1. 酸化・還元の基礎および製鉄が理解できること。
2. 電池および電気分解が理解できること。
3. Arrhenius 酸・塩基、Bronsted 酸・塩基およびLewis 酸・塩基が系統付けて理解できること。
4. 原子力発電について理解できること。
5. X線とその利用および無機化合物の結晶構造について理解できること。
6. 2 成分系の状態図が読めること。
7. 典型元素(金属)の代表的な元素の性質について系統付けて理解できること。
8. 遷移元素の代表的な元素の性質について系統付けて理解できること。
概要:
現在の産業分野との関連する事例に沿って、酸化・還元、酸・塩基、原子力発電、X線とその利用、結晶構造、2 成分系状態図、典型元素(金属)および遷移元素の基本的な知識を理解・修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
無機化学の知識を必要とする産業分野例は、電子機器、自動車、環境など多岐にわたる。環境と無機化学の係わりについても勉強してもらうため、前期第12~14 週および後期第5、6、10~14、16 週では環境に触れた内容を盛り込みます。
確認テストと提出物を課します。
注意点:
3 年生で学習した無機化学1 の内容と合わせて、無機化学のほぼ全般について学習できる。5 年生で学習する無機機能化学、材料物性化学、知的財産の分野と共に、他の化学分野の基礎科目としても重要である。
Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
酸化還元 |
評価項目1 キーワード:酸化数, 酸化剤, 還元剤, イオン化傾向, 陰イオン化傾向
|
2週 |
元素の存在状態と単離・精錬/製鉄 |
評価項目1 キーワード:クラーク数, 高炉, 溶銑予備処理, 転炉, 二次精錬, 連続鋳造
|
3週 |
標準酸化還元電位と化学電池(1) |
評価項目2 キーワード:カソート, アノード
|
4週 |
標準酸化還元電位と化学電池(2) |
評価項目2 キーワード:乾電池, 蓄電池
|
5週 |
標準酸化還元電位と化学電池(3) |
評価項目2 キーワード:ニッケル-水素電池, リチウムイオン電池,
|
6週 |
電気分解 |
評価項目2 キーワード:銅精錬, 無電解メッキ
|
7週 |
中間試験 |
評価項目1,2
|
8週 |
ArrheniusとBronsted の酸・塩基 |
評価項目3 キーワード:プロトン, 水酸化物イオン, 共役酸塩基
|
2ndQ |
9週 |
Lewis の酸・塩基 |
評価項目3 キーワード: 非共有電子対、HSAB理論
|
10週 |
原子力発電(1)/p28, 29 |
評価項目4 キーワード:核分裂, 軽水炉
|
11週 |
原子力発電(2)/p28, 29 |
評価項目4 キーワード:高速増殖炉, 核融合炉
|
12週 |
遷移元素の化学(鉄、コバルト、ニッケル) |
評価項目8 キーワード:錆び, 顔料, ニクロム
|
13週 |
遷移元素の化学(銅、銀、金) |
評価項目8 キーワード:電気伝導, 延性・展性, 抗菌
|
14週 |
遷移元素の化学(亜鉛、カドミウム、水銀) |
評価項目8 キーワード:トタン, 公害病
|
15週 |
期末試験 |
評価項目3,4,8
|
16週 |
結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(1) |
評価項目5 キーワード:X線の発生, 結晶系, 空間群, ミラー面
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(2) |
評価項目5 キーワード:X線回折の原理
|
2週 |
結晶構造のキャラクタリゼーションX線回折(3) |
評価項目5 キーワード:格子定数, 理論密度
|
3週 |
蛍光X線分析 |
評価項目5 キーワード:非破壊化学分析, 測定原理
|
4週 |
格子欠陥と非化学量論組成/p96,97 |
評価項目5 キーワード:フレンケル欠陥, ショットキー欠陥
|
5週 |
典型元素の金属の化学(ホウ素)/p132, 133 |
評価項目7 キーワード:対角線の関係, ホウ酸
|
6週 |
典型元素の金属の化学(ヒ素、アンチモン、ビスマス)/p152-155 |
評価項目7 キーワード:亜ヒ酸, 輝安鉱,
|
7週 |
中間試験 |
評価項目5, 7
|
8週 |
2 成分系の状態図(1) |
評価項目6 キーワード:合致溶融化合物, 分解溶融化合物
|
4thQ |
9週 |
2 成分系の状態図(2) |
評価項目6 キーワード:全率固溶体, 部分固溶体
|
10週 |
遷移元素の化学(チタン、光触媒)/p164, 165 |
評価項目8 キーワード:水浄化, 撥水機能
|
11週 |
遷移元素の化学(ジルコニウム、ハフニウム)/p168,169 |
評価項目8 キーワード:相転移, 中性子吸収断面積
|
12週 |
遷移元素の化学(希土類)/p160, 187 |
評価項目8 キーワード:ランタノイド収縮, 蛍光体, 永久磁石
|
13週 |
遷移元素の化学(超伝導体)/p186, 161 |
評価項目8 キーワード:BCS理論, マイスナー効果
|
14週 |
遷移元素の化学(バナジム、クロム、マンガン)/p170-175 |
評価項目8 キーワード:価数変化, ホッピング電子伝導, エレクトロクロミック
|
15週 |
期末試験 |
評価項目6, 8
|
16週 |
遷移元素の化学(先端材料) |
評価項目7, 8 キーワード:環境, エネルギー貯蔵, レーザー
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前1,前12,前13,前14,後5,後6,後10,後11,後12,後14 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前2 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前9 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前2 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 前16,後1,後2,後4 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 前12,前13,前14,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14,後16 |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | 前12,前13,前14,後5,後6 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | 前16,後1,後2,後3,後5,後6 |
物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 4 | 前10,前11 |
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。 | 4 | 前10,前11 |
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。 | 4 | 前10,前11 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6 |