,前12
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前10,前11,前12
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前10,前11,前12
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前10,前11,前12
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
目標の実現に向けて計画ができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前13,前14,後1,後2,後3,後4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前13,前14,後1,後2,後3,後4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前13,前14,後1,後2,後3,後4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4

評価割合

実験結果とレポート(口頭試問を含む)創造化学実験相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合504001000100
基礎的能力0000000
専門的能力50200100080
分野横断的能力020000020