有機化学実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学実験
科目番号 1092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:山口博由「有機化学実験」(技報堂出版) 参考書:配布プリント
担当教員 大角 理人,白井 智彦

到達目標

【到達目標】
1.教科書で学習した内容について,実験を通して実践できる。
2.有機合成の実験を通して,合成実験の技術を習得できる。
3.実験とその考察を論理的に論文形式の文章としてまとめ,報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の予習実験書の内容に加えて、それに関連する事項を予習して実験に臨むことができる。実験書の内容を予習して実験に臨むことができる。実験書の内容を予習して実験に臨むことができない。
実験の理解実験書の内容の意味を十分に理解したうえで、実験書に従い、安全に実験を行うことができる。実験書に従い、安全に実験を行うことができる。実験書に従い、安全に実験を行うことができない。
実験結果のまとめ実験結果および考察を論理的に論文形式の文章としてまとめることができる。実験結果を論理的に論文形式の文章としてまとめることができる。実験結果を論理的に論文形式の文章としてまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 化学技術者が身につけるべき専門基礎として,有機化合物の合成実験を中心に行い,合成化学に関する実験技術を習得する。実験とその考察を論理的に文章としてまとめ,報告できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
注意点:
全てのレポート及び実験ノートを提出していることが合格の条件である。レポートを70%,実験ノートを30%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,レポートおよび実験ノートの内容をもとに,実験内容に関する理解の程度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:有機化学実験を行うに当たっての注意事項,基本操作を学ぶ。(大角) 有機化学実験を行うに当たっての注意事項,基本操作を理解することができる。
2週 塩化t-ブチルの合成:t-ブチルアルコールの塩素化を学ぶ。(大角) 反応を理解し、塩化t-ブチルの合成ができる。
3週 酢酸エチルの合成:酢酸のエステル化を学ぶ。(大角) 反応を理解し、酢酸エチルの合成ができる。
4週 機器分析①:NMR分光計を学ぶ。(大角) 原理を理解し、NMR分光計を使うことができる。
5週 酢酸t-ブチルの合成[:t-ブチルアルコールのアセチル化を学ぶ。(白井) 反応を理解し、酢酸t-ブチルの合成ができる。
6週 シクロヘキセンの合成:シクロヘキサノールの脱水による二重結合の生成を学ぶ。(大角) 反応を理解し、臭化n-ブチルの合成ができる。
7週 機器分析②: FT-IRを学ぶ。(大角) 反応を理解し、シクロヘキセンの合成ができる。
8週 レポート指導 レポート指導された項目を改善できる。
2ndQ
9週 臭化n-ブチルの合成:n-ブチルアルコールの臭素化を学ぶ。(白井) 反応を理解し、ジベンジリデンアセトンの合成ができる。
10週 ジベンジリデンアセトンの合成:ベンズアルデヒドとアセトンの脱水縮合を学ぶ。(大角) 原理を理解し、UV-Vis分光光度計を使うことができる。
11週 機器分析③:UV-Vis分光光度計を学ぶ。(大角) 反応を理解し、m-ニトロ安息香酸メチルの合成ができる。
12週 m-ニトロ安息香酸メチルの合成:置換基の配向性を学ぶ。(白井) 原理を理解し、ガスクロマトグラフを使うことができる。
13週 機器分析④:ガスクロマトグラフィーを学ぶ。(白井) 反応を理解し、オレンジⅡの合成ができる。
14週 オレンジⅡの合成:ジアゾカップリング反応によるアゾ色素の合成を学ぶ。(大角) 原理を理解し、UV-Vis分光光度計を使うことができる。
15週 片付け・まとめ まとめることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。3
蒸留による精製ができる。3
吸引ろ過ができる。3
再結晶による精製ができる。3
分液漏斗による抽出ができる。3
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。3
収率の計算ができる。3
沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。3

評価割合

レポート実験ノート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力303060
専門的能力30030
分野横断的能力10010