線形代数

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 線形代数
科目番号 0019 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合科学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:岡本和夫監修 「新版線形代数」(実教出版) 問題集:岡本和夫監修 「新版線形代数演習」(実教出版)
担当教員 堀 佳城,市木 早紀

到達目標

1.ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できる。
2.平面および空間ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。
3.平面および空間ベクトルの内積を求めることできる。
4.平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができる。
5.行列の和,差,積,実数との積を計算できる。また行列式の値を計算ができる。
6.1次変換を行列表示できる。また合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの性質を有向線分を用いて理解でき,ベクトルの図形への応用ができる。また平面および空間ベクトルの成分表示ができ,複雑な計算ができる。ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できる。また平面および空間ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。ベクトルの性質を有向線分を用いて理解できない。また平面および空間ベクトルの成分表示ができない。
評価項目2平面および空間ベクトルの内積の計算とその応用が理解できる。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を複雑な条件で求めることができる。 平面および空間ベクトルの内積を求めることできる。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができる。 平面および空間ベクトルの内積を求めることできない。また平面および空間内の直線,円,平面,球の方程式を求めることができない。 
評価項目3行列の和,差,積,実数との積を計算が常時できる。また行列式の定義および性質を利用して,行列式の値を計算ができる。行列の和,差,積,実数との積を計算できる。また行列式の値を計算ができる。行列の和,差,積,実数との積を計算できない。また行列式の値を計算ができない。
評価項目4合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を正確に求めることができる。また1次変換による像,原像を求めることができる。1次変換を行列表示できる。また合成変換、逆変換,回転を表す1次変換を求めることができる。1次変換を行列表示できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
まず,ベクトルの演算や内積を学ぶ。次に直線や平面のベクトル方程式を理解し,これらの応用を学習する。後学期には行列の基本演算を学び,行列式の定義や基本的な性質を学習する。連立1次方程式の解法としてクラメルの公式を学習する。また,1次変換についても学習する。
授業の進め方・方法:
・授業は講義と演習(本人またはグループで問題を解く)形式で行う。講義中は集中して聴講し,質問があれば授業中や放課後などを利用して行うこと。また演習中はグループでの議論に積極的に参加すること。
・授業内容をより一層理解するために予習復習することを習慣づけること。
・定期試験同様に平常の小テストでも努力を怠らないこと。
・レポート・課題等の提出物の提出期限を厳守すること。
注意点:
学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面ベクトルの意味と演算 平面ベクトルの意味と演算が理解できる。
2週 平面ベクトルの成分 平面ベクトルの成分表示ができ,基本的な計算ができる。平行条件を利用することができる。
3週 平面ベクトルの内積 平面ベクトルの内積を求めることができる。垂直条件を利用することができる
4週 位置ベクトル 位置ベクトルの意味を理解し、応用することができる。
5週 位置ベクトル 平面図形のベクトル方程式を求めることができる。
6週 前学期中間試験
7週 空間座標と空間ベクトル
空間座標と空間ベクトルを理解し,基本的な演算ができる。
8週 空間ベクトルの成分 空間ベクトルの成分表示ができ、基本的な計算ができる。
2ndQ
9週 空間ベクトルの内積
平面ベクトルの内積を求めることができ、平行・垂直条件を利用することができる。
10週 空間ベクトルの応用
空間の位置ベクトルの意味を理解し、応用することができる。
11週 空間ベクトルの応用 空間内の図形の方程式を求めることができる。
12週 行列
行列の加法・減法・実数倍
行列の定義を理解し,行列の和,差,実数との積を計算できる。
13週 行列の加法・減法・実数倍 行列の定義を理解し,行列の和,差,実数との積を計算できる。
14週 行列の乗法、零因子・累乗
行列の積が計算できる。
15週 逆行列、転置行列
逆行列を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 掃き出し法 掃き出し法によって連立1次方程式を解くことができる。
2週 階数,逆行列の求め方
行列の階数を求めることができる。掃き出し法によって,逆行列を求めることができる。
3週 行列式の定義
行列式の定義を理解できる。
4週 行列式の性質 行列式の性質を理解し,行列式の値を求めることができる。
5週 文字を含む行列式 文字を含む行列式の計算ができる。
6週 行列式の展開 行列式の展開を理解し,展開を利用して行列式の値を求めることができる。
7週 行列の積の行列式 行列の積の行列式の性質を理解し,利用できる。
8週 後学期中間
4thQ
9週 行列式と逆行列 余因子を用いて逆行列を求めることができる。
10週 行列式と連立1次方程式 クラメルの公式を理解し,連立1次方程式を解くことができる。
11週 行列式の図形的意味 行列式の図形的な意味を理解できる。
12週 1次変換の定義 1次変換の定義を理解できる。
13週 回転を表す1次変換 回転を表す1次変換を求めることができる。
14週 合成変換と逆変換 合成変換と逆変換を求めることができる。
15週 1次変換の線形性,1次変換と直線・2字曲線 1次変換の性質を理解し,基本的な図形の像を求めることができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1,前7
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前2,前8
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前3,前9
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前4,前5,前10,前11
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2前12
行列の和・差・数との積の計算ができる。3前12,前13
行列の積の計算ができる。3前14
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前15
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後3,後4,後5,後6,後7
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2後12
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後14
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後13

評価割合

試験発表相互評価ポートフォリオその他合計
総合評価割合6000040100
基礎的能力6000040 100
専門的能力000000
分野横断的能力000000