物理化学・化学工学実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理化学・化学工学実験
科目番号 4453 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:「実験テキスト」(高知高専物質工学科編) 参考書:浅田他「新物理化学実験」(技報堂出版)
担当教員 土居 俊房,中島 慶治,中林 浩俊,長山 和史

到達目標

1.物理化学・化学工学の各実験の基本的な操作を学び,実験技術やレポート作成能力を身に付ける。
2.各実験の原理と実験プロセスを理解し実験に必要な測定装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理化学・化学工学の各実験の基本的な操作を学び,実験技術やレポート作成能力をしっかり身に付ける。物理化学・化学工学の各実験の基本的な操作を学び,実験技術やレポート作成能力を身に付ける。物理化学・化学工学の各実験の基本的な操作を学び,実験技術やレポート作成能力を身に付いていない。
評価項目2各実験の原理と実験プロセスを理解し実験に必要な測定装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察することができる。 いくつかの間違いはあるが,ほぼ各実験の原理と実験プロセスを理解し実験に必要な測定装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察することができる。 各実験の原理と実験プロセスを理解し実験に必要な測定装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察することができない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 物理化学および化学工学における基本的な実験操作およびデータ処理法を修得し,それぞれの理論について学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
全てのレポートが提出されている場合を合格とする。平素の学習状況(実験の予習・準備及び取り組み姿勢,実験技術の修得度)30%,レポート70%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を,実験技術や実験結果をレポートとして論理的に記述できる能力等により総合的に評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.実験ガイダンスおよび実験器具・装置の準備・点検 実験器具・測定装置の組み立てと取扱ができる。
2週 2. 物理化学実験
(1) 液体および固体の密度・粘度測定
液体および固体の密度と粘度を正確に測定し,物性評価が出来る。
3週 (2) 固体の溶解度測定 ある温度における電解質の溶解度を実験によって求めることが出来る。
4週 (3) 一次反応の反応速度測定
化学反応の時間的変化を測定し,反応速度定数および活性化エネルギーを求めることが出来る。
5週 (4) 溶液の沸点上昇による分子量の測定 溶液のもつ束一的性質から,溶質の分子量を求めることめることができる
6週 (5) 溶液および水の分解電圧測定と電池の起電力測定 電解質溶液および水の分解電圧を測定し,過電圧について説明ができる。またダニエル電池の起電力が測定できる。
7週 (6) 吸着平衡の測定
吸着実験により吸着等温曲線を作成し,吸着等温式から吸着現象を考察する。
8週 (7) 溶解熱の測定
(8)合金の融点測定
電解質の溶解による温度上昇から溶解熱を求めることができる。
また,スズ-亜鉛合金の状態変化を測定し,状態図を作成できる。
4thQ
9週 3.化学工学実験
(1) 平衡蒸留蒸留
メタノール・水2成分系の平衡蒸留を行い,気液平衡曲線が作成できる。
10週 (2) 単蒸留 メタノール・水2成分系の単蒸留を行い,蒸留前後の物質収支が計算できる。
11週 (3) 充填塔によるメタノール・水系の蒸留 充填塔によるメタノール・水2成分系の蒸留を行い,蒸留前後の物質収支が計算できる。
12週 (4) 流体輸送 流体輸送の理論を理解し,直管の摩擦係数,エルボのエネルギー損失,オリフィスの流量係数,管の急拡大損失が計算できる。
13週 (5) 熱伝導 熱伝導率測定装置を用いて,温度計瀉法により金属の熱伝導率を測定できる。
14週 (6) 強制対流伝熱 二重管式熱交換器の理論を理解し,熱エネルギー収支を計算できる。
15週 (7) 拡散 フィックの法則および蒸発法による拡散係数の測定法を理解し,空気中のエーテルの拡散係数を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4後1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4後1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4後1,後2
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4後2
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4後8
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4後5
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4後3,後7
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4後6
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4後4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度レポート平素の学習状況合計
総合評価割合00007030100
基礎的能力0000403070
専門的能力000030030
分野横断的能力0000000