表面工学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 表面工学
科目番号 151408 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境材料工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:基礎からわかる電気化学 泉生一郎、他 森北出版 参考書:バーロー 物理化学 大門 寛、他著 東京化学同人新しい電気化学 電気化学協会編 培風館 電気化学概論 松田好晴・岩倉千秋 丸善 など電気化学に関するもの。
担当教員 新田 敦己

到達目標

1. ファラデーの法則が理解でき、計算が出来ること。
2. アノード反応、カソード反応を理解できること。
3. 電池の起電力および電極電位を求めることができること。
4. 電気二重層の構造を理解できること。
5. 過電圧の意味を理解でき、種類が分かること。
6. バトラー-ホルマー式が導出でき、ターフェル式を理解できること。
7. 腐食における局部電池機構を理解でき、代表的な分極曲線が描けること。
8. 不動態化の原理を理解できること。
9. プールベイ図を理解できること。
10. 電気伝導率、イオンの輸率、移動度について理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ファラデーの法則が理解でき、応用問題が解けること。ファラデーの法則が理解でき、基礎問題が解けることファラデーの法則が理解できず、基礎問題が解けない。
評価項目2アノード反応、カソード反応が理解でき、反応式が書け、応用問題が解けること。アノード反応、カソード反応が理解でき、反応式が書け、基礎問題が解けること。アノード反応、カソード反応が理解できず、反応式も書けず、基礎問題が解けない。
評価項目3電池の反応式が書け、起電力および各電極電位に関する応用問題が解けること。電池の反応式が書け、起電力および各電極電位に関する基礎問題が解けること。電池の反応式が書けず、起電力および各電極電位に関する基礎問題が解けない。
評価項目4電気二重層の構造が理解でき、応用問題が解けること。電気二重層の構造が理解でき、基礎問題が解けること。電気二重層の構造が理解できず、基礎問題が解けない。
評価項目5過電圧が理解でき、応用問題が解けること。過電圧が理解でき、基礎問題が解けること。過電圧が理解できず、基礎問題が解けない。
評価項目6バトラー-フォルマー式の導出およびターフェル式が理解でき、これらに関する応用問題が解けること。バトラー-フォルマー式の導出およびターフェル式が理解でき、これらに関する基礎問題が解けること。バトラー-フォルマー式の導出およびターフェル式が理解できず、これらに関する基礎問題が解けない。
評価項目7腐食における局部電池機構の理解おほび代表的な分極曲線を描くことができ、これらに関する応用問題が解けること。腐食における局部電池機構の理解おほび代表的な分極曲線を描くことができ、これらに関する基礎問題が解けること。腐食における局部電池機構の理解おほび代表的な分極曲線を描くことができず、これらに関する基礎問題が解けない。
評価項目8不動態化の原理が理解でき、これらに関する応用問題が解けること。不動態化の原理が理解でき、これらに関する基礎問題が解けること。不動態化の原理が理解できず、これらに関する基礎問題が解けない。
評価項目9プールベイ図が理解でき、これらに関する応用問題が解けること。プールベイ図が理解でき、これらに関する基礎問題が解けること。プールベイ図が理解できず、これらに関する基礎問題が解けない。
評価項目10電気伝導率、イオンの輸率、移動度について理解でき、これらに関する応用問題が解けること。電気伝導率、イオンの輸率、移動度について理解でき、これらに関する基礎問題が解けること。電気伝導率、イオンの輸率、移動度について理解できず、これらに関する基礎問題が解けない。
評価項目11光触媒反応の原理が理解でき、応用問題が解けること。光触媒反応の原理が理解でき、基礎問題が解けること。光触媒反応の原理が理解できず、基礎問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料には必ず表面・界面が存在し、そこでは様々な現象が起こっている。その中でも腐食は、代表的な表面現象であ る。また、めっきやガスセンサーなどは表面現象を利用したものである。したがって、材料の表面・界面挙動を理解することは、材料開発にとって大変重要である。電気化学は、これらの表面・界面現象を理解するための基礎になる学問である。
授業の進め方・方法:
本講義では、電気化学の基礎理論に重点をおき、解説する。また、近年注目されている燃料電池、光触媒の原 理についても解説する
注意点:
履修上の注意
正当な理由の場合を除き、授業を無断欠席しないこと。また、必ず期限どおりに課題を提出すること。
この科目は学修単位科目であるので、(90時間-講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、(90時間-講義時間)× 3/4時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。( 各課題ごとの時間は担当教員が設定する)

事前学習・自己学習・関連科目
3年生までの数学に関する基礎知識、無機化学および物理化学の基礎知識( 特に溶液系に関する知識)が必要である。電子材料学の基礎科目である。各自十分予習、復習をし、講義に備えること。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気化学の歴史、電解質溶液の性質(1) 10
2週 電解質溶液の性質(2) 10
3週 溶液中のイオン解離 10
4週 電解質溶液の電気伝導率、モル電気伝導率 10
5週 イオンの輸率と移動度 10
6週 イオン伝導の機構
10
7週 中間試験
8週 電解質溶液中のイオンの活量 10
2ndQ
9週 電池の起電力(1) 2,3
10週 電池の起電力(2) 2,3
11週 電極電位(1) 2,3
12週 電極電位(2) 2,3
13週 濃淡電池(1) 2,3
14週 濃淡電池(2) 2,3
15週 期末試験
16週 電極と電解液界面の構造(1) 4
後期
3rdQ
1週 電極と電解液界面の構造(2) 4
2週 電極反応の素過程と反応速度 1,5,6
3週 電荷移動過程における反応速度 (1)
1,5,6
4週 電荷移動過程における反応速度 (2) 1,5,6
5週 物質移動過程における反応速度 (1) 1,5,6
6週 物質移動過程における反応速度 (2) 1,5,6
7週 中間試験
8週 金属の腐食 7,8,9
4thQ
9週 腐食の速度論 7,8,9
10週 腐食の平衡論 7,8,9
11週 不活態と不動態 7,8,9
12週 金属の防食 7,8,9
13週 光触媒(1)
11
14週 光触媒(2) 11
15週 期末試験
16週 試験返却・総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。4前10,前11,前12,前13
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。4後3,後4,後5
複合材料界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。4後14,後15

評価割合

試験課題演習その他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力020000020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000