高分子材料学

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 高分子材料学
科目番号 151517 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境材料工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高分子の化学 北野 博己、功刀 滋 編著 宮本 真敏、前田 寧 他 共著 三共出版 
担当教員 松原 靖廣

到達目標

1.高分子の学問としての成り立ち、高分子とは何か、天然高分子、半天然高分子、人工高分子について理解する.
2.種々の高分子合成反応を理解する.
3.高分子の物性に関する基礎知識をつける.
4.高分子材料を適切に加工したり使用する知識をつける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高分子の学問的な意味と工業的な利用価値について例を挙げ詳しく説明できる。高分子の学問的な意味と工業的な利用価値について説明できる。高分子の学問的な意味と工業的な利用価値についてうまく説明できない。
評価項目2種々の高分子合成反応を例を挙げ詳しく説明できる。種々の高分子合成反応を例を挙げある程度、説明できる。種々の高分子合成反応をあまりうまく説明できない。
評価項目3力学物性や熱物性など種々の高分子物性について原理と関連づけ例をあげ説明できる。力学物性や熱物性など種々の高分子物性について説明できる。力学物性や熱物性など種々の高分子物性についてあまり説明できない。
評価項目4高分子材料の使用目的にあった選択と使用方法について詳しい知識があり説明できる。高分子材料の使用目的にあった選択と使用方法について説明できる。高分子材料の使用目的にあった選択と使用方法についてあまり説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
動物、植物など生体はことごとく高分子からできている。また最初に合成高分子として登場したのは、1938年のナイロンの登場に始まる。以来、合成高分子材料は合成繊維、ゴム、成形材として広く利用されプラスチックスの時代といえよう。高分子材料の応用はあらゆる分野にまで拡大され,今日では高分子材料の知識がなければその応用が難しくなっている。幅広い分野であるが,どのように低分子から高分子ができるのかまたそれが材料としてどのような物性を示し応用がどのように広がっていくのかということを半期の授業時間でできるだけ完結した内容で理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
自学・自習課題の内容には授業の予習と復習の両方が含まれます。教科書等を読んでなるだけ自力で課題の問題を解決してください。わからなければ質問してください。関連する科目には、物理化学・有機化学や4年次の環境材料実験2などがあります。身の回りにたくさんつかわれている高分子材料ですがまだまだ限りない開発への夢のある機能性材料、ハイテク材料へといろいろな思いをめぐらせて知識を整理するとよいでしょう。
注意点:
この科目は学修単位科目であるので、(45時間-講義時間)以上の自学自習を必要 とする。したがって、科目担当教員が課した課題の内、{(45時間-講義時間)×3 /4}時間以上に相当する課題提出がないと単位を認めない。(課題ごとの時間は 担当教員が設定する。)

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「_③選択必修科目_」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第一章:高分子が高分子であること:高分子の分子量、高分子の構造など高分子に関する基礎知識:天然高分子(タンパク質、DNA、RNA・・)の構造・機能性質 1
2週 高分子化学のあゆみ重合反応の分類(逐次重合、連鎖重合;重縮合、付加重合、付加重縮合、開環重合・・etc.) 1,2
3週 高分子合成1:付加重合系(ラジカル重合,イオン重合) 1,2
4週 高分子合成2: 付加重合系(ラジカル重合,イオン重合)共重合・モノマー反応性(Q・e論) 1,2
5週 高分子合成3:重縮合(ポリエステル・ポリアミド) 1,2
6週 高分子合成4:配位重合(立体規則性ポリマー):付加重縮合(フェノール樹脂,尿素樹脂)重付加(ポリウレタン系,エポキシ樹脂):開環重合 1,2
7週 中間試験
8週 試験返却と解説
2ndQ
9週 第三章:高分子の化学反応、高分子を利用して新しい高分子をつくる。機能材料の開発について(セルローズ、PVA・・・グラフト重合) 1,2
10週 第三章の続き第四章 高分子溶液:分子量の測定、高分子の熱力学他 1,3
11週 第五章高分子の固体:高分子結晶とは、非晶質とは、ガラス転移温度とは・・etc 1,3
12週 第五章高分子の固体その2: 高分子の力学 粘性、弾性、粘弾性・・etc 1,3,4
13週 第六章機能性高分子:エンジニアリングプラスチックス他 1,2,3,4
14週 第七章機能性高分子:スーパーエンジニアリングプラスチックス、医療用ポリマー、生分解性ポリマーその他 1,2,3,4
15週 期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野有機材料有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造と名前の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを反応に結びつけることができる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、幾何異性体、鏡像異性体などについて説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4

評価割合

試験課題その他合計
総合評価割合805590
基礎的能力300030
専門的能力405550
分野横断的能力100010