到達目標
1.原子の構造と電子配置が理解できること。
2.化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できること。
3.結晶の構造と性質との関係について理解できること
4.酸・塩基と酸化・還元の関係について理解できる。
5.各種の無機化合物がどのような材料として利用されているか理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各電子軌道とエネルギー順位の関係を把握し、各元素の電子配置と周期表における属・周期との関係が理解できる。 | 原子の構造が理解でき、各元素の電子配置を規則に従って記載できる。 | 電子の入る軌道の種類が理解できず、電子配置が記載できない。 |
評価項目2 | 混成軌道の考え方が理解でき、化合物の分子構造について推測できる。 | イオン結合と共有結合の違いが理解できる。 | 化学結合の種類が区別できない。 |
評価項目3 | 構造による結晶の分類ができ、構造と各種性質(電気的性質、磁気的性質)との関係について説明できる。 | 結晶の分類ができ、各性質に関連した現象を挙げることができる。 | 構造による結晶の種類が分類できない。 |
評価項目4 | 酸・塩基の強さをpHで分類でき、酸化・還元現象やその応用事例についても説明できる。 | 酸・塩基の強さをpHで表すことができる。酸化数の計算ができる。 | pHや酸化数の内容が理解できない。 |
評価項目5 | 周期律表の属や周期による分類に基づいて各元素の性質が分類でき、各元素の性質を活かしてどのような場面に応用されているか説明できる。 | 周期律表の属や周期による分類ができ、各元素の性質が予想できる。また、種々の材料中に使用されている元素を挙げることができる。 | 周期律表に属や周期に基づいた各元素の分類ができず、性質の予想ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
21世紀に入ってマテリアルサイエンスやバイオサイエンス分野の進展は著しく、両分野に関わる多くの元素を取り扱う無機化学の重要性が高まっている。無機化学は炭素を含めたすべての元素が関与する物質の構造や性質、反応を取り扱う学問で、それらの系統的な理解のためには、物質を構成する原子・分子の構造や結合に関する知識が不可欠となる。本科目では、量子化学の基礎とあわせて、これらの事項の理解を目標とする。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式で行う。成績は、定期試験80%、課題・小テスト等20%として評価する。課題等の提出物は締切日までに提出されたものについてのみ評価する。
毎週、授業に関連した内容の課題を出し、その内容で次週の最初に確認テストを行うので、しっかり課題に取り組んでほしい。
注意点:
化学1,2で習得した内容を基礎とする。並行して開設されている物理化学の内容を参考にすると理解が深まる。参考書も大いに活用すべきである。
高学年時に開講される無機材料学、有機化学、複合材料などの基礎となる科目でもある。授業時にニュースや新聞記事の紹介も行うので、教科書外からも積極的に学んでほしい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
原子構造と原子核の構造①(物質と原子、原子核の構造) |
1
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2週 |
原子構造と原子核の構造②(原子量、元素の存在比) |
1
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3週 |
周期表と元素の周期性①(電子殻、電子配置、価電子) |
1
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4週 |
周期表と元素の周期性②(周期表、周期性) |
1
|
5週 |
無機分子の結合と構造①(イオン結合、金属結合、共有結合) |
2
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6週 |
無機分子の結合と構造②(無機分子の構造、配位結合、結晶構造) |
2,3
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7週 |
非金属元素の性質と反応① |
1,2,3,5
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
非金属元素の性質と反応② |
1,2,3,5
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10週 |
金属元素の性質と反応① |
1,2,3,5
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11週 |
金属元素の性質と反応② |
1,2,3,5
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12週 |
酸と塩基①(酸・塩基、HSAB理論) |
4
|
13週 |
酸と塩基②(酸・塩基の種類、pH、中和反応) |
4
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14週 |
酸化と還元①(酸化数、酸化剤・還元剤) |
4
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15週 |
酸化と還元②(イオン化傾向、電池、電気分解) |
4
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 無機材料 | 原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | |
原子価結合法により、共有結合を説明できる。 | 4 | |
イオン結合の形成と特徴について理解できる。 | 4 | |
金属結合の形成と特徴について理解できる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。 | 4 | |
酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。 | 4 | |
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。 | 4 | |
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。 | 4 | |
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |