物理1

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 物理1
科目番号 0006 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合科学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高等学校検定済教科書 「物理基礎」(東京書籍),「物理」(東京書籍) 問題集:「ニューグローバル 物理基礎+物理」(東京書籍),ネオパールノート物理基礎(第一学習社),スタディノート物理(第一学習社)
担当教員 高野 弘

到達目標

【到達目標】
1. 各項目において“知る・学ぶ(知識・記憶レベル)”と記した項目については,それに関する体系立った知識を得る。
2. “理解する(理解レベル)”と記した項目については,基本公式から計算(または作図)によって,定量的に現象を説明できる。
3. “演習を行う(適用レベル)”と記した項目については,体得した解法を適用して,具体的な問題に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波動に関して,体系立った知識を体得して,公式を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。波動に関して,個別に知識を獲得して,公式を適用して基礎的な物理量を算出できる。波動に関して,知識の修得が十分でなく,公式を適用して基礎的な物理量を算出できない。
評価項目2波動の具体例としての音と光に関して,体系立った知識を体得して,公式を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。波動の具体例としての音と光に関して,個別に知識を獲得して,公式を適用して基礎的な物理量を算出できる。波動の具体例としての音と光に関して,知識の修得が十分でなく,公式を適用して基礎的な物理量を算出できない。
評価項目3等加速度直線運動とその具体例としての落体の運動に関して,体系立った知識を体得して,公式を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。等加速度直線運動とその具体例としての落体の運動に関して,個別に知識を獲得して,公式を適用して基礎的な物理量を算出できる。等加速度直線運動とその具体例としての落体の運動に関して,知識の修得が十分でなく,公式を適用して基礎的な物理量を算出できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
波動の一般的な性質についてまず学習し,これを用いて日常体験する光や音に関する現象を解明します。不思議な現象や複雑な現象が,単純な考え方で説明できることを知って,物理は役に立つ面白い学問であることを学びます。年度末には運動の表現法について学び,2年で学習する力学の準備をします。
授業の進め方・方法:
授業計画を参照
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(提出物,平常(実力)試験等)を40%の割合で総合的に評価することを原則とする。前学期の評価は前学期中間と前学期末の各期間の総合評価,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の総合評価,学年の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間,後学期末の各期間の総合評価とする。
専門科目を学ぶための基礎として,1.波動現象についての基礎的な知識と理解を持つか,2.作図・計算により波動の基本現象を解析できるか,3.音・光に関する身の回りの現象を物理的に説明できるか,4.等速度,等加速度直線運動を解析的に扱えるかなどを評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理の学び方[1-2]:物理の学習方法
A.波
学ぶ目的,授業の受け方,ノートテイク,課題提出等を理解する。波の成り立ち,伝わり方,波を表す量などを知る。
2週 1.波の性質[3-4]:(物理基礎)
B.媒質の振動と波,C.横波と縦波
媒質の振動を表す量,波の基本式,横波と縦波の違いについて説明できる。
3週 1.波の性質[5-6]:(物理基礎)
D.波の重ね合わせ,E.定常波
波の独立性と重ね合わせ原理を理解する。これらを用いて具体的に定常波を作図してその特徴を理解する。
4週 1.波の性質[7-8]:(物理基礎)
F.自由端反射と固定端反射
波の独立性と重ね合わせ原理を用いて,自由端と固定端における反射の違いを具体的に作図して説明できる。
5週 1.波の性質[9-10]:(物理基礎)
 総合演習 p134-150
「波の性質(物理基礎)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
6週 1.波の性質[11-12]:(物理)波の表し方
A.波を表す量
正弦関数を用いた波の表現を理解できる
7週 1.波の性質[13-14]:(物理)波の伝わり方
A.ホイヘンス原理,B.反射法則,C.屈折法則
ホイヘンスの原理を理解して,波の反射,屈折について説明できる。反射・屈折の法則を用いて,媒質の境界における水波の振る舞いを定量的に計算できる。
8週 1.波の性質[15-16]:(物理)波の伝わり方
D.波の回折,E.波の干渉
ホイヘンスの原理を理解して,波の回折を説明できる。波の干渉式を用いて,簡単な干渉現象を定量的に計算できる。
2ndQ
9週 1.波の性質[17-18]:(物理)
 総合演習 p132-145
「波の性質(物理)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
10週 2.音と振動[19-20]: (物理基礎)
A.音と波,B.音の性質,C.うなり
音速や音の三要素等を理解している。うなり現象を理解して,簡単な計算ができる。
11週 2.音と振動[21-22]: (物理基礎)
D.物体固有の振動,E.弦の固有振動,F.気柱の固有振動
共振現象を理解している。弦の固有振動と気柱の固有振動を統一した立場で説明できる。それぞれの固有振動を定量的に求めることができる。
12週 2.音と振動[23-24]: (物理基礎)
 総合演習 p151-163
「音と振動(物理基礎)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
13週 2.音[25-26]:(物理) 音の性質
A.反射,B.屈折,C.回折,D.干渉
波の性質で既習の内容を,音波に適用して説明することができる。
14週 2.音[27-28]:(物理) ドップラー効果
A.音源が移動,B.観測者が移動,C.両者が移動
ドップラー効果について説明できる。直線上を運動する場合について,振動数変化を求めることができる。
15週 2.音[29-30]:(物理) p146-157
 総合演習 
「音(物理)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
16週
後期
3rdQ
1週 3.光[1-2]:(物理) 光の伝わり方
A.物の見え方と色,B.光速,C.電磁波と光
光の散乱,光速の測定,電磁波としての光等の基本的性質について理解している。
2週 3.光[3-4]:(物理) 光の伝わり方
D.反射と屈折,E.分散,F偏光
光線(幾何光学)の反射と屈折に関する計算ができる。光の分散や偏光について説明できる。
3週 3.光[5-6]:(物理) 光の回折と干渉
A.ヤングの実験,B.回折格子
ヤングの実験や回折格子に関して,定量的な取り扱いができる。
4週 3.光[7-8]:(物理) 光の回折と干渉
C.薄膜による干渉,D.空気層による干渉
薄膜や空気層による干渉について,定量的な取り扱いができる
5週 3.光[9-10]:(物理) 鏡とレンズ
A.凸レンズ,B.凹レンズ
レンズの公式を用いて,像の大きさや位置を計算で求めることができる。
6週 3.光[11-12]:(物理) 鏡とレンズ
C.鏡による光の像
鏡に写る像に関して,説明できる。
7週 3.光[13-14]:(物理) p158-186
 総合演習 
「光(物理)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
8週 1.速度・加速度[15-16]:(物理基礎)
 速度,等速直線運動
位置と変位,速度と速さの区別ができる。等速直線運動が理解できる。
4thQ
9週 1.速度・加速度[17-18]:(物理基礎)
 速度の合成,相対運動
同一直線上を運動する2物体について,速度の合成や相対速度の計算ができる。
10週 1.速度・加速度[19-20]:(物理基礎)
 加速度,等加速度直線運動
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
11週 1.速度・加速度[19-20]:(物理基礎)
 総合演習 p14-31
 
「速度・加速度(物理基礎)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
12週 2.3.A落体の運動[23-24]:(物理基礎)
自由落下,鉛直投げ下ろし
等加速度直線運動の応用として,自由落下や投げ下ろしに関する計算ができる。
13週 2.3.A落体の運動[25-26]:(物理基礎)
鉛直投げ上げ
等加速度直線運動の公式を用いて,鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。
14週 2.3.A落体の運動[27-28]:(物理基礎)
水平投射・斜方投射
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。
15週 2.3.A落体の運動[29-30]:(物理基礎)
 総合演習 p47-55,p74
「落体の運動(物理)」で学んだ内容に関して,演習問題を解くことにより,到達度を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後8,後9,後10
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3後9
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3後11,後13
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後12,後13,後15
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後12,後15
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後15
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前1,前2,前5,前6
横波と縦波の違いについて説明できる。3前2,前5
波の重ね合わせの原理について説明できる。2前3,前5
波の独立性について説明できる。2前3,前5
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3前4,前5
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2前3,前4,前5
ホイヘンスの原理について説明できる。2前7,前9
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3前7,前8,前9
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3前11,前12
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3前11,前12
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3前11,前12
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3前14,前15
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000