技術者倫理

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 技術者倫理
科目番号 140509 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 はじめての工学倫理 第3版 斎藤了文、坂下浩司編(昭和堂)/第二版 大学講義技術者の倫理入門 杉本泰治、高城重厚著(丸善)、実践的工学倫理 中村収三著(化学同人)、技術者倫理の世界 藤本温編(森北出版)、技術者倫理入門 谷垣昌敬 監修、吉村忠与志、戸島貴代志著(オーム社)、はじめての工学倫理 初版 斎藤了文、坂下浩司編(昭和堂)
担当教員 平田 傑之,内藤 出,占部 弘治,松原 靖廣,濱井 潤也

到達目標

1. 技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解できる
2. 技術者としての意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる
3. リスクマネージメントの基本を理解できる
4. 技術者として倫理規定に基づいた判断ができる
5. 製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解できる
6. 組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる
7. 技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できる技術的解決の結果が、社会や自然に与える影響の範囲と大きさを一般論として説明できない
到達目標2技術者として意思決定の際に、セブンステップガイド法などを用いて判断できる。技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できる技術者として意思決定の際に使用するセブンステップガイド法などを説明できない
到達目標3リスクマネージメントの基本を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができるリスクマネージメントの基本を説明できるリスクマネージメントの基本を説明できない
到達目標4技術者として倫理規定に基づいた判断ができる技術者として必要な倫理規定を説明できる技術者として必要な倫理規定を説明できない
到達目標5製造物に対する技術者の責任の基本的概念を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できる製造物に対する技術者の責任の基本的概念を説明できない
到達目標6組織の中のエンジニアとしてすべきことを考え、その中で適切な考えを選択することができる組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができる組織の中のエンジニアとしてすべきことを考えることができない
到達目標7技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を理解し、自らの工学分野に適用して考えることができる技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できる技術者として知的財産権(特に特許権と著作権)の必要性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

環境・技術者倫理 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術の進歩に伴い、技術者の判断が社会や環境に与える影響について知り、技術者としての解決策の提案および実行を行わなければならないことを理解する。また、その解決策を選択するための価値(判断)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に、様々な事例を紹介しながら、説明や討論を交えて授業を進める。毎回課題を与える。
注意点:
技術者の意思決定にはこのような倫理的側面がつきまとうことを理解し、広い視野を持つことと自分で考えることの必要性を認識して、自学(レポート作成)には多方面からの情報をもとに判断すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 序論(なぜ技術者倫理か?) 1
2週 工学の倫理概念について(倫理問題の解決法) 2
3週 応用倫理(環境倫理と工学倫理) 1
4週 リスク・マネージメント 3
5週 セクシャル・ハラスメント 4
6週 安全性と設計 4,5
7週 企業秘密 6
8週 倫理規定 4
4thQ
9週 工程管理 3,4,6
10週 知的財産権 7
11週 Profession(技術者)としての責任 1,2,3,4,5,6,7
12週 製造物責任法 5
13週 企業の社会的責任 1
14週 技術者と組織の対立 4,6
15週 内部告発の是非 1,4,6
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。4
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。4
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。4
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。4
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。4
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。4
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。4
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。4
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。4
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。4
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。4
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。4
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。4
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。4
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。4
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。4
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。4
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。4
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。4
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。4
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。4
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。4
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。4
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。4

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力00
分野横断的能力100100