無機化学2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学2
科目番号 140468 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ニューテック化学シリーズ 無機化学  内田希 他著  (朝倉書店) 、工学のための無機化学[新訂版] 橋本和明 他著 (サイエンス社)
担当教員 中山 享

到達目標

1. 酸化・還元の基礎および製鉄が理解できること。
2. 電池および電気分解が理解できること。
3. Arrhenius 酸・塩基、Bronsted 酸・塩基およびLewis 酸・塩基が系統付けて理解できること。
4. 原子力発電について理解できること。
5. X線とその利用および無機化合物の結晶構造について理解できること。
6. 2 成分系の状態図が読めること。
7. 典型元素(金属)の代表的な元素の性質について系統付けて理解できること。
8. 遷移元素の代表的な元素の性質について系統付けて理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸化・還元の基礎、製鉄が理解でき、その内容を説明できる。酸化・還元の基礎、製鉄が理解できる。酸化・還元の基礎、製鉄が理解できない。
評価項目2電池、電気分解が理解でき、その内容を説明できる。電池、電気分解が理解できる。電池、電気分解が理解できない。
評価項目3Arrhenius 酸・塩基、Bronsted酸・塩基およびLewis 酸・塩基が系統付けて理解でき、その内容を説明できる。Arrhenius 酸・塩基、Bronsted酸・塩基およびLewis 酸・塩基が系統付けて理解できる。Arrhenius 酸・塩基、Bronsted酸・塩基およびLewis 酸・塩基が系統付けて理解できない。
評価項目4原子力発電について理解し、その内容を説明できる。原子力発電について理解できる。原子力発電について理解できない。
評価項目5X線とその利用、X線回折と無機化合物の結晶構造について理解し、その内容を説明できる。X線とその利用、X線回折と無機化合物の結晶構造について理解できる。X線とその利用、X線回折と無機化合物の結晶構造について理解できない。
評価項目62 成分系の状態図が読め、その内容を説明できる。2 成分系の状態図が読める。2 成分系の状態図が読めない。
評価項目7典型元素(金属)の代表的な元素の性質について系統付けて理解し、その内容を説明できる。典型元素(金属)の代表的な元素の性質について系統付けて理解できる。典型元素(金属)の代表的な元素の性質について系統付けて理解できない。
評価項目8遷移元素の代表的な元素の性質について系統付けて理解し、その内容を説明できる。遷移元素の代表的な元素の性質について系統付けて理解できる。遷移元素の代表的な元素の性質について系統付けて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在の産業分野との関連する事例に沿って、酸化・還元、酸・塩基、原子力発電、X線とその利用、結晶構造、2 成分系状態図、典型元素(金属)および遷移元素の基本的な知識を理解・修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
無機化学の知識を必要とする産業分野例は、電子機器、自動車、環境など多岐にわたる。環境と無機化学の係わりについても勉強してもらうため、前期第12~14 週および後期第5、6、10~14、16 週では環境に触れた内容を盛り込みます。
確認テストと提出物を課します。
注意点:
3 年生で学習した無機化学1 の内容と合わせて、無機化学のほぼ全般について学習できる。5 年生で学習する無機機能化学、材料物性化学、知的財産の分野と共に、他の化学分野の基礎科目としても重要である。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酸化還元 評価項目1  キーワード:酸化数, 酸化剤, 還元剤, イオン化傾向, 陰イオン化傾向
2週 元素の存在状態と単離・精錬/製鉄 評価項目1  キーワード:クラーク数, 高炉, 溶銑予備処理, 転炉, 二次精錬, 連続鋳造
3週 標準酸化還元電位と化学電池(1) 評価項目2  キーワード:カソート, アノード
4週 標準酸化還元電位と化学電池(2) 評価項目2  キーワード:乾電池, 蓄電池
5週 標準酸化還元電位と化学電池(3) 評価項目2  キーワード:ニッケル-水素電池, リチウムイオン電池,
6週 電気分解 評価項目2  キーワード:銅精錬, 無電解メッキ
7週 中間試験 評価項目1,2
8週 ArrheniusとBronsted の酸・塩基 評価項目3  キーワード:プロトン, 水酸化物イオン, 共役酸塩基
2ndQ
9週 Lewis の酸・塩基 評価項目3  キーワード: 非共有電子対、HSAB理論
10週 原子力発電(1)/p28, 29 評価項目4  キーワード:核分裂, 軽水炉
11週 原子力発電(2)/p28, 29 評価項目4  キーワード:高速増殖炉, 核融合炉
12週 遷移元素の化学(鉄、コバルト、ニッケル) 評価項目8  キーワード:錆び, 顔料, ニクロム
13週 遷移元素の化学(銅、銀、金) 評価項目8  キーワード:電気伝導, 延性・展性, 抗菌
14週 遷移元素の化学(亜鉛、カドミウム、水銀) 評価項目8  キーワード:トタン, 公害病
15週 期末試験 評価項目3,4,8
16週 結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(1) 評価項目5  キーワード:X線の発生, 結晶系, 空間群, ミラー面
後期
3rdQ
1週 結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(2) 評価項目5  キーワード:X線回折の原理
2週 結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(3) 評価項目5  キーワード:格子定数, 理論密度
3週 蛍光X線分析 評価項目5  キーワード:非破壊化学分析, 測定原理
4週 格子欠陥と非化学量論組成/p96,97 評価項目5  キーワード:フレンケル欠陥, ショットキー欠陥
5週 典型元素の金属の化学(ホウ素)/p132, 133 評価項目7  キーワード:対角線の関係, ホウ酸
6週 典型元素の金属の化学(ヒ素、アンチモン、ビスマス)/p152-155 評価項目7  キーワード:亜ヒ酸, 輝安鉱,
7週 中間試験 評価項目5, 7
8週 2 成分系の状態図(1) 評価項目6  キーワード:合致溶融化合物, 分解溶融化合物
4thQ
9週 2 成分系の状態図(2) 評価項目6  キーワード:全率固溶体, 部分固溶体
10週 遷移元素の化学(チタン、光触媒)/p164, 165 評価項目8  キーワード:水浄化, 撥水機能
11週 遷移元素の化学(ジルコニウム、ハフニウム)/p168,169 評価項目8  キーワード:相転移, 中性子吸収断面積
12週 遷移元素の化学(希土類)/p160, 187 評価項目8  キーワード:ランタノイド収縮, 蛍光体, 永久磁石
13週 遷移元素の化学(超伝導体)/p186, 161 評価項目8  キーワード:BCS理論, マイスナー効果
14週 遷移元素の化学(バナジム、クロム、マンガン)/p170-175 評価項目8  キーワード:価数変化, ホッピング電子伝導, エレクトロクロミック
15週 期末試験 評価項目6, 8
16週 遷移元素の化学(先端材料) 評価項目7, 8  キーワード:環境, エネルギー貯蔵, レーザー

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4前1,前12,前13,前14,後5,後6,後10,後11,後12,後14
イオン結合と共有結合について説明できる。4前2
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4前9
金属結合の形成について理解できる。4前2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前16,後1,後2,後4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前12,前13,前14,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14,後16
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4前12,前13,前14,後5,後6
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前16,後1,後2,後3,後5,後6
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4前10,前11
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4前10,前11
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前10,前11
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前3,前4,前5,前6

評価割合

試験課題確認テスト合計
総合評価割合80155000100
基礎的能力0050005
専門的能力805000085
分野横断的能力010000010