金属材料学1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 金属材料学1
科目番号 151404 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境材料工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 鉄鋼材料  須藤一 編集  日本金属学会、構成金属材料とその熱処理  門間改三・須藤一 著  日本金属学会、特殊鋼の熱処理  飯島一昭他 著  日刊工業新聞社
担当教員 日野 孝紀

到達目標

1 鋼の製造工程が説明でき、純鉄の同素変態が理解できること
2 炭素鋼の状態図を理解し、 C 量と組織の関係が説明できること
3 鋼の基本的な熱処理の原理と方法を理解し、機械的性質の変化が説明できること
4 T.T.T.図やC.C.T.図が理解でき、用途に応じた熱処理法を説明できること
5 鉄鋼材料の分類ができ、特徴が説明できること
6 合金鋼の特徴について説明でき、用途、問題点、改良方法などを理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋼の製造工程について、原料、設備、反応式が説明でき、純鉄の特徴について結晶構造との関係を図示できる。鋼の製造と純鉄の特徴について説明できる。鋼の製造工程や純鉄の特徴について説明できない。
評価項目2炭素鋼の状態図を描くことができ、主要な反応と組織について説明できる。炭素鋼の状態図を描くことができる。炭素鋼の状態図や主要な反応と標準組織について説明できない。
評価項目3熱処理の目的、操作方法、機械的性質の変化について理解しており、得られる組織を状態図と関連させ説明できる。鋼の基本的な熱処理の原理と方法を理解し、機械的性質の変化が説明できる。鋼の基本的な熱処理と機械的性質の変化を関連させ説明できない。
評価項目4T.T.T.図やC.C.T.図から熱処理方法や組織変化を理解することができ、用途に応じた熱処理法を提案できる。T.T.T.図やC.C.T.図を熱処理方法や組織変化と関連させ説明できる。T.T.T.図やC.C.T.図の読み方と両者の相違が説明できない。
評価項目5鉄鋼材料の分類ができ、JIS記号や特徴を説明できること。鉄鋼材料の分類ができる。鉄鋼材料について説明できない。
評価項目6合金鋼のJIS記号、特徴、用途、問題点、改良方法など炭素鋼と比較しながら説明できる。合金鋼の特徴や用途を説明できる。合金鋼について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
鉄鋼材料における基礎をしっかり教える。
授業の進め方・方法:
鋼材の製造過程、Fe-C 系状態図と標準組織、鋼の熱処理、TTT 図、CCT 図、マルテンサイト変態、マルテンサイトの焼き戻し、など 、鉄鋼材料の基礎を理解させた上で、機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼などの各論へと広げてゆく。
注意点:
この科目は学修単位科目であるので、(90時間-講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、(90時間-講義時間)× 3/4時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。(各課題ごとの時間は担当教員が設定する。)
 ただし、提出物は期限内に不備無く提出された課題のみ評価の対象とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋼材の製造過程 1
2週 純鉄の同素変態 1,2
3週 Fe-C系状態図 2
4週 鋼の変態 2
5週 置換型固溶体と侵入型固溶体 2
6週 炭素含有量と標準組織 2
7週 純鉄および軟鋼の性質 2,3
8週 鋼の基本的な熱処理 3
2ndQ
9週 マルテンサイトとベイナイト 2,3
10週 等温変態とTTT図 3,4
11週 連続冷却変態とCCT図 3,4
12週 TTT図、CCT図と組織 2,3,4
13週 鋼の焼き戻し 3.4
14週 合金鋼の焼き戻し 3,4,5
15週 定期試験
16週 試験返却と復習
後期
3rdQ
1週 炭化物反応と2次硬化 4,5
2週 鋼の用途別分類 5
3週 一般構造用圧延鋼材および高張力鋼 5
4週 機械構造用鋼 5
5週 焼入れ性 3,4,5
6週 ジョミニー曲線 3,4
7週 焼入れ性におよぼす諸因子 3,4,6
8週 金属材料の強化方法 5,6
4thQ
9週 高硬度鋼 5,6
10週 鉄鋼の腐食と防食 2,6
11週 ステンレス鋼の種類 3,6
12週 ステンレス鋼の欠陥 6
13週 耐熱鋼 6
14週 超硬合金 6
15週 定期試験
16週 試験返却と復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野金属材料製銑および製鋼工程について、原料ならびに主設備、主な炉内反応を説明できる。4
純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。4
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。4
炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。4
炭素鋼の連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方が説明できる。4
炭素鋼の焼きならしの目的と焼きならしによる機械的性質の変化を説明できる。4
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線と連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方とこれらの相違を説明できる。4
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。4
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。4
合金鋼の状態図の読み方を利用して炭化物の種類や析出挙動を説明できる。4
合金鋼のT.T.T.図、C.C.T.図の読み方が理解でき、目的に応じた適切な熱処理法を説明できる。4
合金鋼の添加元素と機械的性質に関する知識を利用して、合金鋼の用途を選択できる。4
合金鋼の用途、問題点、改良方法などを理解できる。4

評価割合

定期試験小テスト・提出物その他合計
総合評価割合80200100
基礎的能力80200100
専門的能力0000
分野横断的能力0000