環境材料工学実験2

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 環境材料工学実験2
科目番号 151414 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境材料工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 自作の実験テキスト
担当教員 高見 静香,松原 靖廣

到達目標

1.実験の目的、意義を理解できること。
2.実験テキストを読んで、計画通り安全に実験を遂行できること。
3.実験データを記録、整理してまとめられること。
4.実験データを文章にまとめて報告書が書けること。
5.実験結果を解析し考察をわかりやすく口頭で説明できること。
6.有機物の取り扱いをマスターする。使用にあたって記録を取り後かたづけをしっかり行うこと。
7.有機化学反応を理解し、試薬をうまく調合して目的の有機化合物を作り出すこと。
8.化学実験の基本操作をマスターすること(秤量、ピペット、ピペッターの使い方、反応装置の組立と取り扱い)。
9.実験を通じて、無機材料・有機材料における諸性質と構造との相関性を理解し、材料工学のケミカルデザイン的な素養を深めることができること。
10.実験で使用する試薬の扱い、また廃液処理についてなどの関連事項を知る、それを通し化学物質の安全性、環境に与える影響などの知識・興味をもつこと

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 実験の目的、意義が十分に理解できている。 実験の目的、意義がほぼ理解できている。実験の目的、意義が理解が不十分である。
評価項目2 実験テキストを読んで、計画通り安全に実験を遂行でき十分な結果を得ることができる。 実験テキストを読んで、計画通り安全に実験を遂行できる。実験テキストを読んで、計画通り安全に実験を遂行するのにかなり指導を必要とする。
評価項目3実験データを記録、整理してまとめることが十分にできる。実験データを記録、整理してまとめられる。実験データを記録、整理してまとめることができない。
評価項目4実験データを文章にまとめて報告書が書ける。実験データを文章にまとめて報告書が普通に書ける。実験データを文章にまとめて報告書が書けない。
評価項目5実験結果を解析し考察をわかりやすく口頭で上手に説明できる。実験結果を解析し考察をわかりやすく口頭で普通に説明できる。実験結果を解析し考察をわかりやすく口頭で説明ができない。
評価項目6 有機物の取り扱いをマスターしていて使用にあたって記録を取り、後かたづけをしっかり行うことができる。 有機物の取り扱いや使用にあたって記録を取り、後かたづけを行うことができる。有機物の取り扱いや使用にあたって記録を取り、後かたづけを行うことができない。
評価項目7有機化学反応を理解し、試薬をうまく調合して目的の有機化合物を作ることができる。有機化学反応を理解し、試薬をうまく調合して目的の有機化合物を作ることがある程度できる。有機化学反応を理解し、試薬をうまく調合して目的の有機化合物を作ることができない。
評価項目8 化学実験の基本操作を十分にマスターしている(秤量、ピペット、ピペッターの使い方、反応装置の組立と取り扱い)。 化学実験の基本操作をマスターしている(秤量、ピペット、ピペッターの使い方、反応装置の組立と取り扱い)。化学実験の基本操作をマスターしていない(秤量、ピペット、ピペッターの使い方、反応装置の組立と取り扱い)。
評価項目9無機材料・有機材料における諸性質と構造との相関性を理解し、材料工学のケミカルデザインが出来る。無機材料・有機材料における諸性質と構造との相関性を理解し、材料工学のケミカルデザインがある程度は出来る。無機材料・有機材料における諸性質と構造との相関性を理解し、材料工学のケミカルデザインが出来ない。
評価項目10実験で使用する試薬の扱い、また廃液処理についてなどの関連事項をよく知っていてそれを通し化学物質の安全性、環境に与える影響などの知識・興味が十分にある。実験で使用する試薬の扱い、また廃液処理についてなどの関連事項を知っていてそれを通し化学物質の安全性、環境に与える影響などの知識・興味がある。実験で使用する試薬の扱い、また廃液処理についてなどの関連事項を知らずそれを通し化学物質の安全性、環境に与える影響などの知識・興味がない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
環境材料工学実験2は、有機や無機の化学薬品と有機材料を扱う基礎的実験が主体であり、材料実験の中では化学的センスが重視される内容である。それは、ガラス器具の洗浄、合成、反応装置の組立、ピペット操作、秤量 所定濃度の試料調整といった基本的化学操作が実験内容に大きくかかわっていることからもいえる。 これら基本操作を習得し、化学的洞察力、理解力を身につけてもらう。
授業の進め方・方法:
関連科目として3年生で行った環境材料実験1があげられます。そのほか化学や物理、物理化学が関連として挙げられます。そして4年の有機化学や5年での高分子材料の授業内容に関連する内容です。事前に、実験テキストを読んでわからないところがあれば調べてください。自分の行った実験の内容をそれを読む他者に正確に伝えるためにレポートを提出します。自分の体を動かして、自分の目で見て観察するだけでなく、内容を他者に正確に伝える必要があります。かならず実験ノートを準備し、実験テキストを読んで調べたことは記録しておくべきです。また、実験で観察したことを適宜書き取り、後から自分で見て整理できるよう正確にわかりやすく書けるようにしましょう。
注意点:
実験に適した服装で行ってください。サンダル、短パン姿などは厳禁です(服装は、実験ガイダンスで説明します)。また試薬やガラス器具等で事故にあわないよう実験中、教員の指示には必ず従ってください。実験を行う際には、前もって実験テキストを読み何を自分が行うのかについて明確にして臨んでください。体調不良等による欠席は授業始まる前に連絡をすること。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「①必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(実験内容に関連する補足内容、実験の注意点、レポートの書き方など)
2-14週で次のテーマを各グループで1週ごと行う。
1,2,3,4,5
2週 高分子の分類実験
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
3週 ウベローデ粘度計によるポリスチレンの粘度分子量の測定 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
4週 高分子合成1(架橋ポリスチレンビーズの合成) 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
5週 高分子合成2(カチオン交換樹脂、ナイロン6、6、ビニロン) 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
6週 プラスチック材料の動特性-非結晶性(ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、
 結晶性 ポリエチレン、ポリイプシロンカプロラクトン)の温度変化に対する
 状態変化、物性変化
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
7週 中間試験期間
8週 プラスチックスの赤外スペクトル 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
2ndQ
9週 紫外可視分光分析(①色調と波長の相関性) 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
10週 紫外可視分光分析(②検量線の作製と未知試料の測定) 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
11週 エステル合成と化学反応の理解 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
12週 スピロピランのフォトクロミズム 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
13週 食酢の中和滴定 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
14週 pHメータを用いた中和滴定 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
15週 期末試験期間
16週 総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前15
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前8,前9,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8,前9,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前8,前9,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前8,前9,前15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前9,前10,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,前9,前10,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前10,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
事実をもとに論理や考察を展開できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3

評価割合

レポート実技面合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力302050
分野横断的能力10010