線形代数

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 線形代数
科目番号 0019 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合科学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:田代嘉宏・難波完爾著 「新編 高専の数学2」(森北出版) 問題集:田代嘉宏・難波完爾著 「新編 高専の数学2問題集」(森北出版)
担当教員 堀 佳城,市木 一平,後藤 章

到達目標

1.ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できる。
2.平面および空間ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。
3.平面および空間ベクトルの内積を求めることできる。
4.平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができる。
5.行列の和,差,積,実数との積を計算できる。また行列式の値を計算ができる。
6.1次変換を行列表示できる。また合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの性質を有向線分を用いて理解でき,ベクトルの図形への応用ができる。また平面および空間ベクトルの成分表示ができ,複雑な計算ができる。ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できる。また平面および空間ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できない。また平面および空間ベクトルの成分表示ができない。
評価項目2平面および空間ベクトルの内積の計算とその応用が理解できる。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を複雑な条件で求めることができる。 平面および空間ベクトルの内積を求めることできる。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができる。 平面および空間ベクトルの内積を求めることできない。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができない。 
評価項目3行列の和,差,積,実数との積を計算が常時できる。また行列式の定義および性質を利用して,行列式の値を計算ができる。行列の和,差,積,実数との積を計算できる。また行列式の値を計算ができる。行列の和,差,積,実数との積を計算できない。また行列式の値を計算ができない。
評価項目4合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を正確に求めることができる。また1次変換による像,原像を求めることができる。1次変換を行列表示できる。また合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を求めることができる。1次変換を行列表示できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
まず,ベクトルの演算や内積を学ぶ。次に直線や平面のベクトル方程式を理解し,これらの応用を学習する。後学期には行列の基本演算を学び,行列式の定義や基本的な性質を学習する。連立1次方程式の解法としてクラメルの公式を学習する。また,1次変換についても学習する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義と演習(本人またはグループで問題を解く)形式で行う。講義中は集中して聴講し,質問があれば授業中や放課後などを利用して行うこと。また演習中はグループでの議論に積極的に参加すること。
・授業内容をより一層理解するために予習復習することを習慣づけること。
・定期試験同様に平常の小テストでも努力を怠らないこと。
・レポート・課題等の提出物の提出期限を厳守すること。
注意点:
学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル ベクトルの定義が理解できる。
2週 ベクトルの演算 ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できる。
3週 位置ベクトル(1) 位置ベクトルの意味を理解できる。
4週 位置ベクトル(2)  線分の内分点,外分点を求めることができる。
5週 ベクトルの内積(1)  ベクトルの内積を求めることができる。
6週 ベクトルの内積(2)  ベクトルの内積の応用が理解できる。
7週 前学期中間 
8週 ベクトルの成分(1)  平面ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。
2ndQ
9週 ベクトルの成分(2) 平面ベクトルの内積を求めることができる。
10週 直線と円のベクトル方程式(1) 方向ベクトルを用いて,平面上の直線の方程式を求めることができる。
11週 直線と円のベクトル方程式(2) 法線ベクトルを用いて,平面上の直線の方程式を求めることができる。
12週 直線と円のベクトル方程式(3) 平面上の円の方程式を求めることができる。
13週 空間の座標 座標空間を理解し,空間内の2点間の距離を求めることができる。
14週 空間のベクトル(1)  空間ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。
15週 空間のベクトル(2) 空間ベクトルの内積を求めることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ベクトル方程式(1) 空間内の直線の方程式を求めることができる。
2週 ベクトル方程式(2) 空間内の平面の方程式を求めることができる。
3週 球の方程式 空間内の球の方程式を求めることができる。
4週 行列の演算(1) 行列の定義を理解できる。また行列の和,差,実数との積を計算できる。
5週 行列の演算(2) 行列の積を計算できる。
6週 逆行列 2次の逆行列を求めることができる。
7週 連立1次方程式 行列を用いて,連立1次方程式を求めることができる。
8週 後学期中間
4thQ
9週 1次変換’(1) 1次変換を行列表示できる。また1次変換による像を求めることができる。
10週 1次変換(2) 合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を求めることができる。
11週 行列式の定義と性質(1) 行列式の定義を理解でき,基本的な行列式の値を計算できる。
12週 行列式の定義と性質(2) 行列式の性質を利用して,行列式の値を計算できる。
13週 行列式の展開(1) 行列式の展開を利用して,基本的な行列式の値を計算できる。
14週 行列式の展開(2) 行列式の展開を利用して,高次の行列式の値を計算できる。
15週 クラメルの公式 行列式を用いて,連立1次方程式を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1,前2,前3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前8,前14
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前5,前6,前9,前15
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前10,前11
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前14,前15,後1,後2,後3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2後4
行列の和・差・数との積の計算ができる。3後4
行列の積の計算ができる。3後5
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後6,後7
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後11,後12,後13,後14,後15
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2後9
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後10
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後10

評価割合

試験発表相互評価ポートフォリオその他合計
総合評価割合6000040100
基礎的能力6000040 100
専門的能力000000
分野横断的能力000000