化学工学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学I
科目番号 1089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:小島和夫他「入門化学工学」(培風館)  参考書:配布プリント
担当教員 土居 俊房

到達目標

【到達目標】
1.SI単位系の定義を良く理解し,簡単な化学プロセスの物質収支の計算ができる。
2.流動に必要な所要動力の計算が良くできる。
3.伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の計算ができ,熱交換器,蒸発缶の基礎設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI単位系の定義を良く理解し,簡単な化学プロセスの物質収支の計算が良くできる。SI単位系の定義を理解し,簡単な化学プロセスの物質収支の計算ができる。SI単位系の定義の理解が不十分で,簡単な化学プロセスの物質収支の計算ができない。
評価項目2流動に必要な所要動力の計算が良くできる。流動に必要な所要動力の計算ができる。流速,流量,レイノルズ数,エネルギー収支・損失をもとに,単純なプロ流動に必要な所要動力の計算ができない。
評価項目3伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の計算が良くでき,熱交換器,蒸発缶の基礎設計が良くできる。伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の計算ができ,熱交換器,蒸発缶の基礎設計ができる。伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の基礎知識が不十分で,熱交換器,蒸発缶の基礎設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 化学プラントでは,原料から製品に至る過程で流体の輸送,加熱,冷却,蒸発などを行う。本講義では,様々な物理量の単位,流体の流動操作,熱移動操作,蒸発操作を理解し,技術者としての専門基礎知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
 学生に教科書を中心とした予習を課し,必要に応じてビデを事前に見せる。講義では小テストを行い,予習の理解度を確認する。また,演習問題を自分で解き,理解できないところを学生がお互いに教え合い,理解度を深める。
注意点:
 定期試験(年4回)の評価50%,平素の小テストおよび演習の評価50%の割合で総合的に評価する。
 学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 化学工学の基礎(1)化学工化学で何を学ぶのか。 SI基本単位とSI誘導単位の関係を説明できる。
2週 (2)SI単位系
(3)単位換算
非SI単位の物理量をSI単位に換算できる。
3週 (4)理想気体の状態式 理想気体の状態方程式を用いて,気体の体積,圧力,モル数,モル濃度を計算できる。
4週 (5)物理操作をめぐる物質収支 化学反応を伴わない場合の単独装置の物質収支を計算できる。
5週 (6)化学反応を伴う物質収支 化学反応を伴う場合の基本的な物質収支を計算できる。
6週 (6)燃焼反応における物質収支 燃焼反応における物質収支を計算できる。
7週 (前期中間試験)
8週 (試験返却)
2ndQ
9週 2.流動操作
(1)流動の物質収支
(2)流動のエネルギー収支
①円管内の流速,質量流を計算できる。
②流動に必要な仕事,圧力エネルギー,位置のエネルギー,運動のエネルギー,摩擦損失について説明できる。
10週 (3)ニュートンの粘性法則
(4)流れの状態とレイノルズ数
①ニュートンの粘性法則を説明できる。
②円管内のレイノルズ数を計算できる。
11週 (5)円管内の層流と乱流の平均流速
①ハーゲン・ポアズィユの式を導出できる。
②円管内の層流と乱流の平均流速を計算できる。
12週 (6)円管内の摩擦損失 ファニングの式を用いて直管の摩擦損失を計算できる。
13週 (7)継手および弁の摩擦損失
(8)管の拡大および縮小の摩擦損失
①継手および弁の摩擦損失を計算できる。
②管の拡大および縮小の摩擦損失を計算できる。
14週 (9)流動に必要な所用動力 流動に必要な所用動力,ポンプ動力を計算できる。
15週 (10)流量計 ①オリフィス計およびピトー管 オリフィス計およびピトー管の原理を説明できる。
16週 (前期末試験)
後期
3rdQ
1週 (試験返却)
2週 (11)流量計 ③ローターメータ ローターメータの原理を説明できる。
3週 3.熱移動操作
(1)熱移動操作とは何か
(2)フーリエの法則と熱伝導度
①伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の違いについて説明できる。
②フーリエの法則と熱伝導度について説明できる。
4週 (3)平板状個体層の伝熱速度
(4)多重平板状個体層の伝熱速度
①平板状固体層の伝熱速度を計算できる。
②多重平板状固体層の伝熱速度を計算できる。
5週 (5)円筒状個体層の伝熱速度
(6)多重円筒状個体層の伝熱速度
①円筒状固体層の伝熱速度を計算できる。
②多重円筒状固体層の伝熱速度を計算できる。
6週 (7)熱伝達と熱貫流 ①境膜伝熱係数および総括伝熱係数について説明できる。
②熱貫流による伝熱速度を計算できる。
7週 (中間試験)
8週 (試験返却)
4thQ
9週 (8)熱交換器の熱収支
(9)熱交換器の対数平均温度差
熱交換器の熱収支および対数平均温度差を計算できる。
10週 (10)二重管式熱交換器の総括伝熱係数 二重管式熱交換器の総括伝熱係数を計算できる。
11週 (11)二重管式熱交換器の伝熱面積 二重管式熱交換器の伝熱面積を計算できる。
12週 (12)ステファン・ボルツマンの法則
(13)放射伝熱係数と複合伝熱係数
①ステファン・ボルツマンの法則について説明できる。
②放射伝熱係数および複合伝熱速度を計算できる。
13週 4.蒸発操作
(1)溶液の沸点上昇
デューリング線図を作成できる。
14週 (2)蒸発缶の物質収支および熱収支 蒸発缶の物質収支および熱収支を計算できる。
15週 (期末試験)
16週 (試験返却)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。2前1,前2,前3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3
流れの物質収支の計算ができる。3
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。3
流体輸送の動力の計算ができる。3
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。2
熱伝導による熱流量について説明できる。3
熱交換器内の熱流量について説明できる。3前7
放射伝熱について説明できる。3
蒸発装置について説明できる。3
蒸発缶の物質収支と熱収支の計算ができる。3

評価割合

試験小テスト・演習ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力3030000060
専門的能力2020000040
分野横断的能力0000000