材料強度物性

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料強度物性
科目番号 610106 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産工学専攻(環境材料工学コース) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 日野 孝紀

到達目標

1 結晶の理想強度について理解し、結晶の塑性変形についての概略が説明できること。
2 格子欠陥と関連する原子の拡散法則について説明できること。
3 刃状転位とらせん転位の構造について説明できること。
4 金属材料の強化機構について説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基礎的な金属材料の力学的性質について算出できる。塑性変形についての概略が説明できる。結晶の理想強度および塑性変形について説明できない。
評価項目2原子の拡散法則について理解し、固体中の拡散についての計算ができる。固体中の原子の拡散について説明できる。固体中の原子の拡散について説明でない。
評価項目3転位の運動について説明でき、塑性変形との関係を導出できる。転位の運動について説明できる。転位と塑性変形の関係を説明できない。
評価項目4金属材料の強化機構と転位の関係について説明できること。金属材料の強化方法について説明できる。金属材料の強化方法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門知識 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 材料の機械的性質は原子の結合と結晶の不完全性(格子欠陥)を考慮して初めて理解される。そこで、本講義では原子の構造と結合力、またそれを切り離すための理想強度および結晶の塑性変形について解説する。また、点欠陥、転位等の基本的な格子欠陥およびそれらの欠陥と関連する材料中における原子の拡散について解説する。次に、固溶強化、加工硬化、微粒強化等、材料の強化機構について講述することにより、材料強度を原子論的立場から理解させることを目標とする。
授業の進め方・方法:
 授業は金属材料科学関連の復習や演習課題を行いながら、板書を中心に授業を進める。
注意点:
 授業理解のために金属材料学、材料強度学、材料物性学について復習し、課題を次回の講義までに解決しておくこと。本講義の内容は材料強度学、材料物性学、材料組織学と連携しており、機能性材料学1、2のための基礎となる。
 問題演習を行うので、電卓やグラフ用紙を持参のこと。レポート課題の解答には、参考書やWeb 等から得た情報を丸写しすることなく、自分の言葉で書き文章力も養って欲しい。また、引用先は明確に示すこと。なお、授業の欠席回数が1/4を超えた場合は、原則として単位を認定しない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 固体の性質と構造 1
2週 材料の力学的性質(1) 1
3週 材料の力学的性質(2) 1
4週 結晶欠陥の種類と性質 1, 2
5週 結晶中の点欠陥 1, 2
6週 点欠陥と拡散 1, 2
7週 理想結晶の強度 1, 2
8週 転位の種類と性質 1
2ndQ
9週 塑性変形と転位 3
10週 転位の運動 3
11週 転位の増殖 1, 3
12週 応力下での転位 1, 3
13週 金属の強化機構(1) 1, 3
14週 金属の強化機構(2)
1, 2, 4
15週 定期試験 1, 3, 4
16週 試験返却、復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力02020
専門的能力000
分野横断的能力80080