機器分析

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機器分析
科目番号 140469 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 入門機器分析化学  庄野利之、脇田久伸 編著  (三共出版)
担当教員 堤 主計,大村 聡

到達目標

1. 吸光分析(Lambert-Beerの法則の誘導)の原理を理解できること。
2. クロマトグラフィーの原理を理解でき、その分類ができること。
3. 赤外吸収スペクトル分析法の原理を理解でき、特性吸収から官能基を推測できること。
4. 熱分析(TG、DTA、DSC)の原理を理解できること。
5. 核磁気共鳴法について理解でき、化学シフトから構造を解析できること。
6. 原子吸光分析法の原理を理解できること。
7. 質量分析法の原理を理解できること。
8. 走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光法の原理を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1吸光の原理が説明でき、透過率・吸光度からLambert-Beerの法則の式が誘導できる。また、Lambert-Beerの法則の式を用いた計算もできる。Lambert-Beerの法則の式を用いた計算ができる。Lambert-Beerの法則の式を用いた計算ができない。
到達目標2クロマトグラフィーの原理が理解でき、その分類ができる。クロマトグラフィーについて概略を説明できる。クロマトグラフィーについて概略を説明できない。
到達目標3赤外吸収スペクトル分析法の原理が理解でき、特性吸収から官能基を推測できる。赤外吸収スペクトル分析法における特性吸収から官能基を推測できる。赤外吸収スペクトル分析法における特性吸収から官能基を推測できない。
到達目標4熱分析(TG、DTA、DSC)の原理が理解できる。測定結果から熱反応および物質の熱変化過程を推測することできる。熱分析(TG、DTA、DSC)の原理が理解できる。熱分析(TG、DTA、DSC)の原理が理解できない。
到達目標5核磁気共鳴法について理解でき、化学シフトから構造を解析できる。核磁気共鳴法における化学シフトから構造を解析できる。核磁気共鳴法における化学シフトから構造を解析できない。
到達目標6原子吸光分析法の原理が理解できる。原子吸光分析法の測定結果から分析対象元素の定量ができる。原子吸光分析法の原理が理解できる。原子吸光分析法の原理が理解できない。
到達目標7質量分析法の原理が理解できる。測定結果から分子量の決定や微量成分の定量ができる。質量分析法の原理が理解できる。質量分析法の原理が理解できない。
到達目標8走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光法の原理が理解できる。走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光法から得られた結果を理解できる。走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光法の原理が理解できる。走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光法の原理が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種機器分析法について、その理論と原理、分析方法を解説する。特に、理論、原理の理解に重点を置く。
授業の進め方・方法:
各種機器分析法の説明の前に基礎知識(物理、化学等)の確認のためのプリントを配布する。また、解説終了後に理論と原理の理解を確認できる演習プリントを配布する。機器分析実験と並行して講義を進めることにより、理解度の向上を計る。
注意点:
機器分析化学は現代の科学産業を支えている非常に大切な学問である。特に化学関連の企業等に就職した場合には最も身近で、装置を触れる機会も多い。機器の原理を物理・数学・化学の基礎知識に基づいて理解することが大切である。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 光の性質(波、粒子)とエネルギー、波長の関係 1
「電磁波」
2週 吸光分析の原理(ランベルト-ベールの法則) 1
「吸光光度法」「ランベルト-ベールの法則」
3週 吸光光度計の装置の概要 1
「分光光度計」「紫外・可視スペクトル」
4週 吸光光度分析に関する演習 1
「紫外・可視スペクトル」「吸光度」「透過率」「定量」
5週 クロマトグラフィーの基礎 2
「クロマトグラフィー」
6週 クロマトグラフィーの定性分析と定量分析 2
「保持時間」「保持容量」「分離効率」「検量線」
7週 クロマトグラフィーの分類とそれら装置の概要 2
「ガスクロマトグラフィー」「液体クロマトグラフィー」
8週 中間試験 3
2ndQ
9週 赤外吸収スペクトル分析法の概要 3
「赤外吸収スペクトル」
10週 赤外吸収スペクトル分析法における分子振動 3
「赤外線」「分子振動」「フックの法則」
11週 赤外吸収スペクトル分析法における特性吸収 3
「伸縮振動」「変角振動」
12週 熱分析の概要 4
「熱重量分析」「示差熱分析」「示差走査熱量測定」
13週 熱分析結果の解析(1) 4
「熱重量分析」「重量変化」
14週 熱分析結果の解析(2) 4
「示差熱分析」「示差走査熱量測定」「吸熱」「発熱」
15週 期末試験
16週 試験返却及び授業内容のまとめと確認
後期
3rdQ
1週 核磁気共鳴法の基礎 5
「磁気共鳴スペクトル」
2週 核磁気共鳴法における化学シフト 5
「化学シフト」「スピン-スピン相互作用」「結合定数」
3週 核磁気共鳴分析に関する演習(1) 5
「1H-NMR」
4週 核磁気共鳴分析に関する演習(2) 5
「13C-NMR」
5週 原子吸光分析の原理 6
「化学炎」「金属元素分析」
6週 原子吸光分析結果の解析 6
「フレーム分析」
7週 発光分析分析 6
「高周波放電」「ICP質量分析」
8週 中間試験
4thQ
9週 質量分析の概要 7
「イオン化」
10週 質量スペクトル結果の解析(1) 7
「質量スペクトル」「分子イオンピーク」
11週 質量スペクトル結果の解析(2) 7
「質量スペクトル」「フラグメントイオンピーク」「同位体イオンピーク」
12週 質量分析の応用 7
「GC-MS」「ICP-MS」
13週 表面分析の概要 8
「電子」「イオン」「X線」
14週 走査型電子顕微鏡(SEM) 8
「電子線」「二次電子」
15週 X線光電子分光法(XPS) 8
「X線」「光電子」「XPSスペクトル」
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前9,前10
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4前2
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4前5,前6
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4前6
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前2,前4,前6,前11,前12,後1,後2,後5,後7,後9,後13,後14,後15
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前5,前7
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前4,前6,前11,前13,前14,前15,後3,後4,後6,後10,後11,後12

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力3001000040
専門的能力4002000060
分野横断的能力0000000