材料強度学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 材料強度学
科目番号 151423 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境材料工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 金属・合金の強度 辛島誠一著
担当教員 當代 光陽

到達目標

1. 材料の強さの評価において使われる基礎的な用語について説明できる。
2. 結晶のすべり変形について転位と関係づけて説明できる。
3. 材料の強化方法について転位論的観点から説明できる。
4. 材料の破壊について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1格子欠陥の原理を理解し、そ れらの種類(0次元から3次元)について説明できる。格子欠陥の種類(0次元から3次元)について説明できる。格子欠陥の種類(0次元から3次元)について説明できない。
評価項目2熱平衡空孔理論を理解し、空孔の熱平衡濃度を計算できる。0次元欠陥である空孔の熱平衡濃度を計算できる。0次元欠陥である空孔の熱平衡濃度を計算できない。
評価項目3塑性変形と転位との関係につ いて理解し、基礎方程式を交えて理論的に説明できる。塑性変形と転位との関係について説明できる。塑性変形と転位との関係について説明できない。
評価項目4様々な格子欠陥を利用した材料強化法について基礎方程式を交えて理論的に説明できる。様々な格子欠陥を利用した材料強化法について説明できる。様々な格子欠陥を利用した材料強化法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料に外力が負荷された場合の材料の変形、強さ、破壊というマクロな立場から示される現象をミクロな構造(結晶構造)と結びつけて理解する。
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式で授業を進め、レポートにて理解度を確認する。
必要に応じて確認テストを行う。
注意点:
材料に外力が負荷された場合の力学的特性、変形や破壊をミクロな構造と結びつけて理解して欲しい。「材料科学1」、「材料科学2」で学んだ結晶学と熱力学が基礎知識として必須である。
この科目は学修単位科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 材料強度学の必要性、二体ポテンシャル、主な格子欠陥の分類 1
2週 応力とひずみ、弾性率、弾性ひずみエネルギー 1
3週 0次元格子欠陥空孔の熱平衡濃度 2
4週 1次元格子欠陥I 理想せん断強度、転位の導入、パイエルスナバロ力 3
5週 1次元格子欠陥II バーガースベクトル、刃状転位とらせん転位 3
6週 1次元格子欠陥III すべり変形、転位と結晶構造、転位反応 3
7週 中間試験 3
8週 1次元格子欠陥IV・面欠陥
4thQ
9週 転位論的材料強化法の基礎 3
10週 塑性変形の様式と材料強化法I 3
11週 塑性変形の様式と材料強化法II 4
12週 塑性変形の様式と材料強化法III 4
13週 塑性変形の様式と材料強化法IV 4
14週 塑性変形の様式と材料強化法V 4
15週 期末試験
16週 これまでのまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4後1,後2
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。4後1,後2
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。4後1,後2
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4後1,後2
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。4後1,後2
材料組織点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。4後3
線欠陥である刃状転位とらせん転位を理解し、変形機構と関連して説明できる。4後4,後5,後6,後7
面欠陥である積層欠陥について説明できる。4後11
弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。4後10,後11
塑性変形におけるすべり変形と双晶変形の特徴について説明できる。4後10,後11
刃状転位とらせん転位ならびに塑性変形における転位の働きを説明できる。4後9,後10
降伏現象ならびに応力-歪み曲線から降伏点を求めることができる。4後10
加工硬化、固溶硬化、析出硬化、分散硬化の原理を説明できる。4後10
格子間原子型および原子空孔型の拡散機構を説明できる。4後3
拡散係数の物理的意味を説明できる。3後3
回復機構および回復に伴う諸特性の変化を説明できる。4後12,後13
再結晶粒の核生成機構および優先核生成場所を説明できる。4後12,後13
再結晶粒の成長機構を説明できる。4後12,後13
力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
応力-ひずみ曲線について説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
許容応力と安全率を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
縦ひずみと横ひずみを理解し、ポアソン比およびポアソン数を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
せん断応力(接面応力)とせん断ひずみ(せん断角)を計算できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
工作塑性加工法の種類を説明できる。4後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験レポートノート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3015000045
専門的能力4015000055
分野横断的能力0000000