電気回路基礎

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電気回路基礎
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:佐藤「電気回路基礎(新インターユニバーシティ)」(オーム社) 参考書:平山・大附「電気回路論」(電気学会)
担当教員 吉田 正伸

到達目標

1.直流回路のオームの法則を理解し,合成抵抗や回路網の任意の点の電圧や電流を計算できる。
2.導体の抵抗率・導電率と抵抗値の関係や抵抗器の種類を説明することができる。
3.直流回路の電力や電力量,正弦波交流の実効値が計算でき,各種電池の原理を説明できる。
4.正弦波交流電源に接続された直列・並列回路の電圧,電流,電力を計算することができる。
5.複素数と記号法を用いて,交流回路の電圧,電流,電力,合成インピーダンスを計算できる。
6.ブリッジ回路の平衡条件を理解し,未知抵抗やインピーダンスを計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な直流回路にオームの法則やキルヒホッフの法則を適用し,回路の解析ができる。簡単な直流回路にオームの法則やキルヒホッフの法則を適用し,回路の解析ができる。簡単な直流回路にオームの法則やキルヒホッフの法則を適用できず,回路の解析ができない。
評価項目2正弦波交流信号を瞬時値表記,フェーザー表記,複素数表記でき,その相互変換が行える。正弦波交流信号を瞬時値表記,フェーザー表記,複素数表記できる。正弦波交流信号を瞬時値表記,フェーザー表記,複素数表記できない。
評価項目3複素数と記号法を用いて,交流回路の電圧,電流,電力,合成インピーダンスを計算でき,その意味を説明できる。複素数と記号法を用いて,交流回路の電圧,電流,電力,合成インピーダンスを計算できる。複素数と記号法を用いて,交流回路の電圧,電流,電力,合成インピーダンスを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直流回路に関するオームの法則,直列接続・並列接続の合成抵抗の求め方,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,テブナンの定理,電力を理解し問題を解く能力を身につける。また,正弦波交流の性質を学習し,複素数および記号法による基本的な交流回路の計算ができる力を身につける。
授業の進め方・方法:
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路の基礎知識 電圧・電流・抵抗からなる電気回路を回路記号で表現でき,単位を適切に扱える。
2週 オームの法則 オームの法則を使って,電圧・電流・抵抗を求めることができる。
3週 抵抗の直列接続と合成抵抗 直列接続の意味が分かり,その合成抵抗とそれぞれの電圧降下を計算できる。
4週 抵抗の並列接続と合成抵抗 並列接続の意味が分かり,その合成抵抗とそれぞれの分路電流を計算できる。
5週 ブリッジ回路 ブリッジ回路の平衡条件について説明でき,平衡条件を使って未知抵抗を求めることができる。
6週 電気抵抗と抵抗の温度による変化 抵抗率,導電率によって抵抗値を求めることができ,温度による抵抗値の変化を計算できる。
7週 前期中間試験
8週 キルヒホッフの法則(1) キルヒホッフの電圧則と電流則を説明できる。
2ndQ
9週 キルヒホッフの法則(2) キルヒホッフの法則を使って回路の計算ができる。
10週 重ね合わせの理(1) 重ね合わせの理を説明できる。
11週 重ね合わせの理(2) 重ね合わせの理を使って回路の計算ができる。
12週 テブナンの定理(1) テブナンの定理を説明できる。
13週 テブナンの定理(2) テブナンの定理を使って回路の計算ができる。
14週 電流の発熱作用と電力 ジュールの法則,電気エネルギーと電力,電力量の説明ができ,直流回路に対する計算ができる。
15週 前期末試験
16週
後期
3rdQ
1週 正弦波交流の性質(1) 正弦波交流の諸量を説明でき,それらを波形から読み取ることができる。
2週 正弦波交流の性質(2) 平均値・実効値,角周波数の意味を説明でき,それらを計算できる。
3週 正弦波交流のベクトル表記(1) 瞬時値表記された正弦波交流をベクトル表記および極形式で表すことができる。
4週 正弦波交流のベクトル表記(2) 瞬時値表記された正弦波交流をベクトル表記および極形式で表すことができる。
5週 交流回路素子(1) 交流回路に対する抵抗・コイル・コンデンサの振る舞いを説明できる。
6週 交流回路素子(2) 交流回路に対する抵抗・コイル・コンデンサの電圧・電流の関係を計算できる。
7週 後期中間試験
8週 記号法による交流回路の計算(1) 極形式された正弦波交流を複素数で表すことができ,複素平面に描ける。
4thQ
9週 記号法による交流回路の計算(2) 複素数で表された正弦波交流を極形式,瞬時値で表記することができ,それらの演算ができる。
10週 交流回路におけるオームの法則と複素インピーダンス 交流回路素子に対する複素インピーダンスを説明できる。
11週 交流回路におけるキルヒホッフの法則 交流回路におけるキルヒホッフの法則を説明できる。
12週 合成インピーダンス(1) 交流回路の合成インピーダンスを求めることができる。
13週 合成インピーダンス(2) 交流回路の合成インピーダンスを求めることができる。
14週 交流回路の電力 交流回路の電力を求めることができ,力率の意味を説明できる。
15週 学年末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前2,前6
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前8,前9
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前3,前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前5
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後3,後4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後5,後6
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3後8
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3後9
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3後9,後10
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2後10
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2後12,後13
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。2前10,前11,前12,前13,後12,後13
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2前14,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力5000002070
専門的能力2000001030
分野横断的能力0000000