複合材料

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 複合材料
科目番号 151505 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境材料工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「つくる立場から見た複合材料入門」 裳華房 大谷杉郎 著
担当教員 朝日 太郎

到達目標

1.複合材料の発展や分類について説明できる。
2.複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。
3.強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。
4.複合材料の諸特性について説明でき、複合化するメリットを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1タイプによる複合材料の分類ができ、各タイプにおける複合化のメリットについて説明できる。タイプによる複合材料の分類ができ、事例を挙げることができる。複合材料の分類ができず、事例を挙げることができない。
評価項目2複合材料の機械的強度や複合則について、具体的な事例に即して説明できる。複合材料における特性の複合則について、事例を挙げることができる。複合材料における特性の複合則について、事例を挙げることができない。
評価項目3強化形態ごとに複合材料の主要な製造方法を挙げて、各工程について説明できる。複合材料の強化形態ごとの製造方法について、事例を挙げることができる。複合材料の製造方法について事例を挙げることができない。
評価項目4合材料について、リサイクルを含め、材料設計的にどのような工夫がなされているのか、各形態の複合材料ごとに説明できる。複合材料における素材の複合化によるメリットについて事例を挙げて説明することができる。複合材料における素材の複合化のメリットについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
異なった機能を持つ素材を組み合わせて、お互いの機能を補充し合うことで新たに優れた機能を有する材料を複合材料と言う。この複合材料を理解するために、まず物質の構造と機能性がどのような関係にあるのかを学び、物質の機能性を利用する基礎を習得する。また、複合化によって作製された材料がどのような性質を持ち、活用されているかについて、具体例を通じて学習する。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式で行う。この科目は学修単位科目であるので、(45時間-講義時間)以上の自学自習を必要とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(45時間-講義時間) ×3 /4}時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。(各課題ごとの時間は担当教員が設定する。)
成績は、定期試験80%、課題・小テスト等20%として評価する。多方面にわたる分野の材料を取扱うため、金属材料学、無機材料学、高分子材料学等の復習が必須である。毎週、授業に関連した課題を出すので、問題の解答だけでなく、関連する事項についての調査もあわせて実施してほしい。
注意点:
これまでに学習した専門科目の内容を基盤にして、複合化による様々な機能性発現は物質のミクロな構造と深い関係があることを理解して欲しい。また、環境問題を意識した材料設計についても考える機会を持って欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 複合材料の種類と歴史 1
2週 繊維の複合①(製作工程) 2,3,4
3週 繊維の複合②(各種特性) 2,3,4
4週 繊維の複合③(母材としての樹脂) 2,3,4
5週 繊維の複合④(加工と組立て工程) 2,3,4
6週 混合による複合①(セメント系複合材料、歴史と概要) 2,3,4
7週 混合による複合②(セメント系複合材料、製法) 2,3,4
8週 中間試験
4thQ
9週 混合による複合③(セメント系複合材料、特性) 2,3,4
10週 混合による複合④(セメント系複合材料、リサイクル) 2,3,4
11週 混合による複合⑤(ポリマーアロイ、種類と製法) 2,3,4
12週 積層による複合①(積層型複合材料の特徴) 2,3,4
13週 積層による複合②(積層型複合材料の製法) 2,3,4
14週 積層による複合③(積層型複合材料の性質) 2,3,4
15週 まとめ(複合の目的と複合効果) 1,2,3,4
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。2
金属基複合材料の分類や特徴を説明できる。2
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。2
界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。2
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。2
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。2
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。2
各種複合材料の残留内部応力について理解できる。2
古典積層理論による疑似等方性について説明でき、強度・破損則について理解できる。2
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。2
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。2
炭素/ガラス繊維強化プラスチックの使用における問題点を損傷の評価の観点から応用できる。2
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。2
航空機における使用や極限環境における使用を説明できる。2
セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力6000001070
分野横断的能力2000001030