機械デザインII

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械デザインII
科目番号 1039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:三田純義他「機械設計法」(コロナ社) 参考書:森田 鈞「機構学」(実教出版)
担当教員 赤松 重則

到達目標

1. 各機械要素の機能,役割とその使用法を理解できる。
2. 各種機械要素の基本的設計や適切な選択ができる。
3. 材料学,材料力学,機械工作法を関連させて,機械要素を具体的に使うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実際の設計において,各機械要素の機能,役割とその使用法を適用できる。各機械要素の機能,役割とその使用法を理解できる。各機械要素の機能,役割とその使用法を理解できない。
評価項目2実際の設計において,各種機械要素の基本的設計や適切な選択ができる。各種機械要素の基本的設計や適切な選択ができる。各種機械要素の基本的設計や適切な選択ができない。
評価項目3実際の設計において, 材料学,材料力学,機械工作法を関連させて,機械要素を使った具体的な設計ができる。材料学,材料力学,機械工作法を関連させて,機械要素を具体的に使うことができる。材料学,材料力学,機械工作法を関連させて,機械要素を具体的に使うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械の運動の基礎を学ぶとともに,機械設計の基本である機械要素設計について,それに適する材料やその規格,強度及び剛性並びにその性能などを習得し,これらを通じて機械設計のセンスを養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
単元のポイントとなるところを講義形式で解説しながら,ノートを作成していく。基本的には自ら教科書を読み,公式の成り立ちを理解した後に演習問題に取り組み,具体的な設計問題への適用を演習する。
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,1.各機械要素の機能,役割とその使用法,2.各種機械要素の基本的設計および具体的選択や寸法設計に関する理解の程度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要を説明する.歯車の種類,歯形曲線について学び,演習する。 2軸の相対位置により歯車を分類し,各歯車の特徴を理解する.
2週 インボリュート歯形と標準平歯車について学び,演習する。 インボリュート平歯車の利点とモジュールについて理解する.
3週 速度伝達比と中心距離,かみあい率,歯の干渉と切り下げ,転位平歯車について学び,演習する。 速度伝達比と中心距離,かみあい率の定義と求め方を理解する.歯の干渉と切り下げ現象と転位平歯車の特徴を理解する.
4週 バックラッシ,歯に加わる力,歯の曲げ強さについて学び,演習する。 バックラッシの特徴を理解する.歯に加わる力の考え方を理解し,歯の曲げ強さの求め方を理解する.
5週 歯の歯面強さ強さ,歯車設計の基本について学び,演習する。 歯の歯面強さの求め方を理解する.例題を通して歯車設計の基本を理解する.
6週 はすば歯車,かさ歯車,ウォームギヤ,歯車列について学び,演習する。 はすば歯車,かさ歯車,ウォームギヤの特徴を理解する.歯車列の速度伝達比の求め方を理解する.
7週 減速歯車装置,変則歯車装置,遊星歯車装置について学び,演習する。 減速歯車装置,変則歯車装置の特徴について理解する.遊星歯車装置の速度伝達比の求め方を理解する.
8週 差動歯車装置について学び,演習する。 差動歯車装置の特徴を理解し,速度伝達比の求め方を理解する.
2ndQ
9週 前期中間試験を返却し,解答解説を行う.軸の種類,軸の動力とトルクについて学び,演習する。 軸の種類と中実丸棒軸径のJIS規格について理解する.軸に働く動力とトルクの関係式を理解する.
10週 ねじり,曲げが作用する軸の強さ,軸のこわさ,危険速度について学び,演習する。 荷重条件による軸強度,軸のこわさ,危険速度の求め方を理解する.
11週 固定・たわみ・自在軸継ぎ手,かみあいクラッチについて学び,演習する。 軸継手とかみあいクラッチの強度設計計算を理解する.
12週 摩擦クラッチとキーについて学び,演習する。 摩擦クラッチの種類と構造について理解し,設計計算方法を理解する.キーの種類と強度計算方法を理解する.
13週 ピン,スプライン,セレーションについて学び,演習する。 ピンの強度計算を理解する.スプラインとセレーションの特徴を理解し,伝達トルクの求め方を理解する.
14週 ラジアル軸受,スラスト軸受について学び,演習する。 ラジアル軸受,スラスト軸受の適用方法を理解し,設計計算方法を理解する.
15週 転がり軸受の設計について学び,演習する。 転がり軸受の種類,定格寿命,基本動定格荷重,基本静定格荷重を理解し,設計方法を理解する.
16週
後期
3rdQ
1週 ねじの各部名称とねじの種類と規格について学び,演習する。 ねじの各部名称を知り,ねじの種類と規格について理解する.
2週 ねじ部品,ボルトとナットの使い方について学び,演習する。 用途に応じたねじの選定方法,めねじのした穴,座金の種類,ゆるみ止めについて理解する.
3週 ねじの力学について学び,演習する。 ねじを締め付け力の求め方を理解する.
4週 ボルトとナットによる締結と締め付けトルクについて学び,演習する。 ナットの座面の摩擦を考慮した締め付けトルクの求め方を理解する.
5週 ねじの効率について学び,演習する。 ねじの効率の考え方と求め方を理解する.
6週 ねじの強度区分と引張り強さについて学び,演習する。 強度区分の表記方法を理解する.ねじの引張り強さの考え方を理解する.
7週 ねじの強度計算について学び,演習する。 軸方向に力を受けながらねじられるねじの強さとせん断強さの求め方を理解する.
8週 ねじのかみあい長さについて学び,演習する。 ねじのかみあい長さの求め方を理解する.
4thQ
9週 後期中間試験を返却し,解答解説を行う.モータの種類について学び,演習する。 モータの種類と特徴を理解する.
10週 モータの性能について学び,演習する。 モータの性能曲線の見方を理解し,各種モータの特性を理解する.
11週 機械を動かす力とトルク関係について学び,演習する。 慣性モーメントを考慮したトルク設計を理解する.
12週 機械の効率について学び,演習する。 機械効率の考え方を理解し,モータへの入力と出力の関係を理解する.
13週 機械を駆動するのに必要なトルクについて学び,演習する。 減速装置で負荷を持ち上げる場合の負荷トルクの求め方を理解する.
14週 機械を駆動するのに必要なトルクについて学び,演習する。 減速装置で負荷を持ち上げる場合の加速トルクの求め方を理解する.
15週 ねじによる送りと駆動用モータのトルクについて学び,演習する。

位置決めテーブルを例に,装置および負荷の慣性モーメントを考慮したトルク設計を理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計機械設計の方法を理解できる。2
標準規格の意義を説明できる。2
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。2後1,後2
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。3後3,後4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。3後4,後7
軸の種類と用途を理解し、適用できる。2前9
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。3前10
キーの強度を計算できる。3前12
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。2前11
滑り軸受の構造と種類を説明できる。3前14
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。3前15
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。3前1
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。3前3
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。3前2,前3
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。3前4,前5
歯車列の速度伝達比を計算できる。3前6
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000001070
専門的能力2000001030
分野横断的能力0000000