応用物理C

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理C
科目番号 4406 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書: 長岡洋介「物理の基礎」(東京教学社)
担当教員 横山 有太

到達目標

1.質点の運動を微分方程式で表し,基本的な運動について解ける。
2.剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。
3.力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。
4.静的な電界,電位の性質を理解して基本的な静電界、電位について計算できる。
5.電流の法則を理解し,基本的な直流回路について計算できる。
6.電流の磁気作用について理解し,基本的な電流が作る磁界を計算できる。
7.電磁誘導の法則について理解し,基本的な交流回路について計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質点の運動を微分方程式で表し,複雑な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,基本的な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,基本的な運動について解けない。
評価項目2剛体の複雑な回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てることができない。
評価項目3力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の複雑な運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算することができない。
評価項目4静的な電界,電位の性質を理解して、複雑な静電界、電位の計算ができる。静的な電界,電位の性質を理解して基本的な静電界、電位について計算できる。静電場の電場,電位の性質を理解して基本的な静電界、電位について計算することができない。
評価項目5電流の法則を理解し、複雑な直流回路について計算できる。電流の法則を理解し、基本的な直流回路について計算できる。電流の法則を理解し、基本的な直流回路について計算することができない。
評価項目6電流の磁気作用について理解し、複雑な電流が作る磁界を計算できる。電流の磁気作用について理解し、基本的な電流が作る磁界を計算できる。電流の磁気作用について理解し、基本的な電流が作る磁界を計算することができない。
評価項目7電磁誘導について理解し、複雑な交流回路について計算できる。電磁誘導について理解し、基本的な交流回路について計算できる。電磁誘導について理解し、基本的な交流回路について計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学共通の専門基礎として,力学および電磁気学に関する授業を半期ずつ実施する。力学ではベクトルと微分方程式およびエネルギーの知識を応用して,質点および質点系の多様な運動や剛体の回転運動について学習する。電磁気学では静電界の基本法則および電流と磁界に関する基本法則を学習する。
授業の進め方・方法:
教科書やプリント,スライドを使用して基本事項を解説し,例題を通じて考え方を確認する。問題演習による確認は応用物理演習において行う。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績70%,平素の学習状況等(レポートや小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。前期末の評価は前期中間試験と前期末試験の総合評価,後期中間の評価は前期中間,前期末,後期中間の総合評価,学年末の評価は前期中間,前期末,後期中間,後期末の総合評価後学期の総合評価とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として,次回授業部分(事前に説明)の教科書を読んだうえで授業に臨むこと。事後学習として,授業内で提示した例題・演習問題を解き,知識の定着を図ること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位科目のため,通年で90時間(半期45時間)の自主学習時間が必要となる。半期ごとに学習状況の確認を行う。
・全30回の授業に対し,0.5時間の事前学習と1.5時間の事後学習,計60時間(半期30時間)
・各試験に対して試験勉強のための課題学習4時間,計16時間(半期8時間)
・長期休業(夏季休暇,冬期休暇)中に課題として7時間,計14時間(半期7時間)
【履修上の注意】
本科目を履修するにあたっては,3年生までに履修した物理,数学,電磁気学の学習内容を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学:力と力のつり合いについて学ぶ。 力のベクトル的性質を理解し、力のつり合いの式を立てることができる。
2週 力学:速度、加速度の意味と計算方法について学ぶ。 座標を時間で微分して速度や加速度を求めることができる。
3週 力学:運動の法則について学ぶ。 運動の法則を理解し、いろいろな力を受けて運動する物体の運動方程式を立てることができる。
4週 力学:さまざまな力を受けて運動する物体の運動方程式の解き方を学ぶ。 さまざまな力を受けて運動する物体の運動方程式を解くことができる。
5週 力学:単振動の運動方程式について学ぶ。 単振動の運動方程式を立てて解くことができる。
6週 力学:速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動について学ぶ。 速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動方程式を立てて解くことができる。
7週 力学:仕事と運動エネルギーについて学ぶ。 仕事と運動エネルギーに関する計算ができる。
8週 力学:力学的エネルギー保存則について学ぶ。 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
2ndQ
9週 力学:位置エネルギーと保存力の関係について学ぶ。 位置エネルギーと保存力の関係を理解し、位置エネルギーから保存力を計算することができる。
10週 力学:運動量と運動量保存則について学ぶ。 運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
11週 力学:角運動量について学ぶ。 角運動量を計算し、角運動量保存則を用いて様々な物理量の計算に利用できる。
12週 力学:慣性系と慣性の力について学ぶ。 慣性系の意味を理解し、慣性力を用いて物体の運動を記述できる。
13週 力学:回転系の運動について学ぶ。 回転系の運動方程式を立てて解くことができる。
14週 力学:剛体の慣性モーメントとつりあいについて学ぶ。 簡単な形状の剛体の慣性モーメントを計算でき、剛体のつり合いの式をたてることができる。
15週 力学:剛体の回転運動について学ぶ。 剛体の簡単な回転運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 電磁気学:クーロンの法則について学ぶ。 クーロンの法則を理解し、点電荷に働く静電気力を計算することができる。
2週 電磁気学:真空中の静電界、点電荷が作る電界について学ぶ。 電界の意味を理解し、点電荷が作る電界を計算することができる。
3週 電磁気学:連続的に分布する電荷が作る電界について学ぶ。 連続的に分布する電荷が作る電界を計算することができる。
4週 電磁気学:ガウスの法則について理解し、電界の計算方法について学ぶ。 ガウスの法則を理解し、ガウスの法則用いて一様な電荷分布による電界を計算することができる。
5週 電磁気学:電位について理解し、電位の計算方法について学ぶ。 電位の定義を理解し、点電荷が作る電位を計算することができる。
6週 電磁気学:導体の電気的性質と電気容量について学ぶ。 導体の電気的性質と電気容量を理解し、説明することができる。
7週 電磁気学:コンデンサーについて学ぶ。 様々な形状のコンデンサーの電気容量やエネルギーを計算することができる。
8週 電磁気学:誘電体の電気的性質について学ぶ。 誘電体の電気的性質について説明できる。
4thQ
9週 電磁気学:静的な磁気について学ぶ。 静的な磁気について理解し、磁界を計算することができる。
10週 電磁気学:オームの法則と電気抵抗について学ぶ。 オームの法則を理解し、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
11週 電磁気学:ビオ-サバールの法則について学ぶ。 ビオ-サバールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
12週 電磁気学:アンペールの法則について学ぶ。 アンペールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
13週 電磁気学:磁界中の電流に働く力とローレンツ力について学ぶ。 磁界中の電流に働く力とローレンツ力について計算できる。
14週 電磁気学:ファラデーの電磁誘導の法則について学ぶ。 ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、コイルの誘導起電力を計算できる。
15週 電磁気学:コイルのインダクタンスについて学ぶ。 簡単なコイルのインダクタンスを計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前1
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前1
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3前3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前3
運動方程式を用いた計算ができる。3前4,前5
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前4,前5,前6
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前1
最大摩擦力に関する計算ができる。3前1
動摩擦力に関する計算ができる。3前4
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前7
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前7
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前8
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前8
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前8,前9
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前10
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前10
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前10
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前5
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力のモーメントを求めることができる。3前14
角運動量を求めることができる。3前11
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前11
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前14
重心に関する計算ができる。3前14
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前14
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前13,前15
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後6
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後10
ジュール熱や電力を求めることができる。3後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000