数学概論A

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数学概論A
科目番号 4408 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:岡本和夫他「新版 線形代数」(実教出版), 岡本和夫他「新版 微分積分Ⅱ」(実教出版)
担当教員

到達目標

1.行列の階数・逆行列・行列式の値を求めることができる.また,行列の正則性の定義,および行列式や階数との関係を説明できる
2.連立一次方程式を解くことができる.また,連立一次方程式の解と係数行列・拡大係数行列の階数との関係を説明できる
3.行列の固有値・固有ベクトルの定義と意味を理解し,それらを求めることができる
4.行列の対角化の方法と意味を理解し,対称行列を直交行列で対角化することができる
5.多変数関数のテイラー展開の意味を理解し,それを求めることができる
6.陰関数の極値問題や条件付き極値問題の解法を理解し,それらの極値を求めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1行列の階数や正則性の意味を理解し,それを理工学の問題に応用できる行列の階数・逆行列・行列式の値を求めることができる.かつ,行列の正則性の定義,および行列式や階数との関係を説明できる行列の階数・逆行列・行列式の値を求めることができない.または,行列の正則性の定義,および行列式や階数との関係を説明できない
評価項目2連立一次方程式の解と係数行列・拡大係数行列の階数との関係を理解し,それを理工学の問題に応用できる連立一次方程式を解くことができる.かつ,連立一次方程式の解と係数行列・拡大係数行列の階数との関係を説明できる連立一次方程式を解くことができない.または,連立一次方程式の解と係数行列・拡大係数行列の階数との関係を説明できない
評価項目3行列の固有値と固有ベクトルの意味を理解し,それを理工学の問題に応用できる行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる.かつ,固有値と固有ベクトルの定義を説明できる行列の固有値と固有ベクトルを求めることができない.または,固有値と固有ベクトルの定義を説明できない
評価項目4行列の対角化の意味を理解し,それを理工学の問題に応用できる対称行列を直交行列で対角化することができる対称行列を直交行列で対角化することができない
評価項目5多変数関数のテイラー展開の意味を理解し,それを理工学の問題に応用できる多変数関数のテイラー展開を求めることができる多変数関数のテイラー展開を求めることができない
評価項目6陰関数の極値問題や条件付き極値問題の解法を理解し,それを理工学の問題に応用できる陰関数の極値問題および条件付き極値問題を解くことができる陰関数の極値問題または条件付き極値問題を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
理工学において非常に重要な数学の一つである線形代数について,その基本的な考え方を理解する.
また,理工学で広く用いられるテイラー展開と,最適化問題としての極値問題について,その基本的な考え方を理解する.
これらを学び,理工学に関する問題を解くことができる力を養う.
授業の進め方・方法:
原則として講義形式で行う.適宜,レポート課題を課す.
注意点:
試験の成績を70%の割合で,また平素の学習状況としてレポート課題の提出状況や内容を30%の割合で総合的に評価する.
学年の評価は後学期中間,学年末の2つの期間の評価の平均とする.
技術者が身につけるべき専門基礎能力として,到達目標に対する達成度を試験等によって評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 行列と行列式[1]:
行列の階数・逆行列・行列式
行列の階数・逆行列・行列式の値を求めることができる
2週 行列と行列式[2]:
行列の正則性とその条件
行列の正則性の定義,および行列式や階数との関係を理解し,説明できる
3週 連立一次方程式[1]:
連立一次方程式の解法
任意の連立一次方程式を解くことができる
4週 連立一次方程式[2]:
係数行列・拡大係数行列の階数と方程式の解
連立一次方程式の解と係数行列・拡大係数行列の階数との関係を理解し,説明できる
5週 ベクトル空間と線形写像[1]:
部分空間の基底・次元・座標
部分空間の基底・次元・座標の意味を理解し,基底と次元を求めることができる
6週 ベクトル空間と線形写像[2]:
線形写像とその像・核
線形写像の意味を理解し,その像と核を求めることができる
7週 固有値と固有ベクトル[1]:
固有値と固有ベクトルの意味
固有値と固有ベクトルの定義とその意味を理解し,説明できる
8週 固有値と固有ベクトル[2]:
固有値と固有ベクトルの求め方
固有値と固有ベクトルを求めることができる
4thQ
9週 行列の対角化[1]:
行列を対角化する方法
行列を対角化する方法とその意味を理解し,説明できる
10週 行列の対角化[2]:
直交行列による対称行列の対角化
対称行列を直交行列によって対角化することができる
11週 行列の対角化の応用[1]:
連立漸化式・連立微分方程式への応用
行列の対角化を用いて,連立漸化式や連立微分方程式を解くことができる
12週 行列の対角化の応用[2]:
二次形式の標準化
行列の対角化を用いて,二次形式を標準化することができる
13週 多変数関数の全微分とテイラー展開[1]:
全微分とチェーンルール
全微分とチェーンルールの意味を理解し,説明できる
14週 多変数関数の全微分とテイラー展開[2]:
多変数関数のテイラー展開
多変数関数のテイラー展開の意味を理解し,それを求めることができる
15週 様々な極値問題[1]:
陰関数の極値問題
陰関数の極値問題の解法を理解し,問題を解くことができる
16週 様々な極値問題[2]:
条件付き極値問題
条件付き極値問題の解法を理解し,問題を解くことができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4後5,後6,後12
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4後5,後6,後12
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4後5,後6,後12
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4後13,後14,後15,後16
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4後13,後14,後15,後16
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4後13,後14,後15,後16
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4後14,後15,後16
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。4

評価割合

試験その他合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100