通信工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 通信工学
科目番号 3549 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山下不二雄・中神隆清「通信工学概論[第3版]」(森北出版) /参考書:守倉 正博 編著「通信方式」(オーム社),植松 友彦「基本を学ぶ 通信工学」(オーム社)
担当教員

到達目標

【到達目標】
1. 通信工学の基本について学び,その原理と応用技術について説明できる。
2. 情報通信の技術のベースとなる多重化技術と高能率符号化技術について理解できる。
3. 通信方式の数学基礎をマスターし,様々な変調方式について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
デジタル通信方式デジタル通信方式の基盤技術の概要を説明できる。デジタル通信方式の基盤技術の概要を理解できる。デジタル通信方式の基盤技術の概要を理解できない。
通信システムアーキテクチャ通信システムについての技術アーキテクチャを説明できる。通信システムについての技術アーキテクチャを理解できる。通信システムについての技術アーキテクチャを理解できない。
通信方式の機能要件通信方式の応用開発の課題について機能要件の基本を説明できる。通信方式の応用開発の課題について機能要件の基本を理解できる。通信方式の応用開発の課題について機能要件の基本を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
JABEE 基準1(2)(d) (1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
フーリエ解析と雑音理論を要約し,アナログ通信方式からデジタル通信方式の基礎理論,フェーディングの統計的取扱い等を論じることで通信工学の基礎的なことを学ぶ。これらにより,「基礎学力を確実なものとし,応用能力を身に付けさせる」ことを目標とする。
この科目は企業で衛星通信・移動体通信の開発に携わっていた教員が,その経験を活かし,デジタル通信方式の基盤技術ならびに設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
基本的な情報理論や通信方式,雑音について例を挙げながら教授する。また,何回に分けて演習レポートを与え,学生の理解度と平常評価の一助とする。
注意点:
試験の成績を60 %,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40 %の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(学習目的,到達目標,学習方法の指導)[1] 「通信システムとは何か」 というGenericな理解を得る目標を理解できる。
2週 信号の表現と伝送[2-4]:アナログとデジタルの扱い方,情報メディアの基本的な考え方について学ぶ。 情報メディアの概念を説明できる。
3週 信号の表現と伝送[2-4]:アナログとデジタルの扱い方,情報メディアの基本的な考え方について学ぶ。 情報メディアの諸量を説明できる。
4週 信号の表現と伝送[2-4]:アナログとデジタルの扱い方,情報メディアの基本的な考え方について学ぶ。 情報メディアの諸量を算出できる。
5週 振幅変調と周波数変調[5-8]:振幅変調DSB,SSB,信号対雑音電力比,時分割多重,周波数分割多重,周波数変調と位相変調,狭帯域FMと広帯域FM,信号対雑音電力比とエンファシスについて学ぶ。 AM,FM,PMの概念を説明できる。
6週 振幅変調と周波数変調[5-8]:振幅変調DSB,SSB,信号対雑音電力比,時分割多重,周波数分割多重,周波数変調と位相変調,狭帯域FMと広帯域FM,信号対雑音電力比とエンファシスについて学ぶ。 FDM,TDMの基本構成を説明できる。
7週 振幅変調と周波数変調[5-8]:振幅変調DSB,SSB,信号対雑音電力比,時分割多重,周波数分割多重,周波数変調と位相変調,狭帯域FMと広帯域FM,信号対雑音電力比とエンファシスについて学ぶ。 FDM,TDMの特徴を説明できる。
8週 振幅変調と周波数変調[5-8]:振幅変調DSB,SSB,信号対雑音電力比,時分割多重,周波数分割多重,周波数変調と位相変調,狭帯域FMと広帯域FM,信号対雑音電力比とエンファシスについて学ぶ。 SN,CN比を説明できる。
2ndQ
9週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 標本化定理の条件を説明できる。
10週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 パルス変調の各特徴を説明できる。
11週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 離散化,量子化,符号化の概念を説明できる。
12週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 ASK,FSK,PSKの概念を説明できる。
13週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 ASK,FSK,PSKの特徴を説明できる。
14週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 QAMの特徴を説明できる。
15週 デジタル変調[9-15]:標本化定理,パルス変調(PWM, PPM, PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 デジタル変調のBERの特徴を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 フィルタ[16]:準最適フィルタと最適フィルタの構成法について学ぶ。 準最適フィルタと最適フィルタの構成法について説明できる。
2週 アクセス制御[17-19]:アクセス系における多重化技術と高能率符号化技術について学ぶ。 アクセス系における多重化技術の概念について説明できる。
3週 アクセス制御[17-19]:アクセス系における多重化技術と高能率符号化技術について学ぶ。 アクセス系におけるFDMA,TDMA,CDMAの特徴について説明できる。
4週 アクセス制御[17-19]:アクセス系における多重化技術と高能率符号化技術について学ぶ。 1次変調の高能率符号化についてまとめることができる。
5週 電波法[20-23]:電波法(総論,無線局の免許,無線設備,無線機器型式検定,技術基準適合証明)について学ぶ。 電波法の基本項目について理解できる。
6週 電波法[20-23]:電波法(総論,無線局の免許,無線設備,無線機器型式検定,技術基準適合証明)について学ぶ。 電波法の基本項目について理解できる。
7週 電波法[20-23]:電波法(総論,無線局の免許,無線設備,無線機器型式検定,技術基準適合証明)について学ぶ。 電波法の基本項目について理解できる。
8週 電波法[20-23]:電波法(総論,無線局の免許,無線設備,無線機器型式検定,技術基準適合証明)について学ぶ。 電波法の基本項目について理解できる。
4thQ
9週 通信路問題 [24-27]:無線通信(モバイルコンピューティング),衛星通信,フェーディング,通信路,統計的性質と符号誤り率,ダイバーシティ受信について学ぶ。 モバイル通信の干渉問題について概念を説明できる。
10週 通信路問題 [24-27]:無線通信(モバイルコンピューティング),衛星通信,フェーディング,通信路,統計的性質と符号誤り率,ダイバーシティ受信について学ぶ。 フェーディングの特性について説明できる。
11週 通信路問題 [24-27]:無線通信(モバイルコンピューティング),衛星通信,フェーディング,通信路,統計的性質と符号誤り率,ダイバーシティ受信について学ぶ。 フェーディング対策技術について説明できる。
12週 通信路問題 [24-27]:無線通信(モバイルコンピューティング),衛星通信,フェーディング,通信路,統計的性質と符号誤り率,ダイバーシティ受信について学ぶ。 モバイル通信技術のCSMAについて説明できる。
13週 通信方式の数学基礎[28-30]:通信方式の基礎となる,フーリエ級数,デルタ関数,線形系の伝達関数,フーリエ変換,相関関数,確率分布・密度関数,多変数の確率密度関数,ランダム変数解析,電力スペクトル密度,ガウス雑音の基礎について学ぶ。 通信方式の数学的な基礎項目について理解できる。
14週 通信方式の数学基礎[28-30]:通信方式の基礎となる,フーリエ級数,デルタ関数,線形系の伝達関数,フーリエ変換,相関関数,確率分布・密度関数,多変数の確率密度関数,ランダム変数解析,電力スペクトル密度,ガウス雑音の基礎について学ぶ。 通信方式の数学的な基礎項目について理解できる。
15週 通信方式の数学基礎[28-30]:通信方式の基礎となる,フーリエ級数,デルタ関数,線形系の伝達関数,フーリエ変換,相関関数,確率分布・密度関数,多変数の確率密度関数,ランダム変数解析,電力スペクトル密度,ガウス雑音の基礎について学ぶ。 通信方式の数学的な基礎項目について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。2
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。2
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価ポートフォリオその他合計
総合評価割合60202000100
基礎的能力3010100050
専門的能力3010100050
分野横断的能力000000