材料物性学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料物性学
科目番号 151502 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境材料工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大学講義シリーズ 量子力学概論 権藤靖夫著 コロナ社
担当教員 當代 光陽

到達目標

1. 原子中の電子に関する基礎的な概念が説明できる。
2. バンド構造について基礎的な説明ができる。
3. 導体、半導体、絶縁体について基礎的な説明ができる。
4. 電気伝導性(金属中の自由電子)について基礎的な説明ができる。
5. 統計理学の基礎的概念について説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1光の二重性について原理を理解し、説明できる。光の二重性について説明できる。光の二重性について説明できない。
評価項目2電子、物質波について理論的に説明できる。電子、物質波について説明できる。電子、物質波について説明できない。
評価項目3原子模型について理論的に説明できる。原子模型について説明できる。原子模型について説明できない。
評価項目4波動方程式について理論的に説明できる。波動方程式について説明できる。波動方程式について説明できない。
評価項目5固体物性について基礎となる方程式を交えて理論的に説明できる。固体物性について具体例を挙げて説明できる。固体物性について具体例を挙げて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物性工学の観点から、主に物質・材料中の電子の振る舞いについて、そして、これらの物質・材料の示す性質との関係について学ぶ。種々の機能性材料における機能の発現に関する基礎的な知識を身につける。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式で授業を進め、レポートにて理解度を確認する。
注意点:
機能材料における機能の発現は固体中の電子の振る舞いに基づくものがほとんどであり、物理や化学で学んだ知識と結びつけて理解を深めて欲しい。
数学、あるいは応用数学の素養を必要とし、物理や化学で学んだ知識と結びつけて理解を深めて欲しい。後期の電子材料学における基礎となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 古典物理学から前期量子力学I -身の回りの材料物性学と前期量子力学の概論- 1, 2
2週 古典物理学から前期量子力学II -黒体放射、光電効果、コンプトン効果- 1, 2
3週 古典物理学から前期量子力学III -ラウエとブラッグのX 線回折- 1, 2
4週 古典物理学から前期量子力学IV -ドブロイ波と電子線回折- 1, 2
5週 古典物理学から前期量子力学V -原子の構造、ボーアの原子模型- 1, 2
6週 シュレディンガー波動方程式I -波動の基本、物質波の波動方程式- 3, 4
7週 シュレディンガー波動方程式II -不確定性原理- 3, 4
8週 中間試験
2ndQ
9週 シュレディンガー波動方程式III -不確定性原理、交換条件、交換子- 3, 4
10週 シュレディンガー波動方程式IV  -存在確率、規格化- 3, 4
11週 シュレディンガー波動方程式V  -期待値、行列、ディラック表記- 3, 4
12週 シュレディンガー波動方程式VI -井戸型ポテンシャルと波動方程式- 3, 4
13週 シュレディンガー波動方程式VII -階段型ポテンシャルとトンネル効果の原理- 3, 4
14週 シュレディンガー波動方程式VIII -水素原子1- 3, 4
15週 シュレディンガー波動方程式IV -水素原子2- 3, 4
16週 中間試験
後期
3rdQ
1週 シュレディンガー波動方程式X -水素原子3- 3, 4
2週 シュレディンガー波動方程式XI -水素原子4- 3, 4
3週 シュレディンガー波動方程式XI -水素原子5- 3, 4
4週 パウリの排他率と周期律表 5
5週 固体物性論 I -化学結合- 5
6週 固体物性論 II -原子・分子・固体- 5
7週 固体物性論 III -ブリルアンゾーン、周期的ポテンシャル、固体中のバンド構造- 5
8週 中間試験
4thQ
9週 固体物性論IV -固体中の電子、金属と半導体- 5
10週 統計熱力学の基礎I  -マクスウェル・ボルツマン分布- 5
11週 統計熱力学の基礎II -熱統計熱力学のエントロピー、力学と測定可能な物理量- 5
12週 統計熱力学の基礎III -フェルミ・ディラック分布、熱力学の化学ポテンシャル- 5
13週 統計熱力学の基礎IV -フェルミエネルギー、電子の状態密度、有効質量- 5
14週 統計熱力学の基礎V -ボーズ・アインシュタイン分布- 5
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。4
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。4
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。4
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。4
水素原子中の電子のエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。4
量子条件から電子のエネルギー状態および軌道半径を導出し、説明できる。4
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。4
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。4
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。4
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。4
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。4
半導体の種類について説明できる。2
無機材料原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。4
Bohrの原子模型について説明できる。4
主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
原子価結合法により、共有結合を説明できる。2
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。2
簡単な分子に対する分子軌道法から共有結合を説明できる。2
金属結合の形成について理解できる。4

評価割合

試験レポートノート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3015000045
専門的能力4015000055
分野横断的能力0000000