物理化学3

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学3
科目番号 140462 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 PEL物理化学 福地賢治 編著(実教出版)
担当教員 河村 秀男

到達目標

1.熱力学第二法則の内容が説明でき、数式で表すことができる。
2.カルノーサイクルについて説明でき、効率が計算できる。
3.理想気体の体積変化と混合、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化が計算できる。
4.熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。
5.化学反応に伴う標準エントロピー変化と任意の温度におけるエントロピー変化が計算できる。
6.エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、平衡条件を表すことができる。
7.基本的な熱力学の関係式を導くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第二法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。第二種永久機関の例を挙げ、説明できる。熱力学第二法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。熱力学第二法則の内容を説明でき、数式で表すことができない。
評価項目2カルノーサイクルについて説明でき、効率を与える式を導出し、計算ができる。カルノーサイクルについて説明でき、計算ができる。カルノーサイクルについて説明でき、計算ができない。
評価項目3理想気体の体積変化、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化を与える式を導出し、計算ができる。理想気体の混合に伴うエントロピー変化が計算できる理想気体の体積変化と混合、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化が計算ができる。理想気体の体積変化と混合、温度変化、相変化に伴うエントロピー変化が計算ができない。
評価項目4熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。残余エントロピーの計算ができる。熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができる。熱力学第三法則の内容を説明でき、数式で表すことができない。
評価項目5標準エントロピー変化、温度と熱容量の関係式を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できる。標準エントロピー変化、温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できる。標準エントロピー変化、温度によって変化しない熱容量の値を用いて、任意の温度におけるエントロピー変化が計算できない。
評価項目6エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、自発変化の方向と平衡条件を表すことができる。エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、平衡条件を表すことができる。エントロピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーを用いて、平衡条件を表すことができない。
評価項目7熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導き、マクスウェルの関係式を導出することができる。これらの関係式を用いて、ギブズ-ヘルムホルツの式など、他の関係式を導くことができる。熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導き、マクスウェルの関係式を導出することができる。熱力学第一法則、第二法則と定義式から、内部エネルギー、エンタルピー、ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーの微小変化を与える式を導くことができず、マクスウェルの関係式を導出することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理化学の柱の1つである熱力学について、その基本原理である第二法則、第三法則とこれらの法則の化学への応用についての授業をおこなう。熱力学の知識を用いることで、平衡条件、自発変化の方向を定量的に説明できることを理解させる。図や具体例を用いた説明、演習問題を解かせることで、基本的問題を理解して解くことができる学力を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
各授業において配布するプリントに沿って授業をおこなう。各授業における重要な点や理解度を確認させる目的で、各授業ごとに問題を与え、レポートとして提出させる。 
注意点:
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 熱機関とカルノーサイクル 1,2
2週 カルノーサイクルの効率 1,2
3週 熱力学第二法則:エントロピー 1,2
4週 状態変化に伴うエントロピー変化:理想気体の体積変化 3
5週 温度変化に伴うエントロピー変化:定圧条件と定積条件 3
6週 相変化に伴うエントロピー変化 3
7週 混合に伴うエントロピー変化:理想気体の混合 3
8週 中間試験
4thQ
9週 熱力学第三法則:ネルンストの熱定理とプランクによる表現 4
10週 エントロピーの分子論的解釈:ボルツマンによる表現 4
11週 化学反応に伴う標準エントロピー変化、任意の温度におけるエントロピー変化 5
12週 断熱系における可逆変化と不可逆変化のエントロピー変化 6
13週 等温・定圧条件における可逆変化と不可逆変化のギブズエネルギー変化 6
14週 等温・定積条件における可逆変化と不可逆変化のヘルムホルツエネルギー変化 6
15週 熱力学の関係式:マクスウェルの関係式とギブズ-ヘルムホルツの式 7
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト課題合計
総合評価割合8000001010100
基礎的能力00000000
専門的能力8000001010100
分野横断的能力00000000