到達目標
1. ミクロな電子の挙動について,数式化し理解する。
2. 波数空間や状態密度の概念を習得する。
3. 振動の量子化されたもの=フォノンについて,統計力学の基礎とともに理解する。
4. デバイモデルについて理解し,固体の比熱を導出できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ミクロな電子の挙動について理解し,発展的な演習問題が解ける。 | ミクロな電子の挙動について理解し,標準的な演習問題が解ける。 | ミクロな電子の挙動について理解できず,演習問題が解ける。 |
評価項目2 | 波数空間・状態密度について理解し,発展的な演習問題が解ける。 | 波数空間・状態密度について理解し,標準的な演習問題が解ける。 | 波数空間・状態密度について理解できず,演習問題が解ける。 |
評価項目3 | フォノンについて理解し,発展的な演習問題が解ける。 | フォノンについて理解し,標準的な演習問題が解ける。 | フォノンについて理解できず,標準的な演習問題が解けない。 |
評価項目4 | デバイモデルについて理解し,発展的な演習問題が解ける。 | デバイモデルについて理解し,標準的な演習問題が解ける。 | デバイモデルについて理解できず,標準的な演習問題が解けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
我々の取り扱う材料は主に「固体」である。この固体について理解し,省エネルギーな低環境負荷材料を設計することは人類全体の課題である。また,エネルギーと熱の関係は,その設計思想の土台となる重要なものである。低学年の熱力学では主に気体を対象にその基礎概念を習得した。本講義ではその対象を「固体」ならびに固体中の「電子」にうつし,固体物理学の観点から,熱エネルギーと固体の関係について学ぶことを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本的に板書による講義形式で行う。式の導出や演習問題にしっかり取り組むこと。課題演習は最も早い理解への道である。
成績は定期試験70% 課題30%として評価する。
注意点:
これまでに学習した関連周辺分野(とくに物理化学,材料科学)の復習が必須である。これらの内容を統合して講義を行う。
本科目の区分
本科目は,「選択必修科目」であり,「学修単位」である。
課題および課題提出に取りくむ時間を含んだ自学が必須であるため注意すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 必要な熱力学の復習 |
1
|
2週 |
電子移動度μの導入 |
12
|
3週 |
k空間と状態密度の導入 |
12
|
4週 |
フェルミエネルギーの導出 |
12
|
5週 |
電子比熱の導出 |
12
|
6週 |
ゾンマーフェルト展開 |
12
|
7週 |
自由電子の熱伝導率 |
12
|
8週 |
中間試験 |
12
|
4thQ |
9週 |
固体の原子モデル1 振動の数式化 |
34
|
10週 |
固体の原子モデル2 ブリルアンゾーンの導出 |
34
|
11週 |
固体の原子モデル3 固体の比熱と格子振動 |
34
|
12週 |
デバイモデル1 |
34
|
13週 |
デバイモデル2 |
34
|
14週 |
これまでの演習1 |
1234
|
15週 |
これまでの演習2 |
1234
|
16週 |
期末試験 |
1234
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 40 |
専門的能力 | 30 | 10 | 40 |
分野横断的能力 | 10 | 10 | 20 |