機械工学概論

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工学概論
科目番号 151508 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境材料工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械工学概論 草間秀俊,佐藤和郎,一色尚次,阿武芳朗 共著(理工学社)、<参考>機械力学 小山十郎著、材料力学 荻原國雄著 (いずれも、東京電機大学出版局)
担当教員 未 定

到達目標

1. 機械材料の特徴と物理特性の違いを理解でき、材料力学を用いて、機械要素の強度計算ができる。 
2. 機械要素の機能を理解し、適切な材料選定とその強度設計ができる。さらに寿命計算ができる。
3. 機械振動の基礎を理解し、スターリング冷凍機の圧縮機の駆動原理が理解できる。
4. 流体力学の基礎として、レイノルズ数、層流と乱流が理解でき、圧力損失の計算ができる。
5. 伝熱工学の伝導、対流、輻射が理解でき、熱通過の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1応力、歪、弾性係数の関係が理解でき、材料の物理特性を使って強度計算ができる。応力、歪、弾性係数の関係が理解できる。応力、歪、弾性係数の関係が理解できない。
到達目標2材料強度、許容応力と安全係数の関係が理解でき、圧力容器やバネの強度設計と疲労評価ができる。材料強度、許容応力と安全係数の関係が理解でき、圧力容器やバネの強度設計ができる。材料強度、許容応力と安全係数の関係は理解できる。
到達目標3自由振動、強制振動が理解でき、スターリング冷凍機用圧縮機の駆動原理が理解できる。自由振動、強制振動が理解できる自由振動、強制振動が理解できない。
到達目標4円管内のレイノルズ数が計算でき、層流と乱流の識別と圧力損失の計算ができる。円管内のレイノルズ数が計算でき、層流と乱流の識別ができる。円管内のレイノルズ数が計算できない。
到達目標5熱伝導、対流熱伝達、輻射が理解でき、単独と組合せでの熱通過の計算ができる。熱伝導、対流熱伝達、輻射が理解でき、それぞれ単独での熱移動の計算ができる。熱伝導、対流熱伝達、輻射が理解でき、単独での熱移動の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械を構成する機械要素の設計過程を通して、材料力学による力と歪の関係や、許容応力と安全係数、伝熱工学の観点から構成要素の材料の選定方法を学ぶ。 具体的には、小型宇宙用1段スターリング冷凍機の設計において、冷凍機を構成する機械要素の設計方法を学習すると共に、材料の許容応力や伝熱工学を考慮して、材料を選定する能力を身につける。
授業の進め方・方法:
本科目の理解には、機械材科学、材料力学、機械力学、流体力学、伝熱工学等の機械工学全般の知識を必要とする。 講義の理解度を確認するために、原則として授業の終わりに小テストを実施し、答案回収後に模範解答を行なうので、自宅で復習して、その日のうちに授業の内容を理解しておくこと。 本科目の内容は、冷凍機の設計を例にとり、設計に必要な機械工学を網羅的に扱っている。
注意点:
機械工学は機械の機能を考究する学問であり、機械の設計過程を通してどのような学問的基礎を必要とするかを理解してほしい。 そのため授業では、冷凍機の設計を例題として、強度計算や伝熱と材料との関係を説明する。 毎回の小テストのために、関数電卓を持参すること。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「③選択必修科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械工学の概要、冷凍機を例として機械の設計に於いて機械工学の必要性の認識

機械材料:炭素鋼、ステンレス鋼、アルミ合金、銅合金、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)の特性の違いを理解
1
2週 材料力学1:応力、歪、弾性係数、引張り、降伏点の関係を理解 (小テスト) 1
3週 材料力学2:熱応力、梁の曲げ、丸棒の捩じり、内圧を受ける円筒の計算を理解し、例題を解く
(小テスト)
1
4週 機械の設計1:荷重、応力集中、材料強度、疲労を理解し、例題を解く  2
5週 機械の設計2:許容応力と安全係数、はめあいと公差、表面粗さの理解 (機械の設計1&2の小テスト) 2
6週 機械要素1:圧力容器、バネの設計を理解し、例題を解く (小テスト) 2
7週 中間試験 1,2
8週 試験返却、復習、機械要素1の小テスト回答 1,2
4thQ
9週 機械要素2:ボルト、フランジ、気密シールの設計計算を理解し、例題を解く (小テスト) 2
10週 機械の力学:機械の振動(自由振動、強制振動)の理解と例題を解く 3
11週 流れの力学1:流体の物理的性質、完全流体の流れ、粘性流体の流れの理解と計算、例題を解く 4
12週 流れの力学2:真空、ポンプ・圧縮機の理解と計算 (流れの力学1&2の小テスト) 4
13週 熱の力学1:熱力学、熱伝導、対流熱伝達、輻射熱伝達、熱通過の理解と計算し、例題を解く
(小テスト)
5
14週 熱の力学2:熱機関、内燃機関、スターリング冷凍機の原理の理解 5
15週 期末試験 3,4,5
16週
試験返却、復習、冷凍機設計の理解、まとめ
1,2,3,4,5

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力502070
専門的能力30030
分野横断的能力000