ネットワーク工学演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ネットワーク工学演習
科目番号 3573 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書:「Linuxサーバ構築標準教科書」クリエイティブ・コモンズ・ライセンス下の電子テキスト,「TCP/IPネットワーク管理 第3版」Craig Hunt著,O'Reilly & Associates
担当教員 岡村 修司

到達目標

1.Linuxの基本的な操作ができる。
2.DNS,メール,セキュアなリモートアクセスのための環境を構築でき,利用できる。
3.オペレーティングシステムと各種サービスをサーバに導入でき,可用性,機密性,完全性を確保した運用ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Linuxのユーザ管理の概要を理解し,シェルの基本機能を利用できる。シェルの基本機能を利用できる。シェルの基本機能を利用できない。
評価項目2DNS,メール,セキュアなリモートアクセスの概要を理解し,適切な設定と利用ができる。DNS,メール,セキュアなリモートアクセスを利用できる。DNS,メール,セキュアなリモートアクセスを利用できない。
評価項目3オペレーティングシステムと各種サービスをサーバに導入でき,可用性を確保した運用ができる。オペレーティングシステムと各種サービスをサーバに導入できる。オペレーティングシステムと各種サービスをサーバに導入できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
JABEE 基準1(2)(d) (1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実践的ネットワーク管理を目的として,Linuxを用いたサーバ構築の実習を行い,セキュリティを確保したインターネットサーバとしての機能・サービスを構築する。これにより「応用能力と自己開発能力」を培わせるとともに,社会的要求にも資する能力を身に付けさせることが目標である。
授業の進め方・方法:
基本的に演習形式で行う。スライドを用いて学習内容の説明を行う。学習内容をまとめたプリントを配布ので,これを参考に作業を行う。OSおよび各種サービスをインストールし,基本的な設定を行う。学習した内容の理解を深めるため,レポートを作成する。クライアントOSとして,仮想マシン上にUbuntuをインストールする。サーバOSとして,はCentOS 7をインストールする。各自,インターネットに接続可能なPCを準備すること。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題)を30%とし,総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
LANケーブルの作成
授業の進め方や評価方法を理解する。
Ethernet用LANケーブルの構造を理解し,作成できる。
2週 仮想マシンの概要
Linuxのインストール(1)
仮想マシンの概要を理解し,各自のPCに導入する。
Linuxのインストールの概要を理解する。
3週 Linuxのインストール(2) 仮想マシン上にLinuxをインストールする。
4週 Linuxの基本操作
シェルの基本機能を理解し,利用できる。
5週 Linuxサーバのインストール(1) Raspberry Piの概要を理解し,インストールメディアを作成する。
6週 Linuxサーバのインストール(2) Linuxサーバにリモートログインできる環境を構築する。
7週 Linuxのユーザ管理(1) Linuxのユーザ管理の概要を理解し,ユーザ登録を行う。
8週 Linuxのユーザ管理(2) アクセス権の概要を理解し,関連する命令を利用でる。
2ndQ
9週 SSHのインストール(1) SSHの概要を理解し,サーバおよびクライアントのインストールと設定を行う。
10週 SSHのインストール(2) 公開鍵認証によるログイン環境を実現し,ログインできる。
11週 SSHのインストール(3) SSHが利用できるよう,ファイアーウォールを設定する。
12週 時刻同期 Chronyの概要を理解し,サーバの時刻を正しい時刻に同期できる。
13週 ネットワークのセキュリティ(1) ファイアウォールの概要を理解し,基本的な設定が行え,適切に利用できる。
14週 ネットワークのセキュリティ(2) SELinuxの概要を理解し,基本的な設定が行え,適切に利用できる。
15週 ネットワークのセキュリティ(3) ネットワークの状態を把握するための命令を実行でき,実行結果を評価できる。
16週
後期
3rdQ
1週 ログシステム ログシステムの概要を理解し,基本的な設定が行え,ログを評価できる。
2週 FTP FTPおよび匿名FTPの概要を理解し,サーバのインストールを行い,基本的な設定ができる。
3週 WWWサーバ WWWサーバの概要を理解し,サーバのインストールを行い,基本的な設定ができる。
4週 動的ホームページの作成と運用 WWWサーバを設定し,動的ホームページを作成する。
5週 メールシステム メールシステムの概要を理解する。
6週 メールサーバのインストール メールサーバおよび認証システムについて理解し,インストールすることができる。
7週 メールサーバの運用 (1) メールサーバの運用法について理解し,基本的な設定が行える。
8週 メールサーバの運用(2) メールサーバの運用法について理解し,基本的な設定が行える。
4thQ
9週 DNS DNSの概要を理解する。
10週 DNSの運用(1) DNSサーバの運用法を理解し,基本的な設定が行える。
11週 DNSの運用(2) DNSサーバの運用法を理解し,基本的な設定が行える。
12週 X Window System Linuxの代表的なGUIであるX Window Systemの概要を理解し,基本的な設定が行える。
13週 侵入・攻撃手法と対策(1) 侵入・攻撃手法の概要を理解し,その防御手段について説明できる
14週 侵入・攻撃手法と対策(2) 侵入・攻撃手法の概要を理解し,その防御手段について説明できる。
15週 侵入・攻撃手法と対策(3) 侵入・攻撃手法の概要を理解し,その防御手段について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前3,前4
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前2
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前3,前4
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアコンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3後1,後2,後3,後4
情報数学・情報理論情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。3
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。3後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験平素の学習状況相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力2010000030
専門的能力5020000070
分野横断的能力0000000