物理化学III

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学III
科目番号 4526 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:福地賢治編著「PEL物理化学」(実教出版),参考書:宮崎栄三「化学熱力学」(裳華房), 千原英昭・稲葉章訳「アトキンス物理化学要論」(東京化学同人)
担当教員 藤田 陽師

到達目標

【到達目標】
1.反応速度の表し方と濃度・温度依存性について説明・計算ができる。
2.起電力と平衡との関係について説明・計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安      標準的な到達レベルの目安      未到達レベルの目安      
評価項目1 反応速度論反応速度の表し方と濃度・温度依存性について応用計算ができる。   反応速度の表し方と濃度・温度依存性について説明・基本的な計算ができる。   反応速度の表し方と濃度・温度依存性について説明・基本的な計算ができない。   
評価項目2 電気化学分野ネルンストの式を十分に理解し、濃度と標準酸化還元電位が与えられれば、各種電池の起電力、平衡定数、ギブズの自由エネルギーを求めることができる。   起電力と平衡との関係について説明・計算ができる。   起電力と平衡との関係について説明・計算ができない。   

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
4年次までに学んだ「化学ⅡA、化学ⅡB、基礎化学、物理化学Ⅰ・Ⅱ」をもとに、物質工学における基礎知識として必要な化学反応の速度と電気化学に関する基本を習得する。ものづくりの現場で実務経験のある教員によって,実際に化学工場といった研究所といった職場内での実務や製品の機能性そのもの等に活かされている物理化学の原理的な側面を解説することで,実務で幅広く活用できる能力を養成する。
授業の進め方・方法:
授業は随時演習を取り入れた講義形式で進めていく。なお,大半は遠隔授業であるが,授業内容を修得し,課題に取り組んでもらうことで理解を深める。遠隔授業終了後は平均週1回を目安に前週までの内容に関する小テストを実施する。
注意点:
前期末試験の成績70%, 小テストと課題からなる平常点30%の割合で評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ◆物理化学IIIで利用する数学基礎
~最小二乗法~
最小二乗法を理解し,活用できる。
2週 10-1反応速度の表し方と反応速度式
◆反応速度の表し方
◆反応次数
化学反応の反応次数を理解する。
3週 10-2基本反応の速度式
◆一時反応と二次反応
◆半減期
一次反応について反応速度式で表すことができ、半減期を求めることができる。二次反応および高次反応の反応速度を反応速度式で表すことができる。
4週 10-2基本反応の速度式
◆一時反応と二次反応
◆半減期
一次反応について反応速度式で表すことができ、半減期を求めることができる。二次反応および高次反応の反応速度を反応速度式で表すことができる。
5週 11-1複合反応の速度式
◆逐次反応,可逆反応,併発反応
逐次反応,可逆反応,併発反応等の複合反応について,速度式を組み立てることができる。
6週 11-2反応機構と速度式
◆律速段階近似
◆定常状態近似
律速段階近似法を用いて,基本的な化学反応の反応速度式の導出ができる。
定常状態近似法を用いて,基本的な化学反応の反応速度式の導出ができる。
7週 11-2反応機構と速度式
◆酵素反応
ミカエリス・メンテン機構を理解したうえで、酵素反応の反応速度式の導出ができる。
8週 11-3化学反応とエネルギー
◆活性化エネルギーとアレニウスプロット
◆触媒反応
反応速度の温度依存性を調べるため、アレニウスプロットを作成し、活性化エネルギーを求めることができる。衝突理論、遷移状態理論の概念を理解できる。触媒について説明できるとともに均一触媒と不均一触媒について理解できる。
2ndQ
9週 12-1電池の基礎
◆酸化還元反応と酸化数
酸化還元反応と酸化数の変化について理解する。
10週 12-1電池の基礎
◆ダニエル電池
ダニエル電池を理解できる。
11週 12-1電池の基礎
◆電池図
◆電極電位と標準電極電位
電極反応を書ける。電池図を書ける。標準電極電位と電極反応を理解する。
12週 12-2電池の熱力学
◆ネルンストの式
◆電池と熱力学量
ネルンストの式を理解し,起電力と平衡定数,ギブズの自由エネルギーを計算できる。電池に関する様々な熱力学量が算出できる。
13週 12-3実用電池 基本的な実用電池を知る。
14週 12-4電気分解とその応用
◆ファラデーの法則と電気分解
電気分解の原理と実用例について知る。ファラデーの法則を用いて,電気分解の量論計算ができる。
15週 12-4電気分解とその応用
◆ファラデーの法則と電気分解
電気分解の原理と実用例について知る。ファラデーの法則を用いて,電気分解の量論計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4前2
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4前2
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4前3
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4前4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4前5,前6,前7
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000