生物有機化学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物有機化学1
科目番号 140465 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ハート基礎有機化学 H.ハート著 秋葉欣哉 他訳(培風館)、ポイント有機化学演習 池田正澄 編(廣川書店)、配布プリント
担当教員 堤 主計

到達目標

1.有機化合物の基本的な命名、性質、反応性について説明できる
2.カルボニル化合物の特徴、製法、反応が説明できる
3.有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体について説明できる
4.グリーンケミストリーの概念が説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物の基本的な命名、性質、反応性を理解し、正確に説明できる有機化合物の基本的な命名、性質、反応性の概要を説明できる有機化合物の基本的な命名、性質、反応性の概要を説明できない
評価項目2カルボニル化合物の特徴、製法、反応を理解し、正確に説明できるカルボニル化合物の特徴、製法、反応の概要を説明できるカルボニル化合物の特徴、製法、反応の概要を説明できない
評価項目3有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体について理解し、正確に説明できる有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体の概要を説明できる有機分子の異性体である構造異性体、立体異性体の概要を説明できない
評価項目4グリーンケミストリーの概念を理解し、正確に説明できるグリーンケミストリーの概念を説明できるグリーンケミストリーの概念を説明できない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物有機化学1では、官能基別に分類した有機化合物の性質・反応性・合成法や有機化合物の環境への影響について学ぶ。また、有機化合物の環境や生命に及ぼす影響について、グリーンケミストリーの観点からみた合成法について学習し、グリーンケミストリーの概念を学ぶ。有機化合物の合成について、有機化学反応だけではなく、生化学的合成についても考えてみる。
授業の進め方・方法:
講義形式で実施するが、理解度確認のため多くの質問をしながら進める。次の授業の内容に関する教科書を読み予習してから、授業を受けること。紹介図書などを熟読しながら、有機化合物の命名、性質、反応性などについて考えること。本科目は、生物有機工業化学1、生物有機工業化学2とも密接な関連があり、生物応用化学専攻の理論有機化学や有機合成化学とも関連する。
注意点:
生物有機化学1は有機化合物の命名、反応性やその合成法およびそれらの構造解析に関する基本的な項目を学び、理解するため、授業で学んだことはその都度復習する必要がある。有機分子の特有な性質、様々な機能について多角的に学ぶため、有機化学1、有機化学2、無機化学1、物理化学1および生物化学1、さらに化学1および化学2の基礎知識が必要である。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アルデヒドとケトンの命名、構造、性質 1,2,3
「IUPAC」「構造式」「物理的・化学的性質」
2週 アルデヒドとケトンの合成 2
「アルコールの酸化」「フリーデル-クラフツ」
3週 アルデヒドとケトンの求核付加 1,2,3
「求核剤」「アルコキシドイオン」「求電子剤」
4週 水との求核付加反応(水和反応) 2
「誘起効果」「メソメリー効果」「共鳴構造」
5週 アルコールとの求核付加反応(アセタール化反応) 2
「アセタール化」
6週 アミンとの求核付加反応(イミンの生成)、他化合物との求核付加反応 2
「アミン」「アンモニア」「アルドール縮合」「Grignard試薬」
7週 中間試験
8週 カルボン酸の命名、構造、性質 1,2,3
「IUPAC」「構造式」「物理的・化学的性質」
2ndQ
9週 カルボン酸の反応性 2
「カルボン酸」
10週 カルボン酸の合成(Fischerのエステル化)と反応 2
「カルボン酸」「アルコール」「求核付加」「脱離反応」
11週 カルボン酸誘導体の化学及び反応 環境にやさしい合成法の考え方(グリーン化学原料と再生可能資源(バイオマス)の利用、グリーンプラスチックなど) 2,4
「バイオマス」
12週 カルボン酸誘導体の命名と合成 1,2,3
「IUPAC」「構造式」
13週 カルボン酸誘導体の反応 2
「求核剤」「求核付加」「脱離基」
14週 エノラートイオンの反応 2
「クライゼン縮合反応」
15週 期末試験
16週 試験返却及び授業内容のまとめと確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1,前8
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前1,前8,前12
σ結合とπ結合について説明できる。4前1,前8
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前1,前8
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前3,前6,前13
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前1,前8
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前3,前6,前13
共鳴構造について説明できる。4前3,前6,前13
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前3,前9,前12,前13
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前4,前6
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前6
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前6
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前1,前6,前8,前13,前14
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前10,前11,前13,前14
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前11,前13,前14
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前4,前13
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前4,前13

評価割合

試験小テスト課題提出物態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力0000000
専門的能力70030000100
分野横断的能力0000000