電磁気学基礎

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 電磁気学基礎
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高橋寛・加藤修司 他「電気基礎(上)」(コロナ社) 参考書:配布するプリント類
担当教員 芝 治也

到達目標

1.点磁極による磁界の強さの計算ができる。2.磁界の強さ,磁束密度の関係が説明できる。3.コイルのインダクタンスの計算ができる。4.点電荷による電界の強さ,電位の計算ができる。5.電界の強さ,電束密度の関係が説明できる。6.平行平板コンデンサの静電容量が計算できる。7.ビオサバールの法則を用いた磁界の計算が出来る。8.アンペアの法則を用いた磁界の計算が出来る。9.磁気回路の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
磁気系の法則や現象理解磁気現象の基本法則を活用して現象説明ができる磁気現象の用語や基本法則が理解できている磁気現象の用語や基本法則が理解できていない
電界系の法則や現象理解電界系現象の基本法則を活用して現象説明ができる電界系現象の用語や基本法則が理解できている電界系現象の用語や基本法則が理解できていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
磁界と電界に関する基本的な考え方と知識を習得する。電気工学の基礎科目の一つである電磁気学の最初の授業であり,電磁気学の重要法則を学び,空間現象の取り扱いの基礎になる考え方と計算手法を習得することを目標としている。
授業の進め方・方法:
新単元開始時に事前予習内容を確認する小テストを適宜実施する。単元終了時には知識確認のための小テストを実施する。
注意点:
試験の成績70%,平素の学習状況(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 磁力線,クーロンの法則[1-5]:磁石の性質・磁力線ついて学び,磁界強度の計算方法を習得する。 磁気誘導現象,磁極,磁力線,磁界の概念について理解する。
2週 1. 磁力線,クーロンの法則[1-5]:磁石の性質・磁力線ついて学び,磁界強度の計算方法を習得する。 磁気に関するクーロンの法則を理解し,磁極間に働く力を計算できる。
3週 1. 磁力線,クーロンの法則[1-5]:磁石の性質・磁力線ついて学び,磁界強度の計算方法を習得する。 磁極が作る磁界の強度計算ができる。
4週 1. 磁力線,クーロンの法則[1-5]:磁石の性質・磁力線ついて学び,磁界強度の計算方法を習得する。 磁界の中に置かれた磁極が受ける力の大きさを計算できる。
5週 1. 磁力線,クーロンの法則[1-5]:磁石の性質・磁力線ついて学び,磁界強度の計算方法を習得する。 磁気に関するクーロンの法則を活用する様々なパターンの計算問題が解ける。
6週 2. 磁束密度[6-7]:磁束と磁束密度の関係,磁束の発生について解説する。 磁力線の性質と磁束密度の性質を理解する。
7週 2. 磁束密度[6-7]:磁束と磁束密度の関係,磁束の発生について解説する。 磁力線の密度に基づいた磁界強度の定義を理解する。
8週 3. 電磁誘導とインダクタンス[8-9]:様々な電磁誘導とインダクタンスについて学ぶ。 電磁誘導現象の概念と用語を理解する。コイルに誘導される誘導起電力の大きさを計算できる。
2ndQ
9週 3. 電磁誘導とインダクタンス[8-9]:様々な電磁誘導とインダクタンスについて学ぶ。 コイルに流れる電流と誘導起電力の関係を理解し,コイルのインダクタンスが計算できる,
10週 4. 静電気と電気力線,クーロンの法則[10-13]:電気力線,電束,電荷に働く力について学ぶ。 静電気や電界系の現象を,磁界系の現象と関連付けて理解する。静電気に関するクーロンの法則を理解する。
11週 4. 静電気と電気力線,クーロンの法則[10-13]:電気力線,電束,電荷に働く力について学ぶ。 電荷間に働く力や電界の中に置かれた電荷に働く力を計算できる。
12週 4. 静電気と電気力線,クーロンの法則[10-13]:電気力線,電束,電荷に働く力について学ぶ。 電気力線と電束,電束密度について理解する。
13週 4. 静電気と電気力線,クーロンの法則[10-13]:電気力線,電束,電荷に働く力について学ぶ。 電界系の種々の現象を計算できる。
14週 コンデンサの静電容量[14-15]:平行平板コンデンサの静電容量の計算を習得する。 平行平板コンデンサーの構造と,コンデンサーの静電容量を理解する。物質の誘電率について理解する。
15週 コンデンサの静電容量[14-15]:平行平板コンデンサの静電容量の計算を習得する。 平行平板コンデンサーの静電容量が計算できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 コンデンサの接続[16-18]:静電容量の合成,静電エネルギーの変化について学ぶ。 コンデンサーに貯えられる静電エネルギーを計算できる。
2週 コンデンサの接続[16-18]:静電容量の合成,静電エネルギーの変化について学ぶ。 複数のコンデンサーの直並列接続による合成静電容量が計算できる。
3週 コンデンサの接続[16-18]:静電容量の合成,静電エネルギーの変化について学ぶ。 複雑な構造のコンデンサーを,複数のコンデンサーに分割・合成することで静電容量が計算できる。
4週 電界の強さと電位[19-22]:電界の強さの計算と電位の概念について解説する。 電界の定義を理解し,電荷が作る電界の強さを計算できる。
5週 電界の強さと電位[19-22]:電界の強さの計算と電位の概念について解説する。 電界の中に置かれた電荷が受ける力を計算できる。
6週 電界の強さと電位[19-22]:電界の強さの計算と電位の概念について解説する。 電位の概念を理解する。
7週 電界の強さと電位[19-22]:電界の強さの計算と電位の概念について解説する。 様々な条件で電界,電位が計算できる。
8週 磁界に関する法則[23-27]:ビオ・サバールの法則,アンペアの周回路の法則について学ぶ。 ビオ・サバールの法則について学ぶ。
4thQ
9週 磁界に関する法則[23-27]:ビオ・サバールの法則,アンペアの周回路の法則について学ぶ。 ビオ・サバールの法則を使って真円状導線を流れる電流が作る磁界強度式を導出できる。
10週 磁界に関する法則[23-27]:ビオ・サバールの法則,アンペアの周回路の法則について学ぶ。 アンペアの周回路の法則について学ぶ。
11週 磁界に関する法則[23-27]:ビオ・サバールの法則,アンペアの周回路の法則について学ぶ。 アンペアの周回路の法則を使って,中空コイル内の磁界強度式を導出できる。
12週 磁界に関する法則[23-27]:ビオ・サバールの法則,アンペアの周回路の法則について学ぶ。 アンペアの周回路の法則を使って,直線上導体が作る磁界式を導出できる。
13週 磁性体と磁気回路[28-30]:磁気回路の解法について学ぶ。 磁化曲線と比透磁率の関連と履歴曲線について理解する。
14週 磁性体と磁気回路[28-30]:磁気回路の解法について学ぶ。 環状鉄心と環状コイルについて磁気回路の諸量の定義と磁束,起磁力,磁気抵抗の関係を理解する。
15週 磁性体と磁気回路[28-30]:磁気回路の解法について学ぶ。 磁束,起磁力,磁気抵抗を導出する様々な問題を解くことができる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2
静電エネルギーを説明できる。2
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。2
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。1
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。1
磁気エネルギーを説明できる。1
電力その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。2

評価割合

試験課題と小テスト合計
総合評価割合7525100
基礎的能力7525100
専門的能力000
分野横断的能力000