化学工学II演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学II演習
科目番号 4592E 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:小菅人慈他「化学工学概論」(実教出版) 参考書:配布プリント
担当教員

到達目標

【到達目標】
1.蒸留の原理,単蒸留,精留・蒸留装置について理解できる。また,蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。
2.基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。
3.断熱冷却線の原理を理解し,これを適用して調湿操作の計算ができる。
4.吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。
5.調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解でき、湿度図表を用いて増減湿操作の計算ができる。
6.乾燥の原理を理解でき、乾燥所要時間を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気液平衡、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置を理解し、蒸留装置の基礎設計ができる。蒸留の原理、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置を理解し、蒸留の基本計算ができる。蒸留の原理、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置の理解や蒸留の基本計算ができない。
評価項目2液液抽出の原理、目的、方法を理解し、液液平衡データをもとに複雑な抽出操作の計算ができる。液液抽出の原理、目的、方法を理解し、液液平衡データをもとに抽出操作の基本計算ができる。液液抽出の原理、目的、方法の理解や液液平衡データをもとに抽出操作の基本計算ができない。
評価項目3吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解し、基本計算ができる。吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解していない。
評価項目4調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解でき、湿度図表を用いて増減湿装置の基礎設計ができる。調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解し、湿度図表を用いて増減湿操作の基本計算ができる。調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質の理解や湿度図表を用いて増減湿操作の計算ができない。
評価項目5乾燥の原理、乾燥機構を理解し、乾燥所要時間を計算できる。乾燥の原理、乾燥機構を理解できる。乾燥の原理、乾燥機構を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 「化学工学Ⅱ」の講義で学んだ内容に関する演習に取り組み,講義内容の理解を深めて定着を図る。また,それを応用して問題を解く能力を習得する。
 この科目は企業で化学プロセスの設計を担当していた教員が、その経験を活かし、蒸留、抽出、調湿、乾燥に関する基礎設計の手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
化学工学Ⅱの講義内容に関する演習問題を行う。
注意点:
 試験(化学工学Ⅱ)の成績70%,課題等20%,平素の学習状況10%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.蒸留[1-2]:気液平衡関係に関する演習を行う。 気液平衡について説明できる。
2週 1.蒸留[1-2]:気液平衡関係に関する演習を行う。 沸点曲線(液相線)、露点曲線(気相線)、x-y曲線が図示できる。
3週 2.蒸留[3-4]:気液平衡の計算に関する演習を行う。 ラウールの法則を基づいて気液平衡を計算し、沸点曲線(液相線)、露点曲線(気相線)、x-y曲線を図示できる。
4週 2.蒸留[3-4]:気液平衡の計算に関する演習を行う。 相対揮発度を用いて気液平衡を計算し、x-y曲線を図示できる。
5週 3.蒸留[5-6]:単蒸留について学ぶ。 単蒸留の原理を説明でき、物質収支を計算できる。
6週 3.蒸留[5-6]:単蒸留について学ぶ。 レーリーの式に基づいた理想溶液系の解析式を用い、計算できる。
7週 4.蒸留[7-8]:フラッシュ蒸留に関する演習を行う。 フラッシュ蒸留の原理を説明でき、物質収支を計算できる
8週 4.蒸留[7-8]:フラッシュ蒸留に関する演習を行う。 留出液、塔底液の組成を計算できる。
2ndQ
9週 5.連続蒸留[9-13]:連続蒸留に関する演習を行う。 連続蒸留の原理、精留・蒸留装置を説明できる。
10週 5.連続蒸留[9-13]:連続蒸留に関する演習を行う。 留出液量、缶出液量、濃縮部と回収部の蒸気量と液量を計算でき、操作線を図示できる。
11週 5.連続蒸留[9-13]:連続蒸留に関する演習を行う。 マッケーブシール法により、理論段数、原料供給段を計算できる。
12週 5.連続蒸留[9-13]:連続蒸留に関する演習を行う。 最小理論段数と最小還流比が計算できる。
13週 5.連続蒸留[9-13]:連続蒸留に関する演習を行う。 最適還流比、蒸留塔の高さ、内径を計算できる。
14週 6.液液抽出[14-18]:液液抽出に関する演習問題を行う。 液液抽出の原理、抽出装置を説明できる。
15週 6.液液抽出[14-18]:液液抽出に関する演習問題を行う。 液液平衡関係を説明でき、三角線図を用いて計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 6.液液抽出[14-18]:液液抽出に関する演習問題を行う。 溶解度曲線、対応線、プレイトポイントを図示できる。
2週 6.液液抽出[14-18]:液液抽出に関する演習問題を行う。 単抽出の計算ができる。
3週 6.液液抽出[14-18]:液液抽出に関する演習問題を行う。 多回抽出のプロセスフローが図示できる。
4週 7.吸着[19-21]:吸着に関する演習問題を行う。
吸着の原理、吸着平衡を説明できる。
5週 7.吸着[19-21]:吸着に関する演習問題を行う。 吸着速度式を用いて、吸着量の計算ができる。
6週 7.吸着[19-21]:吸着に関する演習問題を行う。 吸着速度を説明できる。
7週 8.膜分離[22-23]:膜分離に関する演習を行う。 膜分離の原理、目的、方法を説明できる。
8週 8.膜分離[22-23]:膜分離に関する演習を行う。 多孔質膜,非多孔質膜,逆浸透膜,限外濾過膜,イオン交換膜を説明できる。
4thQ
9週 8.調湿[24-27]:調湿に関する演習を行う。 調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を説明できる。
10週 8.調湿[24-27]:調湿に関する演習を行う。 湿度計、断熱冷却線、湿度図表を説明できる。
11週 8.調湿[24-27]:調湿に関する演習を行う。 増湿操作の計算ができる。
12週 8.調湿[24-27]:調湿に関する演習を行う。 減湿操作の計算ができる。
13週 9.乾燥[28-30]:乾燥に関する演習を行う。 乾燥の原理、乾燥装置を説明できる。
14週 9.乾燥[28-30]:乾燥に関する演習を行う。 含水率を計算できる。
15週 9.乾燥[28-30]:乾燥に関する演習を行う。 乾燥所要時間を計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学蒸留の原理について理解できる。4前1,前2
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4前5,前9
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4前3,前6,前8,前10,前11
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前14,後2
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後4

評価割合

試験発表相互評価課題ポートフォリオ平素の学習状況合計
総合評価割合700020010100
基礎的能力50002001080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000