生物応用化学実験4

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物応用化学実験4
科目番号 140420 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 生物応用化学実験4テキスト  新居浜高専・生物応用化学科 編集/創造化学実験の取り組み方  新居浜高専・生物応用化学科 編集/バイオ実験を安全に行うために  化学同人編集部 編  (化学同人)
担当教員 早瀬 伸樹,衣笠 巧,勝浦 創,田頭 歩佳

到達目標

1.流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作を身につけ、各現象をイメージできること。
2.酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いができること。
3.実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められること。
4.創造化学実験において、アイデアの発想法や整理法を理解すること。
5.創造化学実験において、制約下でアイデアを発想・整理し、解決すべき問題を発見し解決できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。流動、伝熱、物質移動などの実験を通して、化学工学実験の基本操作が身につき、各現象をイメージできる。流動、伝熱、物質移動などの化学工学実験の基本操作が身につかず、各現象をイメージできない。
評価項目2酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いがその意味を理解した上でできる。酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験を通して、酵素や微生物の取り扱いができる。酵素活性測定、培地の調製、微生物の植菌などの実験において、酵素や微生物の取り扱いができない。
評価項目3実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。求めた物理量について自分の言葉で説明できる。実験データを記録・整理して図にプロットし、理論に基づいてデータを解析し、目的とする物理量を求められる。実験データを記録・整理した図のプロットから、理論に基づいてデータを解析できない。
評価項目4アイデアの発想法や整理法を活用できる。 アイデアの発想法や整理法を理解できる。アイデアの発想法や整理法を理解できない。
評価項目5アイデアを発想・整理し、問題を発見して複数の解決案からより妥当な解決策を提示し、問題を解決できる。アイデアを発想・整理し、問題を発見して解決できる。アイデアを発想・整理することができず、問題を解決できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる
問題解決能力 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工学、生物工学及び創造型科学実験を組み合わせて行う。
化学工学及び生物工学実験:工業装置の操作方法および生物工学の基本操作を習得し、実験データの整理法について学ぶことを目的とする。
創造化学実験:アイデアの発想法や整理法を学習した上で、化学・物理の実験を考案する。その過程で問題を発見して解決する活動を行う。
授業の進め方・方法:
化学工学と生物工学の実験は、クラスを2つに分けて「生物応用化学実験3」と交代で実施する。
創造化学実験はクラス全員で行う。
注意点:
化学工学実験は流動、伝熱、物質移動という化学工学の基本操作を含んでおり、各移動現象の理解およびデータ整理法の習得に努めてもらいたい。生物工学実験は増殖性微粒子である微生物の基礎(増殖・計数)と応用(発酵生産)についてのコンパクトコースとなっており、微生物取り扱いの基本技術の習得と思考能力の育成に努めてもらいたい。 各実験の実験スキルを意識して活動すること。レポートが1つでも提出されなかった場合は、単位を認めない。
創造化学実験では、問題解決のためのアイデアを考え出す方法のひとつとして発想法や整理法を学ぶ。この方法を用いアイデアを多く考え出し整理することによって問題解決の方法を見つけ出す能力を養ってもらいたい。
実験前に実験テキストをよく予習してから取り組むこと。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.10)に記載する「①必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 <化学工学、生物工学の実験(前期1~8週)>ガイダンス、1~6の実験を班ごとにローテーションで実施 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
2週 1.流量測定 :オリフィスメータの検量線作成および流量測定原理の理解 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
3週 2.非定常熱伝導 :一次元非定常熱伝導による固体の熱伝導度測定 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
4週 3.回分式単蒸留 :メタノール-水系の回分単蒸留を行い、物質収支計算に習熟する。 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
5週 4.濡壁塔による水の蒸発 :水の蒸発操作においてレイノルズ数とガス境膜物質移動係数の関係を測定する。 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
6週 5.微生物数の計測(1) :酵母菌を用いた物理学的総菌数測定および生物学的生菌数の測定法 2.生物工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
7週 5.微生物数の計測(2) :酵母菌を用いた物理学的総菌数測定および生物学的生菌数の測定法 2.生物工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
8週 6.細菌検査と酵素活性測定(1) :平板培養法による大腸菌群検査及び麹カビによるアミラーゼの発酵生産および活性測定 2.生物工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
2ndQ
9週 6.細菌検査と酵素活性測定(2) :平板培養法による大腸菌群検査及び麹カビによるアミラーゼの発酵生産および活性測定<創造化学実験>ガイダンス、アイデアの発想法・整理法 2.生物工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
10週 <創造化学実験>ガイダンス、アイデアの発想法・整理法 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
11週 チーム分け、テーマの考案と選出 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
12週 テーマの考案と選出 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
13週 テーマの考案と選出 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
14週 テーマの考案と選出 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
15週 グループ活動、製作、実験 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
16週
後期
3rdQ
1週 グループ活動、製作、実験 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
2週 グループ活動、製作、実験 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
3週 グループ活動、製作、実験 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
4週 発表会 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
5週 発表会 4.アイデアの発想法や整理法を活用できる。
5.アイデアを発想・整理し問題を解決できる
6週 <化学工学、生物工学の実験(後期6~14週)>前期と同様 1.化学工学実験の基本操作に習熟し、各現象を説明できる。
3.作図とデータ解析により物理量を求める
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4前2,前3
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4前5
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4前6,前7
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4前6,前7
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4前8,前9
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
合意形成のために会話を成立させることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
複数の情報を整理・構造化できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前10,前11,前12,前13,前14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前10,前11,前12,前13,前14,後4,後5
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5
目標の実現に向けて計画ができる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4前10,前15,後1,後2,後3,後4,後5
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前15,後1,後2,後3,後4,後5
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前15,後1,後2,後3,後4,後5

評価割合

技能習熟度を含む実験結果口頭試問等を含むレポート態度創造化学実験合計
総合評価割合20301040100
基礎的能力00000
専門的能力20301040100
分野横断的能力00000