微生物工学概論

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微生物工学概論
科目番号 630104 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物応用化学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 応用微生物学 村尾澤夫・荒井基夫 (培風館)
担当教員 早瀬 伸樹

到達目標

1.微生物学の発展に関する代表的な発見の概要を説明できること。
2.微生物の育種法の概要について説明できること。
3.微生物の代表的な代謝(解糖経路、TCAサイクル)と産業への利用について説明できること。
4.微生物の増殖及び培養方法の概要を説明できること。
5.微生物を用いた醸造、発酵食品やアミノ酸の生産について概要を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物学発展に寄与した科学者とその業績について、人類の生活への影響も踏まえて説明できる。微生物学発展に寄与した科学者とその業績について説明できる。微生物学発展に寄与した科学者とその業績について説明できない。
評価項目2遺伝子組換え、突然変異を用いた微生物の育種方法を理解し、その応用について例を挙げて説明できる。遺伝子組換え、突然変異を用いた微生物の育種方法の概要を説明できる。遺伝子組換え、突然変異を用いた微生物の育種方法の概要を説明できない。
評価項目3解糖経路、TCAサイクル等を理解し、それら代謝を利用した物質生産や環境浄化について、幾つかの例を挙げて具体的に説明できる。解糖経路、TCAサイクル等の概要を理解し微生物の代謝を利用した物質生産や環境浄化について、簡単に説明できる。解糖経路、TCAサイクル等の概要を説明できない。
評価項目4酵素の反応速度パラメータの意味を正確に理解し、ミカエリス定数、最大反応速度、阻害定数を求めることができ、そこから酵素の特性を考察できる。酵素の反応速度パラメータの概要を理解し、ミカエリス定数、最大反応速度を求めることができる。酵素の最大反応速度、ミカエリス定数を求めることができない。
評価項目5酵素合成の調節機構について正確に詳しく説明できる。酵素合成の調節機構の概要を説明できる。酵素合成の調節機構の概要を説明できない。
評価項目6 微生物の増殖測定方法や培養方法を明確に理解し、培養における物質収支式を立て物質収支を求めることができる。 微生物の増殖測定方法や培養方法を理解し、培養における基本的な物質収支を求めることができる。微生物培養における物質収支を求めることができない。
評価項目7 微生物を利用した醸造、発酵食品、アミノ酸の生産方法の原理を理解し、例を挙げて説明できる。微生物を利用した醸造、発酵食品、アミノ酸の生産方法の概要を説明できる。微生物を利用した醸造、発酵食品、アミノ酸の生産方法の概要を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
食品産業、医薬品製造、環境浄化、資源エネルギー関連の様々な分野において、微生物の応用技術が利用されている。この科目は企業で微生物の機能性の活用方法を担当していた教員がその経験を活かし、本講義において、微生物の基礎知識や微生物細胞内でおこっている様々な物質代謝を学習しながら、企業などにおける微生物の工学的利用技術を修得する。
授業の進め方・方法:
本科目は専攻科1年の概論科目であり、本科4,5年の応用化学コースで学んだ学生が専攻科で生物工学をより深く学ぶために必要な専門基礎知識を身につけることを目的としている。 授業は、講義形式で行うが、理解を深化させるため、演習も取り入れる。
注意点:
本科2年の微生物学で学んだ内容が予め必要な知識となる。また、本科目の学習内容は後期に開講される生物化学特論にもつながる。
この科目は専攻科講義科目(2単位)であり、総学修時間は90時間である。(内訳は授業時間30時間、自学自習時間60時間である。)単位認定には60時間に相当する自学自習が必須であり、この自学自習時間には、担当教員からの自学自習用課題、授業のための予習復習時間、理解を深めるための演習課題の考察時間、および試験準備のための学習時間を含むものとする。

本科目の区分

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微生物利用学の発展と産業への応用 1
2週 微生物の生育
3週 有用微生物の分離 2
4週 突然変異による微生物の改良 2
5週 遺伝子組換えによる微生物菌株の改良 2
6週 物質代謝とエネルギー代謝(1) 3
7週 物質代謝とエネルギー代謝(2) 3
8週 中間試験
2ndQ
9週 タンパク質の生合成 3
10週 酵素の反応速度論 4
11週 代謝調節 5
12週 増殖の速度論的解析 6
13週 微生物の培養技術 6
14週 微生物の利用(発酵、醸造食品) 7
15週 微生物の利用(アミノ酸発酵、環境浄化) 7
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験提出物合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000