概要:
我々の身の回りをよく見ると,化学が深く関係していることに気づきます。化学1では,まず,物質を構成する粒子(原子・分子・イオンなど)ついて基礎知識を身につけた上で,いろいろな物質の変化(中和・反応熱)について学び,物質に関する基本的な概念や法則を理解します。さらに,一連の学習を通して,物質と我々の生活との関係を化学的に考察できるようにします。
授業の進め方・方法:
教科書に準じて進めていき、講義だけでなく演習を取り入れながら進めていく。
注意点:
試験の成績75%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を25%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。
技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.ガイダンス 2.化学と人間生活 |
授業の流れや注意事項(成績評価等)の説明する。 化学がどのように人間生活に係わっているかを理解する。
|
2週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成:純物質と混合物 |
純物質と混合物の違いを理解し,混合物の分離方法について説明できる。
|
3週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成:純物質と混合物・物質とその成分 |
物質を単体・純物質・混合物に分類することができる。また,単体と元素の違い,同素体について説明できる。
|
4週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成:物質の三態と熱運動 |
物質の三態とその状態変化について説明できる。
|
5週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:原子とその構造 |
原子の基本構造について理解できる。
|
6週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:原子とその構造 |
同位体について理解し,説明できる。
|
7週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:原子とその構造 |
電子配置を記述することができ,価電子について説明できる。
|
8週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:イオン |
イオンの生成について理解し,陽イオンと陰イオンについて説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:イオン |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。
|
10週 |
3. 物質の構成と化学結合:物質の構成粒子:周期表 |
元素の周期表と周期律から元素の性質について理解する。
|
11週 |
3. 物質の構成と化学結合:粒子の結合:イオン結合とイオンからなる物質 |
イオン式とイオンの名称を記述でき,イオン結合について説明ができる。
|
12週 |
3. 物質の構成と化学結合:粒子の結合:イオン結合とイオンからなる物質 |
イオン結合性物質が説明できる。
|
13週 |
3. 物質の構成と化学結合:粒子の結合:分子と共有結合 |
共有結合について理解し,説明できる。
|
14週 |
3. 物質の構成と化学結合:粒子の結合:分子と共有結合 |
構造式や電子式を記述できる。
|
15週 |
3. 物質の構成と化学結合:粒子の結合:金属結合と金属 |
金属結合について理解し,説明できる。
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:原子量・分子量・式量 |
原子の相対質量について理解し,原子量・分子量・式量を求めることができる。
|
2週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:物質量 |
物質量(mol)について理解し,計算することができる。
|
3週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:物質量 |
物質量(mol)について理解し,計算することができる。
|
4週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:物質量 |
物質量(mol)について理解し,計算することができる。
|
5週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:物質量 |
物質量と他の物理量との関係を理解し,換算ができる。
|
6週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:化学反応式と物質量 |
化学反応式を組み立てることができる。
|
7週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:化学反応式と物質量 |
化学反応式の量的関係・関連する法則を記述することができる。
|
8週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:溶液の濃度 |
質量パーセント濃度,モル濃度について理解し,計算できる。
|
4thQ |
9週 |
4.物質の変化:物質量と化学反応式:溶液の濃度 |
質量パーセント濃度,モル濃度について理解し,計算できる。
|
10週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:酸・塩基 |
酸・塩基の定義ができる(アレニウスの定義,ブレンステッド・ローリーの定義)。
|
11週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:酸・塩基 |
電離度とは何か理解し,酸・塩基の強弱から分類をすることができる。
|
12週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:水の電離と水溶液のpH |
水の電離を理解し,pHを求めることができる。
|
13週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:水の電離と水溶液のpH |
水素イオン濃度および水酸化物イオン濃度が計算でき,pHの計算ができる。
|
14週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:中和反応 |
中和とは何か説明ができる。中和適定の操作および適定曲線が理解できる。
|
15週 |
5. 物質の変化:酸と塩基の反応:中和反応・塩 |
中和の関係式を用いて未知の濃度や体積を求めることができる。塩について理解し,説明できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 2 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 2 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前1,前5 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 2 | 前4 |
水の状態変化が説明できる。 | 2 | 前4 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前4 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前5 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前6 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前6 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前7 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前7 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前8 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前9 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前10 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前10 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前11 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前11 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前12 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 2 | 前12 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前13 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前14 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前15 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前15 |
原子の相対質量が説明できる。 | 2 | 後1 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 2 | 後1 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後7 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 2 | 後1 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 2 | 後4,後5,後7 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後6 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後7 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 後8 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後8,後9 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後8,後9 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後10 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後10 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後11 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後12,後13 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後14,後15 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 2 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 2 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |