生物化学2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物化学2
科目番号 140425 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】マクマリー生物有機化学[生化学編] 原書8版 菅原 二三男・倉持 幸司(監修、翻訳)(丸善出版)、【参考書】コーン・スタンプ生化学 田宮信雄・八木達彦 訳(東京化学同人)、生化学辞典 今堀和友・山川民夫 監修(東京化学同人)、分子細胞生物学 G.Karp 著 山本正幸・渡辺雄一郎 監訳(東京化学同人)
担当教員 間淵 通昭

到達目標

1.分子間の弱い相互作用について説明できること
2.水分子や酸素分子等の電子配置と構造・性質について説明できること
3.核酸塩基やペプチド結合の共鳴構造について説明できること
4.生体構成物質の酸・塩基解離平衡について説明できること
5.ATP等の高エネルギー化合物について説明できること
6.脂質分子の構造と機能、特に分子集合体の形成について説明できること
7.細胞の基本構成物質と働きについて説明できること
8.細胞内小器官の構造と機能について説明できること。核と染色体、小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリア、葉緑体等

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分子間の弱い相互作用について物理化学的に理解して説明できる分子間の弱い相互作用について概略を説明できる分子間の弱い相互作用について概略を説明できない
評価項目2水分子や酸素分子等の電子配置と構造・性質の関係について量子化学的に理解しながら説明できる水分子や酸素分子等の電子配置と構造・性質の関係について概略を説明できる水分子や酸素分子等の電子配置と構造・性質の関係について概略を説明できない
評価項目3核酸塩基やペプチド結合の共鳴構造について分子軌道の概念を理解して説明できる核酸塩基やペプチド結合の共鳴構造について説明できる核酸塩基やペプチド結合の共鳴構造について説明できない
評価項目4生体構成物質の酸・塩基解離平衡について物質のpKaの概念とともに説明できる生体構成物質の酸・塩基解離平衡について説明できる生体構成物質の酸・塩基解離平衡について説明できない
評価項目5ATP等の高エネルギー化合物について自由エネルギー変化の概念を使ってを説明できるATP等の高エネルギー化合物について概略を説明できるATP等の高エネルギー化合物について概略を説明できない
評価項目6 脂質分子の構造と機能、特に分子集合体の形成について疎水性相互作用の概念を理解しながら説明できる脂質分子の構造と機能、特に分子集合体の形成について説明できる脂質分子の構造と機能、特に分子集合体の形成について説明できない
評価項目7 細胞の基本構成物質と働きについて分子構造と機能に言及しながら説明できる 細胞の基本構成物質と働きについて説明できる細胞の基本構成物質と働きについて説明できない
評価項目8細胞内小器官の構造と機能について分子機構を論じながら説明できる細胞内小器官の構造と機能について概略を説明できる細胞内小器官の構造と機能について概略を説明できない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
まず、生物を構成する有機化合物につき、構造と物性の関連を論理的に理解できるようにする。このためやや基礎理論的な話から講義することになる。ついで、生体膜構成物質の主成分である脂質の化学について学ぶ。その後、細胞内小器官の構造と役割、特にエネルギー代謝機構について理解を深める。
授業の進め方・方法:
教科書、プリントをもとに講義形式で行う。
注意点:
生命の基本である細胞のはたらきを分子レベルでよりよく理解するための基礎講義である。現段階ではやや難解な話もあると思うが、自分の頭でよく考えるようにしてほしい。
生物化学1の内容ををよく理解しておくほか、有機化学1,2や物理化学1もよく学習しておくこと。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化学1、生物化学1の復習・確認 1
2週 水の構造と生命、生体分子間の弱い相互作用 1,2
3週 有機分子と共役系(生体構成物質をよりよく理解するために) 3
4週 核酸、ヌクレオチド補酵素、アミノ酸とタンパク質、ホルモン(「環境」ホルモンも含み論ずる) 3
5週 ポルフィリン、鉄-イオウクラスター等の化学と生化学 3
6週 生体構成物質の酸・塩基性 4
7週 中間試験
8週 細胞と生体膜 6
2ndQ
9週 脂質の化学と生化学 6
10週 細胞1:栄養吸収、細胞分裂と増殖 7
11週 細胞2:構造と機能1:真核細胞、アクチン、チューブリン 7,8
12週 細胞3:構造と機能2:核と染色体 7,8
13週 細胞4:構造と機能3:タンパク質などの合成と分解系 7,8
14週 細胞5:生体とエネルギー:ミトコンドリアの働き 8
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4前1
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4前6,前11,前12,前14
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4前14
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4前13
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4前14
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4前10
生物化学生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前2,前3
脂質の機能を複数あげることができる。4前9
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前9
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前8
解糖系の概要を説明できる。4前13
クエン酸回路の概要を説明できる。4前13
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4前14

評価割合

試験課題提出物相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000