機械工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械工学
科目番号 1041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリントを配布する。 参考書:宮本武明・山本恭二「初めて学ぶ機械工学」(日刊工業新聞社), 「エネルギー管理士実戦問題 熱分野+必須基礎科目」(オーム社)他
担当教員 竹島 敬志

到達目標

1.各種エネルギーから電気エネルギーへの変換法を説明できる。
2.静止状態の流体の力の釣合いと圧力の測定法を説明できる。
3.連続の式及びベルヌーイの式,運動量の法則を用いて簡単な流体機械の性能を計算できる。
4.使用目的に応じて材料を選定でき,材料の強度について計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1各種エネルギーから電気エネルギーへの変換法を効率等を考慮して説明できる。各種エネルギーから電気エネルギーへの変換法を説明できる。各種エネルギーから電気エネルギーへの変換法を説明できない。
到達目標2静止状態の流体の力の釣合いと圧力の測定法をわかりやすく説明できる。静止状態の流体の力の釣合いと圧力の測定法を説明できる。静止状態の流体の力の釣合いと圧力の測定法を説明できない。
到達目標3連続の式及びベルヌーイの式,運動量の法則を用いて各種流体機械の性能を計算できる。連続の式及びベルヌーイの式,運動量の法則を用いて簡単な流体機械の性能を計算できる。連続の式及びベルヌーイの式,運動量の法則を用いて簡単な流体機械の性能を計算できない。
到達目標4使用目的に応じて最適な材料を選定でき,材料の強度について正確に計算できる。使用目的に応じて材料を選定でき,材料の強度について計算できる。使用目的に応じて材料を選定でき,材料の強度について計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学はものづくりに関する幅広い学問である。電子制御技術の急速な進歩の中にあって,機械技術の重要性はますます高まりつつあります。この授業では,①エネルギー変換技術,②流体の機械,③流体が物体に及ぼす力,⑤機械部品の設計法など,電気工学を専攻する学生に必要な機械工学を学習します。
授業の進め方・方法:
講義による授業を行う。プリントの演習問題は課題として提出させ,定着度の確認を行う。
注意点:
試験の成績を80 %,平素の学習状況等(課題等)を20 %の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。
技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論:機械工学について,自動車を例に挙げて学ぶ。また,エネルギーおよびエネルギー変換について学ぶ。 エネルギー変換について説明できる。
2週 流体の物理的性質:流体の密度,粘度について学ぶ。 ニュートンの粘性法則が説明できる。
3週 流体の物理的性質:流体の圧縮性について学ぶ。演習問題 圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる。
4週 静止流体の力学:静止流体中の圧力(定義,等方性等)について学ぶ。 パスカルの原理を説明できる。
5週 静止流体の力学:静水圧の基礎方程式について学ぶ。 重力場における静止流体中の圧力分布を説明できる。
6週 静止流体の力学:マノメータと浮力について学ぶ。 演習問題 簡単なマノメーターを用いて圧力を測定でき,物体に作用する浮力を計算できる。
7週 運動している流体の力学:連続の式およびベルヌーイの式について学ぶ。 連続の式およびベルヌーイの式が説明できる。
8週 運動している流体の力学:連続の式およびベルヌーイの式の応用について学ぶ。 流速と流量の測定原理を説明できる
2ndQ
9週 運動している流体の力学:流体に適用する運動量理論について学ぶ。 流体に適用した運動量を説明できる。
10週 運動している流体の力学:流体に適用する角運動量理論について学ぶ。演習問題 流体に適用した角運動量を説明できる。
11週 流体機械への応用:配管の基礎を学ぶ。 ダルシー・ワイズバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。
12週 流体機械への応用:ポンプの基礎を学ぶ。 ポンプの種類を説明できる。
13週 流体機械への応用:ポンプの基礎を学ぶ。 ポンプの基本設計ができる。
14週 流体機械への応用:水車の基礎を学ぶ。 水車の種類を説明できる。
15週 流体機械への応用:水車の基礎を学ぶ。演習問題 水車の基本設計ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 機械の材料:材料の機械的性質について学ぶ。 機械材料に求められる性質を説明できる。
2週 機械の材料:材料試験の方法について学ぶ。 材料試験の方法について説明できる。
3週 応力とひずみ:応力とひずみの概念について学ぶ。 応力とひずみを説明できる。
4週 応力とひずみ:フックの法則,ポアソン比等について学ぶ。 応力ひずみ線図を説明できる。
5週 応力とひずみ:各種棒の応力とひずみを計算し,熱応力について学ぶ。演習問題 棒の自重によって生じる応力とひずみおよび熱応力を計算できる。
6週 ねじり:せん断応力とせん断ひずみ,組み合わせ応力について学ぶ。 主応力と最大せん断応力を説明できる。
7週 ねじり:丸棒のねじり,ねじりのせん断応力とねじり角について学ぶ。 ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。
8週 ねじり:動力軸の設計法について学ぶ。演習問題 動力軸の設計ができる。
4thQ
9週 せん断力と曲げモーメント:はりの各支持方法と反力の計算法について学ぶ。 はりの定義と種類,はりに加わる荷重の種類を説明できる。
10週 せん断力と曲げモーメント:集中荷重が作用するはりのせん断力,曲げモーメントの計算法を学ぶ。 はりに作用する力のつり合い,せん断力および曲げモーメントを計算できる。
11週 せん断力と曲げモーメント:分布荷重が作用するはりのせん断力,曲げモーメントの計算法を学ぶ。 はりに作用する力のつり合い,せん断力および曲げモーメントを計算できる。
12週 せん断力と曲げモーメント:集中荷重と分布荷重が作用するはりのせん断力,曲げモーメントの計算法(重ね合わせ)を学ぶ。演習問題 各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
13週 はりの応力と変形:はりの曲げ応力について学ぶ。 曲げモーメントによって生ずる曲げ応力を計算できる。
14週 はりの応力と変形:はりの蓄えられるひずみエネルギーについて学ぶ。 ひずみエネルギーを説明できる。
15週 はりの応力と変形:カスティリアーノの定理を用いて,はりのたわみの計算法について学ぶ。演習問題 はりのたわみを計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ平素の学習状況合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000