概要:
機械工学の基礎である4力学の一つに数えられる「熱力学」は,エネルギーという概念のわかりにくさから難しい力学とされる。授業では熱力学の基本概念(温度,熱,圧力及び仕事)や,エネルギーの移動に関連する諸物理量をわかりやすく解説し,熱エネルギーを利用した各種熱機器に適用できる能力を身につけることを目標に,その基礎固めを行う。
授業の進め方・方法:
教科書をベースとした各項目ごとの解説で基本事項を理解してもらい、演習問題により習熟度のチェックと理解の促進を図る。
注意点:
試験の成績を70 %,平素の学習状況(課題・小テスト(熱力学演習)を含む)を30 %の割合で総合的に評価する。試験の成績は定期試験と実力試験で評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 熱力学の基礎[1]:熱エネルギーを利用した機器と熱力学との関わりについての導入的解説。 |
熱やエネルギーと実際の機器との関わりの概要を理解する。
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2週 |
2. 熱力学で取り扱う物理量[2-5]:熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて学ぶ。 |
熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて理解する。
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3週 |
2. 熱力学で取り扱う物理量[2-5]:熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて学ぶ。 |
熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて理解する。
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4週 |
2. 熱力学で取り扱う物理量[2-5]:熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて学ぶ。 |
3 適用熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて理解する。
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5週 |
2. 熱力学で取り扱う物理量[2-5]:熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて学ぶ。 |
熱力学で取り扱う物理量(温度,圧力,熱量と比熱,比容積と密度)の定義や単位などについて理解する。
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6週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,エネルギー保存則の概念を理解する。
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7週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系)を理解する。
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8週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系)を理解する。
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2ndQ |
9週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(開いた系)を理解する。
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10週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(開いた系)を理解する。
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11週 |
3. 熱力学の第一法則[6-11]:熱エネルギーと力学エネルギーの関係を知り,それらの数量関係を学ぶことによって熱力学の第一法則の意味(閉じた系と開いた系)を理解させる。 |
絶対仕事と工業仕事の概念を学び、両者の違いや関係を理解する。
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12週 |
4. 理想気体[12-13]:理想気体と実在気体の違いを説明し,理想気体の性質を理解させる。 |
理想気体と実在気体の違いを知り,理想気体の性質を理解する。
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13週 |
4. 理想気体[12-13]:理想気体と実在気体の違いを説明し,理想気体の性質を理解させる。 |
理想気体の状態方程式と実在気体の状態方程式であるヴァン出るワールスの式を理解し、両式の違いやその背景を理解する。
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14週 |
4. 理想気体[14-17]:理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを学ぶ。 |
理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを理解し、計算できる。
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15週 |
4. 理想気体[14-17]:理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを学ぶ |
理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを理解し、計算できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
4. 理想気体[14-17]:理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを学ぶ |
理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを理解し、計算できる。
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2週 |
4. 理想気体[14-17]:理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを学ぶ |
理想気体の状態変化式,熱量,仕事,内部エネルギー及びエンタルピーの内容や数学的な扱いを理解し、計算できる。
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3週 |
4. 理想気体[18-19]:理想気体の混合について学ぶ。 |
理想気体の混合の概念を理解し、混合気体の物性値や状態量を計算できる。
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4週 |
4. 理想気体[18-19]:理想気体の混合について学ぶ。 |
理想気体の混合の概念を理解し、混合気体の物性値や状態量を計算できる。
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5週 |
4. 理想気体[20]:理想気体における混合気体の性質について学ぶ。 |
混合気体の物性値や状態量の求め方を理解し、計算できる。
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6週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱の流れや状態変化に方向性のあることを示した熱力学の第二法則について、その概要を学ぶ。 |
熱の流れや状態変化に方向性のあることを示した熱力学の第二法則について、その概要を理解する。
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7週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱力学の第二法則に関連して、カルノーサイクルについて学ぶ。 |
カルノーサイクルにおける状態変化を知り、その過程における熱や仕事の授受を理解する。
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8週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱力学の第二法則に関連して、カルノーサイクルについて学ぶ。 |
カルノーサイクルの理論熱効率の求め方を理解し、具体的な数値を代入した効率計算ができる。
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4thQ |
9週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱力学の第二法則に関連して、クラウジウスノ積分について学ぶ。 |
クラウジウスノ積分に関する概要が理解する。
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10週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱力学の第二法則に関連して、エントロピーについて学ぶ。 |
エントロピーの定義や概念を理解する。
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11週 |
5. 熱力学の第二法則[21-26]:熱力学の第二法則に関連して、エントロピーの変化量に関する式の導出について学ぶ。 |
各状態変化におけるエントロピーの変化量の求め方を理解する。各状態変化ごとのエントロピーの変化量を計算できる。
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12週 |
6. サイクルと熱効率[27-30]:熱力学の基本法則を使い,サイクルの効率計算,熱計算を行う。また,逆サイクルとしての冷凍サイクルや成績係数などの考え方も学ぶ。 |
ガスサイクルの理論熱効率の求め方を理解する。
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13週 |
6. サイクルと熱効率[27-30]:熱力学の基本法則を使い,サイクルの効率計算,熱計算を行う。また,逆サイクルとしての冷凍サイクルや成績係数などの考え方も学ぶ。 |
代表的なガスサイクルの理論熱効率を計算できる。
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14週 |
6. サイクルと熱効率[27-30]:熱力学の基本法則を使い,サイクルの効率計算,熱計算を行う。また,逆サイクルとしての冷凍サイクルや成績係数などの考え方も学ぶ。 |
逆サイクルとしての冷凍サイクルや成績係数などの考え方を理解する。
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15週 |
6. サイクルと熱効率[27-30]:熱力学の基本法則を使い,サイクルの効率計算,熱計算を行う。また,逆サイクルとしての冷凍サイクルや成績係数などの考え方も学ぶ。 |
冷凍サイクルの成績係数を計算できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 3 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 3 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 3 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 3 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 3 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 3 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 3 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 3 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 3 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 3 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 3 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 3 | |
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。 | 3 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 3 | |
熱の有効エネルギーを説明できる。 | 3 | |
水の等圧蒸発過程を説明できる。 | 3 | |
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。 | 3 | |
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。 | 3 | |
伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。 | 3 | |
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。 | 3 | |
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。 | 3 | |
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。 | 3 | |
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。 | 3 | |
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。 | 3 | |
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。 | 3 | |
黒体の定義を説明できる。 | 3 | |
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。 | 2 | |
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。 | 2 | |