化学・生物実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 化学・生物実験
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:「実験プリント」(高知高専物質工学科) 参考書:「化学Ⅰ,Ⅱ」(大日本図書),「フォトサイエンス化学図録」(数研出版「バイオ研究はじめの一歩」(羊土社),「実験応用生命化学」(朝倉書店))
担当教員 三嶋 尚史,東岡 由里子,藤田 陽師

到達目標

1.化学・生物の基礎的原理や現象について実験を通じて理解する。
2.実験器具・試薬の取り扱いに慣れ,安全に実験を行うことができる。
3.実験ノートの記述や実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基礎的な化学・生物の現象について実験を通じて理解し、さらに発展的な内容を学習できる。基礎的な化学・生物の現象について実験を通じて理解できる。 基礎的な化学・生物の現象について実験を通じて理解できない。
評価項目2実験器具・試薬について十分に事前調査をし、スムーズに実験を安全に進めることができる。実験器具・試薬の正しく扱い,安全に実験を行うことができる。 安全に実験を行うことができない。
評価項目3実験ノートや実験レポートの作成において、種々の参考書を用いて考察できる。実験ノートや実験レポートの作成ができる。実験ノート作成が不十分であったり、実験レポートが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎的な実験を幅広く行い,化学および生物への興味や関心をもたせる。簡単な実験を通して,化学・生物に関する実験器材の使用法を修得し,実験データの整理,レポート作成を学習する。
授業の進め方・方法:
注意点:
全ての実験レポートおよび作品が提出されており,実験レポート80%および平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で成績を評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.実験ガイダンス:実験内容および実験器具の使用方法について説明。 実験器具の取り扱い・使用方法・洗浄方法について理解する。
2週 2.純物質の加熱と冷却:パラジクロロベンゼンの加熱と冷却の特性を調べる。 純物質の加熱と冷却の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
3週 3.蒸留:赤ワインからアルコールを分離する。 蒸留の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
4週 4.レポート指導(1):化学実験レポート作成について個人指導する。 純物質の加熱と冷却のレポートについて個人指導されたことを理解し、次からのレポート作成に活かすことができる。
5週 5.分子量の測定:気体の状態方程式によるエタノールの分子量を測定する。 分子量の測定の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
6週 6.中和滴定:強酸(HCl)と強塩基(NaOH)の中和滴定を行う。 中和滴定の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
7週 7.pHと指示薬:指示薬による種々のpH溶液の色変化をみる。 pHと指示薬の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
8週 8.ガラス細工:ガラス管や棒を用いて、スプレッダーやL型ガラス管を作成する。 ガラス細工の課題を理解して作製し、その作品を提出することができる。
2ndQ
9週 9.微生物の培養と抗生物質の作用:身の回りに存在する微生物を培養する。また、微生物に対するペニシリンの作用を学ぶ。 微生物の培養と抗生物質の作用の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
10週 10.アミラーゼ酵素によるでんぷんの分解:アミラーゼ酵素とでんぷんとの反応をみる。 アミラーゼ酵素によるでんぷんの分解の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
11週 11.レポート指導(2):生物実験レポート作成について個人指導する。 微生物の培養と抗生物質の作用のレポートについて個人指導されたことを理解し、次からのレポート作成に活かすことができる。
12週 12.酵母によるアルコール発酵:パン酵母を用いたアルコール発酵を行う。 酵母によるアルコール発酵の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
13週 13.柑橘類果皮のフラボンの抽出と分離:フラボノイドを抽出して薄層クロマトグラフィーで分離する。 柑橘類果皮のフラボンの抽出と分離の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
14週 14.DNAの抽出:鶏肝臓細胞からDNAを抽出して観察する。 DNAの抽出の実験を行い、その内容を理解してレポートを作成することができる。
15週 15.結晶格子モデルの作製:面心立方格子,体心立方格子の模型を作製する。 結晶格子モデルの課題を理解して作製し、その作品を提出することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。2
代表的な気体発生の実験ができる。2
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験蒸留による精製ができる。3
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。2
生物工学実験滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。2

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合900010010110
基礎的能力0000000
専門的能力900010010110
分野横断的能力0000000