生物物理化学2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物物理化学2
科目番号 140512 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 物理化学 福地賢治 編 (実教出版)
担当教員 勝浦 創

到達目標

1.平衡の条件をギブズエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができること。
2.標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係式を示すことができること。
3.熱力学データから反応の平衡定数を計算できること。
4.ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できること。
5.圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できること。
6.ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できること。
7.クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平衡の条件をギブズエネルギーや化学ポテンシャルを用いて論理的に説明できる。平衡の条件をギブズエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができる。平衡の条件をギブズエネルギーや化学ポテンシャルを用いて表すことができない。
評価項目2標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係式を導くことができる。標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係式を示すことができる。標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係式を示すことができない。
評価項目3熱力学データから反応の平衡定数を計算できる。熱力学データから簡単な反応の平衡定数を計算できる。熱力学データから反応の平衡定数を計算できない。
評価項目4ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できる。ファントホッフの式を用いて、簡単な反応の反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できる。ファントホッフの式を用いて、反応熱や任意の温度における平衡定数を計算できるない。
評価項目5圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できる。圧力変化と平衡定数の関係式を示し、簡単な反応の任意の圧力における平衡定数を計算できる。圧力変化と平衡定数の関係式を示し、任意の圧力における平衡定数を計算できない。
評価項目6ギブズの相律の式を導き、自由度を計算できる。ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できる。ギブズの相律の式を示し、自由度を計算できない。
評価項目7クラペイロン‐クラウジウスの式を導け、気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できる。クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できる。クラペイロン‐クラウジウスの式を気‐液平衡、固‐液平衡、固‐気平衡に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年生の物理化学2において学習した熱力学の化学、生物化学への応用として、化学平衡と相平衡について授業をおこなう。ギブズエネルギー、ヘルムホルツエネルギーについて学び、化学ポテンシャルによる化学平衡と相平衡の条件式から出発し、質量作用の法則、ルシャトリエの法則が熱力学的に成り立つことを示す。またクラペイロンの式、クラペイロン‐クラウジウスの式による相平衡を熱力学的に理解する。
授業の進め方・方法:
授業の進め方は受講生との対話を交えた講義形式で行う。また適宜演習を取り入れる。
注意点:
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記がことなるので注意すること。本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー 1
「熱力学第一法則」「熱力学第二法則」「熱力学基本式」「ギブズエネルギー」「ヘルムホルツエネルギー」
2週 ギブズエネルギーの性質
「ギブズエネルギーの圧力変化」「温度変化」「混合ギブズエネルギー変化」
3週 熱力学の関係式:マックスウェルの関係式、ギブズ‐ヘルムホルツの式 1
「マックスウェルの関係式」「ギブズ‐ヘルムホルツの式」
4週 開いた系と化学ポテンシャルの性質 1
「開放系」「部分モル量」「化学ポテンシャル」
5週 理想気体の化学ポテンシャル 1
「理想気体の化学ポテンシャル」
6週 質量作用の法則:標準ギブズエネルギー変化と平衡定数の関係 2,3,5
「標準ギブズエネルギー変化」「平衡定数の関係」「圧平衡定数」
7週 中華試験
8週 標準生成ギブズエネルギーと反応における標準ギブズエネルギー変化の計算 標準状態における平衡定数と平衡組成の計算の演習 2,3,5
「標準生成ギブズエネルギー」「標準反応ギブズエネルギー変化」「平衡定数」「平衡組成」「反応の進行度」
4thQ
9週 理想溶液 理想希薄溶液  1
「理想溶液」「理想希薄溶液」「ラウールの法則」「ヘンリーの法則」
10週 液体の化学ポテンシャル:理想溶液、理想希薄溶液、実在溶液 1
「ラウールの法則」「ヘンリーの法則」「活量」「活量係数」
11週 平衡定数の温度変化:ファントホッフの式、ル・シャトリエの原理 4
「ファントホッフの式」「ル・シャトリエの原理」
12週 任意の温度での平衡定数の計算方法と演習 4
「ファントホッフの式」
13週 ギブズの相律の導出:自由度の計算 6
「ギブズの相律」「自由度」
14週 クラペイロンの式、クラペイロン‐クラウジウスの式:相平衡 7
「クラペイロンの式」「クラペイロン‐クラウジウスの式」「相転移」
15週 期末試験
16週 答案返却、解説、復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後13
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4後12
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4後6,後11,後12
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4後6,後11,後12
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4後6,後11,後12
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4後6,後8
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4後8
平衡定数の温度依存性を計算できる。4後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000