電子回路I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電子回路I
科目番号 1000 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:根岸照雄,中根央,高田英一「電子回路基礎」(コロナ社) 参考書:配布するプリント類
担当教員 谷本 壮

到達目標

【到達目標】
1. 半導体素子の働きを理解し,説明できる。
2. トランジスタなどの能動素子の扱い方を理解し,動作量を求めることができる。
3. 種々の電子回路の基本構成と動作原理を説明し,素子の値などを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
半導体素子の働きを理解する。半導体素子の働きを理解し,説明できる。半導体素子の働きを説明できる。半導体素子の働きを説明できない。
能動素子の取り扱いを理解し動作量を求める。トランジスタなどの能動素子の扱い方を理解し,動作量を求めることができる。トランジスタなどの能動素子の動作量を求めることができる。トランジスタなどの能動素子の動作量を求めることができない。
基本的な電子回路の動作を知り,素子値を求めることができる。種々の電子回路の基本構成と動作原理を説明し,素子の値などを計算できる。種々の電子回路の素子の値などを計算できる。種々の電子回路の素子の値などを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 集積回路や種々の電子応用装置において電子回路は基本技術として重要である。ここでは,電子回路の主要な構成要素であるダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスの基礎知識,およびトランジスタを用いた増幅回路と発振回路について学習する。これらの学習を通して,様々な電子回路の設計に取り組むことの出来る基礎能力を養うことを目標としている。
授業の進め方・方法:
【成績評価の方法・基準】
 試験の成績70%,平素の学習状況(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 導体,半導体,絶縁体についてエネルギーバンド図を用いて説明できる。
2週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 真性半導体,不純物半導体についてエネルギーバンド図を用いて説明できる。
3週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 ダイオードの構造について説明できる。
4週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 ダイオードの特性について説明できる。
5週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 トランジスタの構造について説明できる。
6週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 トランジスタの特性について説明できる。
7週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときの等価回路の考え方について説明できる。
8週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときの等価回路を用い基本的な回路における計算ができる。
2ndQ
9週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 半導体素子を動作させるためのバイアス方法について説明できる。
10週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 半導体素子を動作させるためのバイアス値を計算できる。
11週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 安定指数について説明ができ,安定指数を求めることができる。
12週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタなどの静特性から動作量の求め方を説明でき,導出することができる。
13週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタやFETを用いた基本増幅回路を等価回路に置き換えることができ,動作量を求めることができる。
14週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタやFETを用いた基本増幅回路を等価回路に置き換えることができ,動作量を求めることができる。
15週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 低周波増幅回路の動作原理について説明でき,動作特性を求めることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 周波数選択増幅回路の動作原理について説明できる。
2週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 周波数選択増幅回路の動作特性を求めることができる。
3週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 直接結合増幅回路の動作原理について説明できる。
4週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 直接結合増幅回路の動作特性を求めることができる。
5週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 電力増幅回路の動作原理について説明できる。
6週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 電力増幅回路の動作特性を求めることができる。
7週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 負帰還増幅回路の動作原理について説明できる。
8週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路,電力増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 負帰還増幅回路の動作特性を求めることができる。
4thQ
9週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 差動増幅回路について説明できる。
10週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 差動増幅回路を用いた応用回路について計算できる。
11週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 差動増幅回路を用いた応用回路について計算できる。
12週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 演算増幅器について説明できる。
13週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 演算増幅器を用いた応用回路について計算できる。
14週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 発振回路について説明できる。
15週 発振回路:差動増幅回路と演算増幅器について,動作原理,特徴,応用回路について学ぶ。 発振回路を用いた応用回路について計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2前9,前10,前12
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2前9,前10,前12
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。2前7,前8
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2前8,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2前8,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。2前8,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。2前7,前8
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2前3,前4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11
FETの特徴と等価回路を説明できる。2前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後12,後13,後14,後15
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2前9,前10
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2前1,前2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2前1,前2
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前3,前4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前5,前6
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2前5,前6

評価割合

試験その他合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力402060
分野横断的能力000