定量分析化学実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 定量分析化学実験
科目番号 0015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:実験テキスト(配布) 参考書:イラスト 実験・実習の安全-化学編-,日本工業化学教育研究会
担当教員 秦 隆志,安川 雅啓

到達目標

【到達目標】
1.基本的な実験器具の使用方法を習得する。
2.各種滴定の原理を理解している。
3.分析化学の理論を実践的に理解し,解析法を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験方法,各種濃度計算,観察事項などが実験レポートに記載され,実験結果に関する深い考察もなされている。実験方法,各種濃度計算,観察事項などが実験レポートに記載されている。実験レポートとしての体裁が整っておらず,実験方法や結果が誤って記載されている。
評価項目2実験ノートに各実験の予習が十分に記され,実験結果,観察事項,考察も十分に記載されている。実験ノートに各実験の予習や実験結果がわかりやすく記載されている。実験ノートに各実験の予習や実験結果があまり記載されていない。
評価項目3実験器具を正確に扱い,手際良く安全に実験を行うことができる。実験器具を正しく扱い,安全に実験を行うことができる。実験器具を正しく扱うことができず,安全に関する理解が欠けている。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 無機イオンの定量分析実験を通して,溶液内での多様な反応を確認し,さらに分析化学の基本概念や理論を理解し,定量分析操作や計算を実践的に習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
 各実験の冒頭に実験に関する注意事項を講義し,その後各自定量分析実験を始める。実験中は操作が正しいか,安全な実験をしているか,実験ノートを正しくつけているかを教員が監督しながら実験を進める。実験内容,実験結果は各自レポートにより報告する。
注意点:
 自ら実験を行い,全てのレポート及び実験ノートを提出していることが合格の条件である。レポートを70%,平素の学習状況(実験ノート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,実験レポートおよび実験ノートの内容をもとに,実験内容に関する理解の程度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 定量分析実験を行うにあたっての概要を説明し,基本操作を学ぶ。 本科目の概要を理解し,関連する実験器具の操作方法が理解できる。
2週 重量分析:硫酸銅結晶中の結晶水の定量(実験1) 硫酸銅五水和物の加熱前後の重量を測定することにより,結晶水の定量ができる。
3週 重量分析:硫酸銅結晶中の銅の定量(実験2) 硫酸銅五水和物を酸化銅に変え精秤することにより,硫酸銅中の銅の含有率を定量できる。
4週 実験1に関するレポート指導 基本的なレポートの書き方が理解できる。
5週 酸塩基反応と当量計算について学ぶ。 酸塩基反応と当量計算が理解できる。
6週 酸塩基滴定:NaOHとNa2CO3混合物の定量(実験3) NaOHとNa2CO3の混合物の酸塩基滴定を通じて,塩基混合物中の各物質の定量ができる。
7週 錯滴定:EDTA水溶液の濃度測定(実験4) EDTA水溶液の濃度測定を通じて,錯滴定が理解できる。
8週 錯滴定:キレート滴定による水の硬度測定(実験5) 市販のミネラルウォーターの硬度測定を通じて,水の硬度測定ができる。
2ndQ
9週 酸化還元反応と当量計算について学ぶ。 酸化還元反応と当量計算が理解できる。
10週 酸化還元滴定:過マンガン酸カリウム標準溶液の調製(実験6) 過マンガン酸カリウム標準溶液の調製と滴定を通じて,酸化還元滴定が理解できる。
11週 酸化還元滴定:CODの測定(実験7) 有機物が溶存するモデル水溶液のCOD測定ができる。
12週 酸化還元滴定:チオ硫酸ナトリウム標準溶液の調製(実験8) チオ硫酸ナトリウム標準溶液の調製と滴定を通じて,より複雑な酸化還元滴定の定量ができる。
13週 酸化還元滴定:亜硫酸ナトリウムの純度測定(実験9) 亜硫酸ナトリウムの酸化還元滴定を通じて,亜硫酸ナトリウムの純度測定ができる。
14週 定量分析実験のまとめ:レポート作成指導 提出したレポートの修正を行い,レポートの正しい書き方が理解できる。
15週 定量分析実験の後片付け:実験器具の洗浄,片づけ 実験器具を正しく洗浄し片づけることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。2
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。2
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合00007030100
基礎的能力0000000
専門的能力00007030100
分野横断的能力0000000