物理化学II演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 物理化学II演習
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:田中 潔 他「フレンドリー物理化学」(三共出版)   参考書:宮崎栄三「大学生のための化学熱力学」(裳華房)他
担当教員 中林 浩俊

到達目標

【到達目標】
1.熱力学第一法則の定義と適用方法を説明でき,反応エンタルピーの計算ができる。
2.熱力学第二/第三の法則の定義と適用方法を説明でき,エントロピーと自由エネルギー変化を計算できる。
3.化学平衡における質量作用の法則と平衡移動の概念を説明できる。
4.溶液の束一的性質を説明し,沸点上昇や浸透圧と溶質の量的関係を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第一法則を理解し,さらに化学反応における反応エンタルピーや内部エネルギー変化の計算に応用できる。熱力学第一法則を使って,仕事・内部エネルギー・熱および反応エンタルピーなどを正しく求めることができる。熱力学第一法則の意味を理解できない。
評価項目2熱力学第二・第三法則を理解し,様々な物質変化に伴うエネルギー変化の計算に応用できる。熱力学第二・第三法則に基づき,反応エンタルピー変化や自由エネルギー変化を正しく計算できる。エントロピーや自由エネルギーの値を計算で求めることがきない。
評価項目3化学平衡における平衡定数とその他のエネルギーとの関係を理解し,計算及び説明ができる。化学平衡における平衡定数,反応エンタルピー,自由エネルギーが正しく計算できる。平衡定数と反応エンタルピーや自由エネルギーの関係についての計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 (B) 説明 閉じる
JABEE基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学の基礎的事項について,3年に引き続いて学ぶ。特に,熱化学と化学平衡の基礎を理解し,化学反応等を熱化学的に解釈し説明できると共に,エネルギーや平衡に関する基礎的な計算問題を解くことができる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を元に講義を行い,各項目ごとに例題を解きながら解説する。
注意点:
試験の成績を90%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を10%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 仕事と熱[1-2]:仕事と熱およびエネルギー,内部エネルギー,熱力学第一法則について学ぶ。 仕事と熱,内部エネルギーのそれぞれ意味を知る。
2週 1. 仕事と熱[1-2]:仕事と熱およびエネルギー,内部エネルギー,熱力学第一法則について学ぶ。 熱力学第一法則とエンタルピーの定義を知る。
3週 2. 内部エネルギーとエンタルピー[3-6]:エンタルピーの導入について学ぶ。 内部エネルギーとエンタルピーの関係を知る。
4週 2. 内部エネルギーとエンタルピー[3-6]:エンタルピーの導入について学ぶ。 熱容量と内部エネルギーおよびエンタルピーの関係を知る。
5週 2. 内部エネルギーとエンタルピー[3-6]:エンタルピーの導入について学ぶ。 仕事・内部エネルギー・熱・エンタルピーに関する計算例を知る。
6週 2. 内部エネルギーとエンタルピー[3-6]:エンタルピーの導入について学ぶ。 仕事・内部エネルギー・熱・エンタルピーに関する基本的な計算ができる。
7週 3. 種々のエンタルピー[7-10]:転移,反応,結合の各種エンタルピーとヘスの法則、キルヒホッフの法則について学ぶ。 状態変化や化学変化に伴うエンタルピー変化を知る。
8週 3. 種々のエンタルピー[7-10]:転移,反応,結合の各種エンタルピーとヘスの法則、キルヒホッフの法則について学ぶ。 転移・反応・燃焼・生成エンタルピーのそれぞれの例を知る。
2ndQ
9週 3. 種々のエンタルピー[7-10]:転移,反応,結合の各種エンタルピーとヘスの法則、キルヒホッフの法則について学ぶ。 転移・反応・燃焼・生成エンタルピーに関する基本的な計算ができる。
10週 3. 種々のエンタルピー[7-10]:転移,反応,結合の各種エンタルピーとヘスの法則、キルヒホッフの法則について学ぶ。 反応エンタルピーの温度依存性を知り,その計算ができる。
11週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 自発的な変化の方向とエントロピーの定義を知る。
12週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 熱力学第二法則を知る
13週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 エントロピーの変化とギブズの自由エネルギーを計算できる
14週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 エントロピーの変化とギブズの自由エネルギーを計算できる
15週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 エントロピーの変化とギブズの自由エネルギーを計算できる
16週
後期
3rdQ
1週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 エントロピーの変化とギブズの自由エネルギーを計算できる
2週 4. 熱力学第二法則[11-17]:変化の方向,熱力学第二法則,エントロピー,ギブスの自由エネルギーについて学ぶ。 エントロピーの変化とギブズの自由エネルギーを計算できる
3週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平行移動を説明できる
4週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数を計算できる
5週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
6週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
7週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
8週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
4thQ
9週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
10週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
11週 5. 化学平衡[18-26]:平衡定数,平衡移動,自由エネルギーと平衡定数,イオンを含む平衡,    溶解度積について学ぶ。 平衡定数と自由エネルギーの計算ができる
12週 6. 溶液の性質[27-30]:溶液の沸点上昇,凝固点降下,浸透圧について学ぶ。 溶液の濃度の表し方を説明できる
13週 6. 溶液の性質[27-30]:溶液の沸点上昇,凝固点降下,浸透圧について学ぶ。 沸点上昇と凝固点降下の計算ができる
14週 6. 溶液の性質[27-30]:溶液の沸点上昇,凝固点降下,浸透圧について学ぶ。 沸点上昇と凝固点降下の計算ができる
15週 6. 溶液の性質[27-30]:溶液の沸点上昇,凝固点降下,浸透圧について学ぶ。 浸透圧の計算ができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。2
束一的性質を説明できる。3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。3
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。3
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。3
エンタルピーの温度依存性を計算できる。3
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。3
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。3
純物質の絶対エントロピーを計算できる。3
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。3
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。3
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3
平衡定数の温度依存性を計算できる。3
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。3

評価割合

試験平素の学習状況合計
総合評価割合9010100
基礎的能力40040
専門的能力401050
分野横断的能力10010