有機機能化学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機機能化学
科目番号 140521 科目区分 専門 / 選択必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物応用化学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 要説 高分子材料学 米澤宣行著 (三共出版)
担当教員 兵田 俊治

到達目標

1.高分子の構造や合成を説明できる
2.高分子の種類、熱的および力学的な性質や機能性を説明できる
3.高分子の環境や生命に及ぼす影響を説明できる
4.高分子化学工業と特許などの知的財産権との関連性について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の構造や合成を理解し、正確に説明できる高分子の構造や合成の概要を説明できる高分子の構造や合成の概要を説明できない
評価項目2高分子の種類、熱的および力学的な性質や機能性を理解し、正確に説明できる高分子の種類、熱的および力学的な性質や機能性の概要を説明できる高分子の種類、熱的および力学的な性質や機能性の概要を説明できない
評価項目3高分子の環境や生命に及ぼす影響を理解し、正確に説明できる高分子の環境や生命に及ぼす影響の概要を説明できる高分子の環境や生命に及ぼす影響の概要を説明できない
評価項目4高分子化学工業と特許などの知的財産権との関連性について理解し、正確に説明できる高分子化学工業と特許などの知的財産権との関連性についての概要を説明できる高分子化学工業と特許などの知的財産権との関連性についての概要を説明できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE B-4 説明 閉じる
専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高分子は、自然界に見られる繊維や食品、人間の手によって合成されたプラスチックやフィルムなど、生活に欠かせない材料となっている。本科目では、身の回りに存在する高分子はどのように合成されているか、またその種類と性質について学ぶと共に、環境や生命に及ぼす影響や環境分野法令(例、化審法、PL法)を学ぶ。さらに、特許等の知的財産権と高分子化学工業の関連性について学び、プレゼンテーションを行う。教科書やプリントを中心にした講義に加え、演習を随時行うことにより理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業中に配布するプリントを予習し、紹介図書などを熟読しながら、高分子の熱的、力学的な性質、機能性などについて考えよう! 本科目は、有機工業化学とも密接な関連があり、生物応用化学専攻の理論有機化学、有機合成化学および高分子化学概論、特許化学概論とも関連する。
注意点:
分子は、巨大な分子、高分子になることによって独特の性質が現れ、様々な機能を持つようになることを多角的に学ぶため、有機化学、合成化学、物理化学の基礎知識があらかじめ必要とされる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 はじめに 身の回りの高分子について考えてみよう
1,2
2週 高分子とは何か(分類の概念について) 1,2
3週 高分子とは何か(分子構造について) 1,2
4週 高分子とは何か(分子量の概念について) 1,2
5週 高分子とは何か(分子量分布の概念および計算方法について) 1,2
6週 高分子とは何か(熱安定性について熱力学的視点から考えよう) 1,2
7週 高分子とは何か(幾何学的構造、高次構造について考えよう) 1,2
8週 中間試験 1,2
2ndQ
9週 高分子とはなにか(固体構造について考えよう) 1,2
10週 高分子とはなにか(力学的性質、電気的性質について考えよう) 1,2
11週 高分子の成形加工について(射出成形、押出成形などについて) 1,2
12週 高分子の成形加工について(成形加工用原材料について) 1,2
13週 高分子の環境や生命に及ぼす影響について考えてみよう 1,2,3
14週 高分子に関する法規制について(PL法、MSDSシート、RoHSなどについて) 1,2,3
15週 高分子に関する製品規格について(ISO, JIS, ASTMなどについて) 1,2,3
16週 期末試験 1,2,3
後期
3rdQ
1週 天然高分子と合成高分子の違いについて考えてみよう 1,2
2週 高分子合成法と特許等の知的財産権との関連について 1,2
3週 高分子合成:ラジカル重合(1) 1
4週 高分子合成:ラジカル重合(2) 1
5週 高分子合成:ラジカル重合(3) 1
6週 高分子合成法(ラジカル重合)の特許を含むインターネット検索結果をまとめ、プレゼン 1
7週 高分子合成:重付加・付加重合(熱硬化性高分子、耐熱性高分子) 1
8週 中間試験 1,2
4thQ
9週 高分子合成:イオン重合(アニオン重合) 1
10週 高分子合成:イオン重合(カチオン重合) 1
11週 高分子合成:イオン重合(開環重合) 1
12週 高分子と環境負荷との関連について(例、生分解性高分子など) 1,2,3
13週 高分子と環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について 1,2,3
14週 高分子の環境負荷と特許等の知的財産権との関連について(1) 1,2,3,4
15週 高分子の環境負荷と特許等の知的財産権との関連について(2) 1,2,3,4
16週 期末試験 1,2,3,4

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表・プレゼンテーション課題提出物態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801010000100
基礎的能力0000000
専門的能力8001000090
分野横断的能力010000010