無機化学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機化学
科目番号 151305 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境材料工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる物理化学(共立出版) 著:柴田茂雄 他(※この教科書の前半を無機化学の学習に用いる)  参考図書:機能性材料科学入門(共立出版) 
担当教員 坂本 全教

到達目標

1.原子の構造と電子配置が理解できること。
2.化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できること。
3.さまざまな結晶の成り立ちについて理解できること。
4.波動関数と軌道の概念を理解できること。
5.各種の無機化合物の性質を軌道の概念から理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造と電子配置が理解でき,発展的な演習問題が解ける。原子の構造と電子配置が理解でき,標準的な演習問題が解ける。原子の構造と電子配置が理解できず,演習問題が解けない。
評価項目2化学結合と物質の構造・性質との関係を理解でき,発展的な演習問題が解ける。化学結合と物質の構造・性質との関係を理解でき,標準的な演習問題が解ける。化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できず,演習問題が解けない。
評価項目3さまざまな結晶の成り立ちについて理解でき,発展的な演習問題が解ける。さまざまな結晶の成り立ちについて理解でき,標準的な演習問題が解ける。さまざまな結晶の成り立ちについて理解できず,演習問題が解けない。
評価項目4波動関数と軌道の概念を理解でき,発展的な演習問題が解ける。波動関数と軌道の概念を理解でき,標準的な演習問題が解ける。波動関数と軌道の概念を理解できず,演習問題が解けない。
評価項目5各種の無機化合物の性質を軌道の概念から理解でき,発展的な演習問題が解ける。各種の無機化合物の性質を軌道の概念から理解でき,標準的な演習問題が解ける。各種の無機化合物の性質を軌道の概念から理解できず,演習問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
無機化学は炭素を含めたすべての元素が関与する物質の構造や性質、反応を取り扱う学問である。この系統的な理解のためには、物質を構成する原子・分子の構造や結合に関する知識が不可欠となる。本講義の無機化学では,量子論の基礎と合わせて① ルイス構造式 ② VSEPR理論 ③原子価結合法 ④分子軌道法 という流れで学んでいく。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式で行う。成績は、定期試験80%、課題・小テスト等20%として評価する。
注意点:
化学1,2で習得した内容を基礎とする。並行して開設されている物理化学の内容を参考にすると理解が深まる。
高学年時に開講される無機材料学、有機化学、複合材料などの基礎となる科目でもある。

本科目の区分

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 原子の構造 周期表 電気陰性度 1
2週 電子の粒子性と波動性①(水素原子の線スペクトル) 12
3週 電子の粒子性と波動性②(物質波) 12
4週 電子の粒子性と波動性③(ボーア模型) 12
5週 さまざまな電子軌道と性質①(s, p, d軌道) 123
6週 さまざまな電子軌道と性質②(軌道と物質の性質) 123
7週 復習演習 123
8週 中間試験
4thQ
9週 軌道と原子価結合法①(σ結合,π結合) 234
10週 軌道と原子価結合法②(遮蔽効果)(酸化還元) 234
11週 軌道と原子価結合法③(混成軌道) 234
12週 物質と分子軌道法①(結合性軌道,反結合性軌道)
234
13週 物質と分子軌道法②(等核2原子分子,異核2原子分子) 345
14週 物質と分子軌道法③(分子軌道と物質の性質) 345
15週 復習演習 2345
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。4後1
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4後9,後11,後12
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4後1
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。4後1,後10
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4後9
化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。4後1,後2,後3,後4
原子価結合法により、共有結合を説明できる。4後5,後6
イオン結合の形成と特徴について理解できる。4後5,後6
金属結合の形成と特徴について理解できる。4後6
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。4後6
酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。4後10
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。4後14
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。4後14
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後6,後14
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後6,後14

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力301040
専門的能力301040
分野横断的能力20020