| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標1 | 多文化共生に必要な考え方を理解し,自由や平等などの近代以後の西洋的価値観を客観的に捉えて,異文化との実践的諸問題に有効な解答を考察することができる。 | 我々が普段当たり前だと考えている自由や平等などの価値観が,決して中立ではなく,ある場面では別種の不自由や不平等を生み出すことを理解し,多文化共生への問題意識を記述することができる。 | 自由や平等などの近代以後の西洋的価値観を無批判に受け入れ,それに反する考え方を単に間違っている,あるいは劣っていると見なしている。 |
到達目標2 | 諸外国や国連と日本の行動原理の違いとそれぞれの問題点を理解し,現代の紛争,内戦等の実践的問題を考察することができる。 | 戦時国際法や正戦論等,諸外国が戦争に対して日本とは異なった思想,行動原理を有していることを理解し,事例を分析することができる。 | 戦争について論じる際に,その背景構造と論点を理解せずに単に平和への感情を綴ることしかできない。 |
到達目標3 | 生命倫理的諸問題に対して,当事者やその家族,医療関係者当等の視点から考察すべき論点を多面的に抽出し,問題の全体像を把握したうえで自身の見解を述べることができる。 | 自己決定権やQuality of life等,人間の尊厳を巡る諸概念の意味を理解し,生命倫理的事例における論点の対立構造を記述することができる。 | 生命を巡る問題に際して,倫理的問題として取り組むのではなく単に自身の主観的な好き,嫌いでしか考察できない。 |
到達目標4 | 人間中心主義,自然中心主義の双方の立場を総体的に把握し,実践的な環境問題に対してそれらを応用的に用いて自身の見解を述べることができる。 | 人間中心主義,自然中心主義の長所と短所について理解し,それぞれの思想についてその特徴を記述することができる。 | 環境問題を単に技術的問題,あるいは個々人のボランティア精神に依存した問題として捉え,政治・社会的問題として捉える視点に欠けている。 |