概要:
物理化学および化学工学における基本的な実験操作およびデータ処理法を修得し,それぞれの理論について学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
全てのレポートが提出されている場合を合格とする。平素の学習状況(実験の予習・準備及び取り組み姿勢,実験技術の修得度)30%,レポート70%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を,実験技術や実験結果をレポートとして論理的に記述できる能力等により総合的に評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1.実験ガイダンスおよび実験器具・装置の準備・点検 |
実験器具・測定装置の組み立てと取扱ができる。
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2週 |
2. 物理化学実験 (1) 液体の密度・粘度測定 |
純溶媒および混合溶液の密度と粘度を測定し,物性評価が出来る。
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3週 |
(2) 固体の溶解度測定 |
ある温度における電解質の溶解度を実験によって求めることが出来る。
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4週 |
(3) 一次反応の反応速度測定
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化学反応の時間的変化を測定し,反応速度を求めることが出来る。
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5週 |
(4) 水素イオン濃度の測定 |
酸とアルカリの滴定による溶液中の水素イオン濃度の変化を測定し,中和反応を理解する。
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6週 |
(5) 溶液の分解電圧測定 |
数種の電解質溶液の分解電圧を測定し,電気分解について理解する。
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7週 |
(6) 吸着平衡の測定
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吸着実験により吸着等温曲線を作成し,吸着等温式から吸着現象を考察する。
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8週 |
(7) 合金の融点測定 |
金属合金の状態変化を測定し,状態図を作成する。
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4thQ |
9週 |
3.化学工学実験 (1) 平衡蒸留蒸留 |
メタノール・水2成分系の平衡蒸留を行い,気液平衡曲線が作成できる。
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10週 |
(2) 単蒸留 |
メタノール・水2成分系の単蒸留を行い,蒸留前後の物質収支が計算できる。
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11週 |
(3) 充填塔によるメタノール・水系の蒸留 |
充填塔によるメタノール・水2成分系の蒸留を行い,蒸留前後の物質収支が計算できる。
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12週 |
(4) 流体輸送 |
流体輸送の理論を理解し,直管の摩擦係数,エルボのエネルギー損失,オリフィスの流量係数,管の急拡大損失が計算できる。
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13週 |
(5) 熱伝導 |
熱伝導率測定装置を用いて,温度計瀉法により金属の熱伝導率を測定できる。
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14週 |
(6) 強制対流伝熱 |
二重管式熱交換器の理論を理解し,熱エネルギー収支を計算できる。
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15週 |
(7) 拡散 |
フィックの法則および蒸発法による拡散係数の測定法を理解し,空気中のエーテルの拡散係数を求めることができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 2 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 3 | |
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。 | 3 | |
化学工学実験 | 流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。 | 3 | |
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 3 | |
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。 | 3 | |