基礎機械制御工学

科目基礎情報

学校 弓削商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎機械制御工学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 図解シーケンス制御入門:大浜庄司(オーム社),工業力学:PEL編集委員会(実教出版)
担当教員 森 耕太郎

到達目標

・制御系
 メカトロニクスの技術者を目指すための「機械をコントロ-ルする技術」の知識を身につける。FA・OAのシ-ケンス制御技術者に必要な,自動制御の基礎である簡単な制御回路の設計が出来るように,回路図を理解する能力を養成する。
・機械系
 身の回りの力学現象に興味を持たせ,その現象をモデル化する能力と解析を行うための基礎学力を養うことを目標とする。具体的には,作用する力やモーメントの大きさと方向を理解して,その力のつりあい式をたてることができることと,各種運動において,時間,速度,加速度,作用する力に関する関係式を立てることができるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
課題において,リレーシーケンス回路が設計(制御回路)でき,また基本的な電動機1台の主回路設計ができる。主回路,制御回路の設計が行え,動作の説明ができる。主回路,制御回路の設計が行える。主回路,制御回路の設計が行えない。
AND/OR/NOT/NAND/NOR回路の組み合わせができ,真理値表がつくれる。AND/OR/NOT/NAND/NOR回路の組み合わせができ,真理値表がつくれる。AND/OR/NOT/NAND/NOR回路の組み合わせができる。AND/OR/NOT/NAND/NOR回路の組み合わせができない。
力のつりあい式を立て,計算できる。作用する力を計算できる。力のつりあい式をたてることができる。力のつりあい式をたてることができない。
重心の意味を理解し,重心位置を求めることができる。複雑な形状の平板の重心位置を計算できる。単純な形状の平板の重心位置を計算できる。平板の重心位置を計算できない。
等速直線運動,等加速度運動において,時間,速度,加速度に関す関係式をたて,計算ができる。関係式をたて,物理量を計算できる。関係式をたてることができる。関係式をたてることができない。
回転運動において,速度,加速度,作用する力に関する関係式をたて,計算ができる。関係式をたて,物理量を計算できる。関係式をたてることができる。関係式をたてることができない。

学科の到達目標項目との関係

専門 A1 説明 閉じる
教養 D1 説明 閉じる
教養 D2 説明 閉じる
専門 E1 説明 閉じる
専門 E2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御系
・「制御」のイメ-ジが浮かぶ事例を教材とし,知識(知っている)から応用(使うことが出来る)までを取得する。
機械系
・社会の実践的な力学に関する問題に取り組むため,様々な物体の運動について力学の考え方および原理を理解する。
・材料力学,流体力学,熱力学などの土台となる科目である。
授業の進め方・方法:
制御系
・実物の制御機器を見せて,「目で確かめる」講義体制をとる。
・簡単なシーケンス制御回路の設計を実例的に行う。
機械系
・座学の講義を基本とし,授業数回に一回のペースで小テストを実施する。
注意点:
制御系
・中間,期末試験以外に小テストの完成度や出席状況,授業態度を含めて評価する。
機械系
・物理1,基礎機械制御の内容を踏まえて講義を行う。
・以降の機械系科目の基礎となる点を留意すること。

実務経験のある教員による授業科目

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械系ガイダンス
工学基礎(三角関数,ベクトル,単位)
基礎機械制御工学(機械系)の位置づけを理解できる。
単位,三角関数を理解し,計算できる。
2週 力の基本原理 力は,大きさ,向き,作用する点によって表されることを理解し,適用できる。
3週 1点に働く力の合成と分解 一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき,合力と分力を計算できる。
4週 力のつり合い 一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。
5週 力のモーメント 力のモーメントの意味を理解し,計算できる。
6週 重心 重心の意味を理解し,平板および立体の重心位置を計算できる。
7週 中間試験前の振り返り 練習問題による復習。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験解説/成績確認
10週 直線運動 速度の意味を理解し,等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。
加速度の意味を理解し,等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。
11週 平面運動 自由落下,斜方投射のような重力加速度を用いた運動方程式を理解し,計算できる。
12週 回転運動1 周速度,角速度,回転速度の意味を理解し,計算できる。
13週 回転運動2 向心加速度,向心力,遠心力の意味を理解し,計算できる。
14週 運動法則 運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。
運動の第二法則を説明でき,力,質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。
15週 力と運動方程式 拘束された条件下での物体の運動方程式をたて,計算できる。
16週 試験解説/成績確認
後期
3rdQ
1週 制御系ガイダンス
シーケンス制御概要
身の回りにある自動制御機器を理解し,フィードバック制御とシーケンス制御の相違を説明できる。
2週 シーケンス制御に必要な知識 シーケンス図,フローチャート・タイムチャートの読み書きができる。
3週 シーケンス制御機器と図記号 開閉接点機器の仕組みを説明できる。
4週 シーケンス図の書き方 リレーシーケンス図を書ける。
5週 AND/OR/NOT/NAND/NOR回路と真理値表① 論理回路と論理演算について理解し,AND/OR回路の真理値表を作れる。
6週 AND/OR/NOT/NAND/NOR回路と真理値表② NOT/NAND/NOR回路の真理値表を作れる。
7週 中間試験前の振り返り 練習問題による復習。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験解説/成績確認
10週 リレーシーケンス設計 一致・反一致回路・自己保持回路を設計できる。
11週 様々なシーケンス回路 インタロック回路,タイマ回路を設計できる。
12週 シーケンス回路設計応用 フリッカ回路,フリップフロップ回路を設計できる。
13週 無接点シーケンス制御 無接点シーケンスとは何かを説明できる。
14週 シーケンス制御の活用 電動機のじか入れ始動制御について説明できる。
15週 学年末試験前の振り返り 練習問題による復習。
16週 試験解説/成績確認

評価割合

定期試験小テストレポート口頭発表成果物実技ポートフォリオその他合計
総合評価割合703000000100
知識の基本的な理解5000000050
思考・推論・創造への適応力20200000040
汎用的技能0100000010
リーダーシップ・コミュニケーション力00000000
態度・志向性(人間力)00000000